前エントリ「16号の果て」が、思いもかけずブックマークが100を越え、ずいぶん読んでいただいたらしい。こういうのは、書いている本人には何が受けるかわからないものだ。まあちょっとでもこういう変な趣味を理解してもらうきっかけになれば、嬉しい限りではある。

 で、最近読んだブログの書き方の本によれば、こういうヒットするネタが出た時は、すかさず関連するネタを投下すべしということらしい。二番煎じというのはだいたいあざとくなって空振りしがちでもあるが、まあやるだけやってみることとする。

 幹線道路でありながら、その終わり方はどうなんすか一体という国道としては、関東だと14号が挙げられるだろうか。全長40kmに満たないものの、 東京日本橋から千葉市までを結んでおり、14号という若い番号にふさわしい風格がある。ちなみに京葉道路というやつも、見た目は高速道路だが、法律上は国道14号の有料バイパスという扱いだ。まあ人間で言えば、人々に尊敬されつつ太く短く駆け抜けた、幕末の志士の人生みたいな路線である。

R014
14号は、ほとんどの区間を総武本線と並走する。

  14号は、潮風を受けながらベイエリアを颯爽と駆け抜け、幕張メッセやマリンスタジアムを横目に見ながらゴールの千葉市中心部を目指す。6車線が確保されており、このへんは千葉県を代表する道といえるだろう。

14+357
14号は357号と重複し、湾岸を駆け抜ける。たいへんオサレな道。

  が、終点の広小路交差点にたどり着く直前、京成千葉線をくぐるあたりから道が細くなり、なんと一方通行になってしまう。スムーズな広域道路交通を担う国道、しかも2桁ナンバーを背負う道がそれでいいのかという感はものすごくあるが、ビルが建て込んでいて今さら拡幅もできなかったのだろう。頑張れば対面通行できなくもない幅だが、危険と判断されたと思われる。市街地の酷道という、なかなか珍しい事例である。

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国道14号一方通行区間。終点側から眺める。


 最後が一方通行になる幹線国道は、関西にもある。かの国道25号がそれだ。三重県四日市市から大阪市までを結んでおり、文字通り関西の大動脈といえる。で、この道の顕著な特徴は、その見事なまでの二重人格っぷりにある。

 亀山~天理間の「名阪国道」は、高速道路並みの規格を誇る道路で、歩行者などは進入禁止。一般国道としては非常に特異な区間だ。で、それに並行して走る道(「非名阪」と通称される)は、これと打って変わったダメ国道なのである。対向すら難しい場所が多く、2桁国道としては全く例外的な酷道だ。2本の道が同じ番号を名乗って並走し、ここまで扱いに差がある道は国道25号をおいて他にない。この辺については、以前書いたエントリを参照されたい。

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左が名阪国道、右が非名阪。国道界きっての格差社会。

  このあたりは関西のドライバー諸氏にはご存知の方が多いと思うが、この25号が最後はどうなるかは知らない人も多いのではないか。実はこの国道25号、大阪のメインストリートといえる御堂筋につながってゆき、大阪市道路元標のある梅田新道交差点で終了する。関西の道路としてはこれ以上ない、華やかなフィニッシュといえる。ただ、この区間には単独の国道標識がほとんど設置されていないので、国道とは気づきにくいかもしれない。

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御堂筋。1937年に現在の広さになった。当時として極めて先進的な設計であった。

  が、この御堂筋は6車線もの幅がありながら、南行きの一方通行という非常に珍しい道だ。並行する堺筋・四ツ橋筋は北向き一方通行だが、これらは国道ではない。1970年の大阪万博開催の際、交通渋滞解消のためこう決められたということだ。ということで、14号とは事情がだいぶ違うが、これも終点付近で一方通行になる国道なのである。


 もうひとつ、起点が一方通行という道も存在した。三重県尾鷲市~和歌山県御坊市を結ぶ、国道425号がそれだ。紀伊半島を横断する道だが、全線これ悪路といってよい道であり、全国最凶酷道に挙げる者も少なくない。この尾鷲側の出発点がいきなりの一方通行、しかも隣が墓場という念の入りようで、行く先の苦難を暗示するかのようだ。真面目な話、この道に興味本位で近づくことはお勧めしない(もっとも、最近この起点付近が整備されて、一方通行は解消されそうとの話も聞く)。

地獄へようこそ、といった雰囲気をかもし出す。

 一本の国道を、最初から最後まで完走する趣味の人がいる。彼らは寄り道とか迂回路をとるといったことを潔しとせず、きちんと国道のみを走りきろうとする傾向にある。てことで、終点間際で一方通行などにぶち当たると、それまでの走りが水の泡になってしまうのだ。425号などでそれをやると、悲惨以外の何者でもない。これから一気完走に挑む方には、十分下調べして臨むことをお勧めしたい。


 国道というのは、基本的に他の国道から分岐して始まり、他の国道にぶつかって終わらねばならないというルールがある(まあいろいろ例外もあるけど)。なので、最後のところで他の国道につなげるため、何だか無理やりなルーティングをしている国道は少なくないのである。何でこんなことになっとるんじゃというポイントを見つけたら、周辺や地図をじろじろと観察すると「なるほど」と謎が解けることがあり、このへんが国道趣味の醍醐味であったりするわけである。国道起終点付近で、写真など撮りながらきょろきょろしているでかいおっさんがいたら、それは筆者かもしれないので、生暖かく見守っていただきたいと思う次第である。