2月17日(月)

番外編です。

この週末、若き日の自分を鍛え上げてくれた元上司から、突然メールが入りました。長文でした。

この上司は、若き日の自分が憧れていた花形部署を経て、初めて中間管理職ポストに昇格して異動してきた人でした。

厳しい人でしたが、チャレンジを応援してくれる頼りになる兄貴分。

ビジネスマンになって、初めて自分が憧れを持って接した上司でした。

大学院進学をあきらめたことを、どこか引きずっていた自分が、真の意味でプロになり、また後に花形部署に異動することになる礎を作ってくれた恩人でもあります。

もう、しばらく前に現役を退いた元上司が、なぜ突然のメールをくれたのか。

それは、年賀状がきっかけでした。以下に、メールの文章をほぼそのまま書きます。

(元上司からのメール文)

「シングルパパ君

大変ご無沙汰しております。貴君とともに仕事をしたAです。突然のメールで驚いたかもしれません。

実は、この週末、遅まきながら年賀状の当選番号チェックをしていました。いただいた年賀状を読み返していて、ふと貴君の年賀状が目に留まり、そこにあった短いコメントが、とても気になりました。元旦に読んだときは気づかなかったのですが、何だか、貴君が更に逆境にあるのではないかと心配になったのです。

貴君が、ご家庭の状況が恐ろしく厳しい状況になり、花形部署を去ったことは聞いていました。元配偶者のことも、お子さんを一人で支えていることも、お母様の介護を抱えていることも、親しい筋から聞いていました。

その後、貴君が職を変えてでも、ビジネスマンとしてのキャリアと、厳しい家庭環境を両立しようとしていることも知っていました。

それでも、貴君が近況報告として書いてくれた短いコメントが気になったのです。

『自分も、あれからまた年齢を重ね、再び次のステージを考えるようになりました』

とありましたね。

もしや、今の状況が厳しいのかな?と思ったのです。

年寄りの余計な詮索であれば、スルーしてください。

ただ、もしも何か思い悩んでいるなら、自分には今、有り余る暇な時間があるので、貴君の愚痴くらいは聞いてあげられる余裕はあると思います。

貴君と同じ部署で過ごした日々は、楽しかった思い出です。

大勢の部下を持った新米上司だった自分が頼りにしていたのは、ベテランだったB君と、シングルパパ君。これが自分のチームの柱でした。

貴君は知っているのかどうかわかりませんが、当時の自分が重要な案件を次々君にばかり任せるから、裏では他の先輩たちが嫉妬して大変でした。個人面談で、文句を言われたこともあったのです。

だが、当時は自分も、自分自身のために勝負を賭けていた。

結果を出さなくてはいけないから、勝つための采配をした。それだけです。贔屓していたわけではありません。

育成目的ももちろんありましたが、本当に君を頼りにしていました。

貴君の直言を厭わない強気な仕事ぶりに、若き日の自分を重ね合わせた部分もあったと思います。

自慢の部下だった貴君の最後は残念でした。

しかし、自分の最後も、貴君も知っての通り。君を引っ張り上げてあげられるようなポストにはなれませんでした。結局、何の力にもなれず申し訳ないです。

シングルパパ君。君が今、改めて何を抱えているのかはわかりませんが、君は、まだ終わっていない。きっと、まだビジネスの世界で輝ける。

気が向いたら、暇を持て余す元上司まで、連絡をください。

それでは、貴君とお嬢さんの健闘を祈っています。」


文脈を読むという言葉がありますが、心の奥の叫びを聞き届けてもらえたような気がして涙がでました。

心底尊敬出来て、相性も良かった上司は、数少ないのですが、若き日の自分にとっては最大の恩人。

その衰えぬ慧眼ぶりに感服しつつ、みっともない晩年は過ごせないと、改めて自分を戒めました。

「Aさん、ありがとうございます。お言葉に甘えて、お時間を頂くつもりです。」



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