「国道走行が趣味だ」と言ったときによく飛んでくるのが、「じゃあ国道以外走らないんですか?高速とか県道は使わないの?」という質問だ。人にもよるけど、筆者の場合別にそういうことはない。必要に応じていろいろな道を走る。もちろん林道や峠道を走るのが好きな人も少なくない。

  と、ここで極端に走るのがマニアという人種だ。国道走行を極めるのとは逆に、国道なしでどこまで行けるか、というテーマに挑み始める人々もいる。これを業界で「非国道」と呼ぶ。非国道でどこまで行けるか、地図上などでルーティングを研究し、実際に試すことを「非国活動」、そうしたチャレンジにいそしむ者たちを「非国民」と称する。すでにこれを読んで興味を持ってしまったあなたも非国民の仲間入りだ。覚悟を決めていただきたい。

  実はこの非国道というもの、なかなか奥が深い。一応ルールとしてはこんな感じだ。
(1)スタートから目的地まで、国道及び高速道路を使わずにたどりつくこと。 
(2)使用可能なのは都道府県道・市道・林道など、普通乗用車で走行可能な道。
(3)国道を十字路で越えていくのはよいが、それ以外で踏むことはまかりならない。 
  たとえば、このルールの下、東京から大阪までたどり着くことは可能か。え?別にそれくらい難しくないんじゃない?と思ったあなたは都会人だ。実は田舎に行くと、国道以外まともに通れる道がないというケースはままある。また、特に山間部では交差点がほとんどY字路であり、十字路で交わることは稀になる。このため一度山に入ると、国道が壁になって先に行けないケースがあちこちで出てくるのだ。

 以前某マニアが東京~大阪ルートを検討した時には、国道151号(長野県飯田市~愛知県豊橋市)が壁となって立ちはだかり、難航した。「この小学校の校庭を突破できれば行けるんだが」とかいうわけのわからない案まで出たが、これは当然道交法的にも人間としてもダメである。というわけで、この時は解が見つからずじまいであった。

 と、いうようなことを先日ツイッターで書いたら、なんと同好の士である@traveler_tojo氏から、東京~大阪ルートを提案いただいた。最近は「ルートラボ」という便利なサイトがあり、そこでいろいろ検討ができるらしい。以下に、4枚に分けてルートを提示する。

(1)東京都千代田区丸の内2丁目4 ~ 長野県佐久市前山

(2)長野県佐久市前山 ~ 愛知県北設楽郡設楽町津具

(3)愛知県北設楽郡設楽町津具 ~ 京都府宇治市宇治

(4)京都府宇治市宇治 ~ 大阪府大阪市北区梅田3丁目1


 と、いうルートである。筆者もざっと眺めたが、いろいろ苦心の跡が見えつつも成立しているようだ。筆者は神奈川から静岡ルートを考えていたのだけれど、それだと詰まるということか、目白通りから群馬を目指す方向を選択している。群馬~長野は県道93号田口峠で越えている。

 先の151号の壁は、唯一の穴ともいえる愛知県道430号でクリアした。山道でいくつかの国道の壁を越えた後は、なんと名古屋の中心市街を堂々と突破し、258号も一瞬の隙を突いて乗り越えている。国道21号あたりが微妙ではあるが、旧道を使ってぎりぎりクリアしているようだ。滋賀県内は琵琶湖沿いを行き、最後はみごと大阪駅前に到達している。いやあ、探せば道はあるもんだなと感動した次第である。

 ただ、これが成立しているか、やはり実走しないとわからないところではある。 地図ではわからないところもあるし、バイパス完成などでルートが変わることもあるからだ。いっちょこの道で大阪まで行ってみるか――とも思うが、実際には相当にしんどいだろう。筆者も以前、茨城県内で非国走行をしただけで結構へばった経験がある。特にこのルート、山岳部分はかなり悪路もありそうだ。とてもお勧めはできないけど、おそらくは日本という国を体で感じることのできる、貴重な旅になりそうだとは思うのである。