2ケタ国道の交わる場所

さて以前書いた「1ケタ国道の交わる場所」の続き、今回は2ケタ国道編である。そんなものを調べて何になるのかと聞かれても答えはない。大人の自由研究である。

 ぼちぼちとプロットしてみたのが次の地図である。前回同様、重複区間などで国道交点であることが見た目にわからない場所(京都市の烏丸五条交差点など)や、同じ番号の国道同士の交点(1号現道と1号バイパスの交点など)は、ややこしくなるので除外してある。たぶん、抜けや間違いがあろうと思うので、見つけたらご指摘いただきたい。ちなみに青いマークは1ケタ同士の交点、赤いマークは1ケタ×2ケタまたは2ケタ同士の交点である。

 予想されたことではあるが、やはり地域差が大きい。京阪神に集中している一方、スカスカの地域も多いことが一見してわかる。

 北海道は8本の1~2ケタ国道が通っているが、道東には釧路の38号×44号の1つだけである。日本最大の面積を誇る県である岩手も、盛岡に4号×46号を擁するのみだ。山形県新庄市には13号×47号が4ヶ所あるが、これはいずれ現道が降格して一本化されるだろう。

  会津から北関東にかけては空白地帯が広がる。アルプス山脈の通る中部地方はさすがにスカスカだが、塩尻市の19号×20号が気を吐いた。やはり寂しいのが北陸で、富山の8号×41号がぽつんと浮いている。対照的に、愛知・岐阜・三重の東海三県は13箇所を抱える充実ぶりである。まあこれは、建設途上のバイパスが多いことも影響している。

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塩尻市高出交差点。ここで20号が19号にぶつかって終了する。

 京阪神は8箇所と、思ったより少ない。酷道のメッカ・紀伊半島はやはり空白地帯である。中四国は、ほとんどが県庁所在地に集中している。九州は、1ケタが3号だけ、 2ケタが10・34・35・57号の4本だけであるので、交点も思ったより少ない結果になった。

 県別で見ると、石川・宮崎・沖縄の3県がゼロである。石川県は8号が通過するのみで、2ケタ国道は通っていない。山地に遮られた地形上、やむを得ぬところだろう。本来なら、金沢~岐阜を結ぶ157号が2ケタ国道になっていてもいいところだろうが、何しろ厳しい温見峠が立ちはだかっている。

 宮崎県は10号、沖縄県は58号が通るのみであり、1ケタ国道もない。ついでに言えば、山口県は2号と9号が通っているが、2ケタ国道はゼロである。これはちょっと意外な発見であった。 

 ということで、 こんなことでも地方の様子を考える一材料にはなるのではないかと思った次第であった。いずれ、また別のテーマで地図にプロットして遊んでみようと思う。

1ケタ国道の交わる場所(2)

さて2ヶ月近くも間が開いたが、前回の続き。1ケタ国道同士の交点を順次紹介するという、なかなかどうでもいい企画である。

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 西日本の1ケタ国道の交点、トップバッターは栗東市の1号×8号である。2001年までここは「栗東町」であり、全国唯一の「町」にある1桁国道交点であった。ちなみにここには、名神高速道路の栗東インターも接続しているから、非常に大きな道路の結節点ということになる。交通の便が良いという地の利から工場などが増え、市制施行に至ったということだから、この交差点があったことはずいぶんと町にとってプラスだったのだろう。

道の両側におにぎりがある分岐点。

  この国道8号、この後も1号と重複して京都まで来ているが、栗東以降はおにぎりなどの表示は全くなく、名目のみの存在となる。8号は烏丸五条交差点で9号にバトンタッチするが、1号が重複しているためにこの交点は目には見えない。

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烏丸五条交差点。南へは24号、北へは367号が出発している。

 この西の堀川五条交差点が、1号・9号の分岐点となっている。大阪へ向かう1号と、遠く下関を目指す9号の、一瞬のランデヴーである。

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堀川五条。国道1号が直角に折れる、数少ない交差点でもある。

  その1号は大阪の梅田新道で終了し、2号に後を託す。ここは今までも取り上げたこともあるが、4方向に違うナンバーの国道が出発する交差点である。下の写真は、梅田にて開催された「どぼくカフェ」で展示された、特製青看である。実際にこういうものがあればマニアとしては満足感でいっぱいだが、まあ見づらいのは事実である。

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梅田新道交差点には、7国道の起終点が集結している。

 中国地方を代表する国道である2号と9号は、それぞれ山陽と山陰を貫きつつ並走するが、山口まで来て9号が南下し、ついに合流する。そして下関で再度分岐し、今度は2号が北側を走る。最後の最後に立場が入れ替わるわけで、人生わからねえなあという気にさせられる。別にさせられないか。

