「お前……生きていたのか!」という感じかと思いますが、有機化学美術館はまだ一応生きております。今回は、新刊のお知らせです。

 筆者の約2年ぶりの新刊「世界史を変えた新素材」は、10月26日発売となりました。有機化合物と世界の歴史の関わりを綴った「炭素文明論」、同じく医薬と歴史を描いた「世界史を変えた薬」に続くもので、三部作完結編といってもいいでしょうか。


 今回のテーマは「材料」です。目次は以下の通り。
はじめに――「新材料」が歴史を動かす
第1章 人類史を駆動した黄金の輝き――金
第2章 1万年を生きた材料――陶磁器
第3章 動物が生み出した最高傑作――コラーゲン
第4章 文明を作った材料の王――鉄
第5章 文化を伝播するメディアの王者――紙(セルロース)
第6章 多彩な顔を持つ千両役者――炭酸カルシウム
第7章 帝国を紡ぎ出した材料――絹(フィブロイン)
第8章 世界を縮めた物質――ゴム(ポリイソプレン)
第9章 イノベーションを加速させる材料――磁石
第10章 「軽い金属」の奇跡――アルミニウム
第11章 変幻自在の万能材料――プラスチック
第12章 無機世界の旗頭――シリコン
終 章――AIが左右する「材料科学」競争のゆくえ

ご覧いただければわかる通り、12の材料を取り上げ、その歴史を紹介しています。材料というものは、時代を切り開く鍵であり、文明が次の段階へ飛躍するための「律速段階」ではないか――というのが、本書の趣旨です。みなさまどう思われるか、手にとっていただければ幸いです。

 そして、本書の発売を記念して、11月23日に出版記念イベントを行います。場所は八重洲ブックセンター8F ギャラリー、18時開始の予定です。「全世界史」などの著者であり、立命館アジア太平洋大学学長でもある出口治明氏との対談という形です。筆者あたりが畏れ多いお話ではありますが、頑張ってトークしようと思います。サイン会などもありますので、ご希望の方はご予約いただければ幸いです。

 ということで、書店などで新刊を見かけたら、ぜひよろしくお願いいたします。