ある日、突然友人に尋ねられたこと。
「CMでさ、インドメタシンって薬が出てくるじゃない」
「ああ、あるね。非ステロイド系消炎鎮痛剤に分類される医薬品で、シクロオキシゲナーゼを阻害することによってプロスタ……」
「いや、そんなウンチクはいいんだけどさ、あれってインドと何か関係があるの?インド人が作ったとか?」
「いや、あれは確かもともとアメリカのメルクが出した薬だから、特別インドと関わりはないと思うけど」
「何だ、全く関係ないんだ」
そういわれると全く関係がないのかどうかよくわからない。調べてみることにしました。
indomethacin
(indomethacin)

まずインドメタシンの構造は上の通り。中心にインドール骨格を持っています。なるほど、インドメタシンの名はこのインドールから来ているのでしょう。ちなみにこのインドールは、高濃度では糞便臭がするのですが、薄めていくとジャスミンの花のような香りに変わるという不思議な化合物で、香水などにも配合されているそうです。
indole
(indole)

何だ、インドールがインドメタシンの名の由来か、と思ったのですが、まだ関係ないと言い切るには早い。インドールの名前の由来を探ると、藍色染料インディゴに行き着きました。古くから藍染め、ジーンズの染色にも使われるなじみ深い化合物です。もともとインドールは、このインディゴの構造を分析していく過程で見つかったものであるようです。
インディゴ
(indigo)

ではインディゴの名前の由来は何か。
”グレコローマン期のヨーロッパは主にインドからインディゴを輸入していた。インディゴを介したインドとギリシャの交流は、この染料を意味するギリシャ語 indikon に反映されている。ローマ人はイタリア語での語源となった indicum の語を用い、これが英語 indigo となった。”
(Wikipedia:インディゴの項目より)

おお!インディゴはインドから来ていたからこの名前なんですね。というわけでついにつながりました。

インド → インディゴ → インドール → インドメタシン

と4段階を経て、インドメタシンはインド由来であったということになります。
この調査結果を友人に伝えたら「お前わざわざそんなこと調べたの?相変わらずヒマだなあ」と呆れられましたが、筆者自身は満足感で一杯です。

実にどうでもいい話でした。