山口市の、2号・9号の合流ポイント。

 2号は関門トンネルをくぐって九州に上陸、北九州市の老松公園前で3号に入れ替わる。これが、最後の1ケタ国道交点である。かつては「2号ここまで」という標識があったのだが、いつの間にか撤去されたようだ。

 ということで1桁交点全てを眺めた。となると2桁交点はどうなんだ、と考えるのが世の常である。今ぼちぼち地図上にプロットしてみているが、どうやらかなり地域によって分布に偏りがある。1・2桁国道(旧一級国道)同士の交点がひとつもない県が、3つあるようだ(バイパスなど、同じ番号同士の国道交点は除外)。 さてどこであるか、マニア諸氏は考えてみて下さい。

1ケタ国道の交わる場所(1)

みなさまあけましておめでとうございます(遅)。だいぶ長いこと、まともな記事を書いていなかった気がするので、久々にちょっと書いてみることに。

国道マニアがドライブしていて心ときめくポイントはどんなところかといえば、やはり複数の国道の交点や、起終点の集まっている場所なわけである。こうした場所を、ブログ「Light EXPRESS」さんでは「日本国道点」と名づけておられる。シンプルで、素晴らしいネーミングと思う。

となれば、1ケタ国道同士の交点は「大国道点」とでも称すべきだろうか。こういう場所が全国にどのくらいあるか。とりあえず、重複区間などで国道交点であることが見た目にわからない場所(京都市の烏丸五条交差点など)や、同じ番号の国道同士の交点(1号現道と1号バイパスの交点など)を除くとすると、筆者のカウントでは12ヶ所あることになる。1ケタ国道が5号1本しかない北海道や、1本もない四国には、当然交点は存在しない。 

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まず北から行くと、青森市の「青い森公園」前で、4号と7号がぶつかって終了している。ここには「国道の碑」なるものが立っているので、拝んでおきたいポイントである。

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国道の碑

 青森にはもう1ヶ所、4号と7号の交点がある。国道7号扱いで建設された青森環状道路が、4号青森東バイパスと接する交差点である。2009年に誕生したばかりなので、筆者が前に青森を訪れた際にはまだ存在しなかった。手元に写真がないので、ストリートビューでがまんである。

 東北地方にはあとひとつ、宮城県岩沼市に国道4号と6号の交差点がある。筆者が幼少のみぎり、6号はこうやって終わるのかと知り、国道に興味を持つきっかけとなった思い出の場所である。ただし6号は、書類上は4号と重複してこの先にも伸びており、苦竹インターチェンジまで続いていることになっている(標識などは全くない)。
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岩沼市の4号と6号の交点 

 4号と6号の交点はもうひとつある。この300キロほど南、東京都心の新日本橋駅付近だ。4号と6号は日本橋からスタートしてここで分岐し、はるか先の岩沼で再会するのである。そう思うと、単なる道路がちょっとドラマチックに見えてきたりはしないか。

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新日本橋の4号・6号分岐。1桁同士のだんごは貴重である。

 そのすぐ近くの日本橋は、南向きに1号、北向きに4号が出発している。その他7国道がここを起点としており、日本の道路の総元締めというべき場所である。ただし標識などはないので、ここで1号と4号が接しているということは、見た目だけではわからないのがちょっと残念である。

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日本橋の「日本国道路元標」

 東日本にはもう1ヶ所、新潟市の紫竹山インターチェンジがあり、ここで7号と8号が切り替わる。正確に言うと、7号は新潟バイパスを東から来てここで降り、新潟市街の本町交差点で終点となる。8号はここから始まって、元きた道をたどって新潟バイパスへ向かい、紫竹山インターチェンジから西へ向かう。要するに、7号と8号は新潟バイパスをただ走り抜けていけばいいものを、わざわざ本町交差点へ寄り道しているわけだ。


なんでこういう面倒なことになっているかは、1月24日の「サイエンスカフェにいがた」で話そうかと思っているので、時間のある方は来てみて下さい、と宣伝などしつつ今回はこれまでなのである。西日本の交点は、また後日に。

「ふしぎな国道」好評御礼

 10月発売の拙著「ふしぎな国道」、おかげさまで予想を上回る好評のようです。ご愛顧感謝いたします。4刷が出ることになり、筆者の本の中で早くも一番売れた本ということになりました。 

