また間が空きました。他でいろいろ原稿を書いたりしてるためですので、別にブログに飽きたとかさぼってるとかではないです。まあいろいろしんどいのです、筆者も。そのようなわけで、今回はウィキペディアで拾ってきたネタでお茶を濁そうと思います!(←堂々と言うな)。

 化学の世界にはいろいろな接頭辞があります。モノ、ジ、トリ……というのもそうだし、シスとかネオとかアザとかいろんなのがあります。しかしいつの間にかすたれ、あまり使われないものも少なくありません。位置を表す接頭辞には、そうした死語に近い言葉がいくつかあります。

 ベンゼン環上の置換位置を示す接頭辞の(o-)・メタ(m-)・パラ(p-)はよく知られていることでしょう。これは堂々たる現役です。
 omp
左からオルト(o-)・メタ(m-)・パラ(p-


 しかし3置換ベンゼンにも接頭語があることはあまり知られていないのではないでしょうか。1,2,3-置換がvic-、1,2,4-置換がasym-、1,3,5-置換にはsym-という接頭語があるのだそうです。まあこれらは隣接を表すvicinal、非対称を表すasymmetric、対称を表すsymmetricから来ているのだろうなと想像はつきます。2,4,6-トリメチルピリジンを、sym-コリジンなどと表記しているケースも見かけます。
vas
左からvic-asym-sym-


 実は2置換ナフタレンにもこうした接頭語があります。まず1,2-、1,3-、1,4-置換はベンゼンと同じオルト(o-)・メタ(m-)・パラ(p-)が使われます。
Nomp


 では1,5-、1,6-、1,7-置換は何か。それぞれアナ(ana-)、エピ(ε-)、カタ(kata-)だそうです。カタなんてのは初耳ですね。エピジクロロナフタレンなんて言われても、命名の間違いじゃない?と思ってしまいそうですが。
aek
左からアナ(ana-)、エピ(ε-)、カタ(kata-


 しかしナフタレンの置換位置は種類が多い。1,8-、2,3-、2,6-置換というものもあります。これらはそれぞれペリ(peri-)、プロス(pros-)、アンフィ(amphi-)だそうです。もはや聞いたこともないですね。
ppa
ペリ(peri-)、プロス(pros-)、アンフィ(amphi-


 で、あと一つ残っています。2,7-置換です。これは何か。
27


 実はこれだけ接頭語がないんだそうです。なんでこれだけ?その片手落ちっぷりは何!?と聞きたくなるところですが、まあこのへんは人間の世界同様、理屈で割り切れない不条理があるのでしょう。まあこんなことは今やあまり役に立たなさそうですが、トリビアとして覚えておくのもまた一興かもしれません。