最近、埼玉大学の古川俊輔博士が立ち上げた「ARchemisT」というプロジェクトに参加させてもらっています。名前どおり、化学とアートの融合を目指すというもので、近くキックオフイベントなども計画しています。何しろ集まっているメンバーが面白く、大学の化学者やアーティスト、サイエンスバーの経営者などが顔を揃えて毎日(ネット経由で)ワイワイとやっております。いくつかコラボの話なども早速来ているとのことで、新しい展開もありそうです。

 活動資金のためのクラウドファンディングも行なっており、3Dプリンタを用いたオリジナル分子模型などリターンも充実しておりますので、ご覧いただければ幸いです。

 と、アート方面からの話をいろいろ聞いているうち、筆者も触発されてひとつ考えてみました。ダイヤモンドの結晶構造というのは、化学構造の中でも最も美しいもののひとつと思いますが、立体的な模型を見ないと真の美しさが伝わらないところがあります。分子模型は専門家以外にはそうそう手に入りませんし、かなり高価でもありますから、迫力のある大きな模型はなかなか目にすることができません。

 ということで、どうにかダイヤモンド構造を簡単に作れないかなと考えてみました。こちら。

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ミニバージョンのダイヤモンド構造モデル

 細長いジグザグ状の紙に、切り込みを入れて組んだものです。パーツの型紙はこちら↓。しゃれた作図ソフトなど持っておらず、エクセルで適当に描いた図なので若干不細工なのはご勘弁を。

Diamond

 なお型紙は次のような比率で作っています。1:√2の長方形をベースとすることで、炭素の結合角(約109.5°)を再現できますが、ここでは1:1.4で近似しています。

katagami

 型紙をクリックしてダウンロードし、硬めの紙にプリントアウトして下さい。ケント紙が最適です。線に沿ってカッターなどで切り、ジグザグのパーツを切り出して下さい。ジグザグの山の頂点に当たる方から、太い線に沿って紙の幅半分ほどの切り込みを入れます。

cut
ちょきん。全部切ってしまわないように。

 切り込みを入れた2枚の紙を差し込み、直交するように組みます。組み合わされたところが、炭素原子に相当します。

kumi
2枚を差し込む

 それぞれの切り込みに、下の写真のように紙を組み込んで行きます。
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一列組んだところ。

kumi3
グリッド状に組み上げる。

 こうして1段目を格子状に組んだら、積み上げるように次の段を組んでいきます。
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2段めを組んだところ。

 で、組み上げたのがこちらになります。
diamond

 まあアートなどというものではないですが、見る角度によって印象が変わり、なかなか造形として面白いと思います。アクリルやアルミなど素材を変えてみたらまた綺麗そうですし、木材で作ったらカラム立てなどにもご利用いただけます(笑)。教材などとして、ご活用いただければと思います。

 もう少し汎用性のある分子模型にできればということで、いくつか試作もしてみていますので、いいものができたらそのうち発表したいと思います。
sisaku
試作品のフラーレンなど

 最後になりましたが、ARchemisTはまだこの先どういう方向を目指すか、どう発展するかわからないところではありますが、化学コミュニティ発の新しい試みで、面白いものが出てくるのではと思っています。この先どうなって行くか、見守っていただければ幸いです。