 ということで、講談社さんも販売に力を入れてくださるようで、新しい帯が投入されることになりました。この本、表紙は講談社現代新書デフォルトの青い四角がプリントされたものですが、太い帯が巻いており、ここに246号のおにぎりが描いてあります(なんでR246なのとよく聞かれるのですが、単に一番メジャーそうな3ケタ国道にしてみただけで、さほどの意味はありません)。

 ただ、関西などに行くと「246号ってどこですか?」と聞かれることになります。ということで、各地方版の帯を作っていただきました。下にあるのは関西バージョン、国道2号のおにぎりがあしらってあります。

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 この他、東北バージョンなどいくつか存在します。できれば県ごとに違うものとか凝りたいところですが、さすがにそうもいかないので、4種類だけです。マニアなあなたは、全種類コレクションにチャレンジしてみてもいいんじゃないでしょうか。いや、すべきです。

  まあそんなわけで、他のムックの監修の話やら、続編の話やらいろいろいただいております。次の本はどんなのがよいか、ご意見などいただければ幸いです。

「ふしぎな国道」裏話

 先日、拙著「ふしぎな国道 (講談社現代新書)」が発売になった。実のところ3年くらい前からちょいちょい書いていたりもしたのだが、えらく長くかかってしまった。「非・国道系」など、このブログで書いたテーマもいくつか、改稿の上収載している。

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表紙

 幸いにして、発売4日目で増刷がかかるなど、売れ行きは好調らしい。小飼弾氏や三中信宏氏など、非常な読書家の方に絶賛をいただいているのは大変嬉しい。まああのクラスになると、全く知らないジャンルの本というのはほとんどないだろうからして、新鮮に感じたのだろうと思う。書評サイト「HONZ」でも、大変熱い書評をいただいた。どんな本か知りたい方は、こちらをご覧いただくのが早いかと思う。

 ちなみに著者インタビューはこちら。「なぜディープな「国道♥愛」をカミングアウトすることになったのか」とか書いてあるけど、いや昔から別に隠してないというか、アピールしまくってますけどね。

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収録した写真のひとつ、339号階段国道

 裏話をちょっとすると、講談社現代新書は通常白い表紙にカラフルな正方形を置いた表紙だが、今回それに太い帯を巻いていただいた。こちらには246号のおにぎりをドンとあしらってある。このおにぎりは、本の中でも取り上げた(株)大蔵製作所に、実際の道路標識に使われている画像データを提供いただいた。つまりこの表紙は「リアルな標識」ではなく、正真正銘の本物のおにぎりなわけである。

R246
筆者が大蔵製作所より購入したミニチュア標識

 表紙のおにぎりを何号にするかも悩んだが、まあ3桁がビジュアル的にいいかなと考えた。知名度、見た目のバランスなどいろいろ考え、結局選んだのは246号。佐藤だから310号にするかとか、最寄りの国道にするかということも考えたが、大した理由もなく特定の道を表紙でクローズアップするのもおかしいかと思い、3桁で一番メジャーな路線を選んでしまった。


  タイトルももちろん悩んだ。実のところ、本のタイトルの決定権は著者にはない。出版社の方針などにもよるが、著者は「意見」を聞かれるだけであり、社によっては中身を読んでいない人の意見も入った会議で決められる。苦労して書いた当人からは何だよそりゃとも思うが、先入観のない人の見方も大事だからという。

 今回、最初考えていた仮タイトルは「国道入門」であった。シンプルかつどこか狂気をはらんだタイトルで悪くないと思ったのだが、あまり受けがよくなかったらしい。「国道党宣言」とかいうのも考えたが、変に誤解されるから絶対に駄目ですと激しく拒絶された。まあ講談社現代新書というレーベルでは、やりにくい題名なのかもしれない。

 「ふしぎな国道」という案は、編集者氏から出された。以前「ふしぎなキリスト教」という本が売れたので、その連想もあったらしい。中身が想像しにくいふんわりしたタイトルだが、良かったか悪かったかは今後次第である。


 ネットでの感想など見る限り、今のところ読んでいただいているのは、やはりマニア層が多いようだ。彼らからすれば既知のことも多く、なあんだと思われた部分もあるようだ。まあこちらとしてはこの趣味を全く知らない層に向けて書いているわけで、これはしゃあない。これから一般層の目に触れた時、いったいどんな感想が出てくるのか 楽しみである。
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筆者初の国道本。道路趣味の魅力を説く、国道マニアの入門書。



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酷い国道・「酷道」走行の集大成。


「山さ行がねか」の平沼氏の新著。道路の基礎からマニアまで。
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