新型コロナウイルスの問題は、なかなか落ち着く気配が見えてきません。収束までには年単位の時間を要するという識者も多く、新薬やワクチンもまだ時間がかかるでしょうから、長期戦を覚悟しなければならない情勢でしょう。

 この状況で、たとえば抗ウイルス材料の開発など、化学者としてできることはいろいろありそうに思えます。SlackやZoomなどオンラインコミュニケーションの環境も整っている折、異分野の人が集まってブレーンストーミングなどやってみると面白いかななどと一人で思っております。

 とはいえ筆者のような一般人には、家にこもっているのが、とりあえずできる最大の貢献です。ということで、家にいる時間の過ごし方の一助として、また性懲りもなく分子模型のペーパークラフトを考案してみました。

 以前は正三角形のパーツを組み合わせた、穴の空いた形のフラーレンモデルをアップしました。ただこれは強度に問題があってナノチューブは組みにくいため、今回は、正六角形のパーツを組み合わせ、隙間のないモデルとしました。こんな感じになります。

CNT

 型紙はこちら。ダウンロードして、プリントアウトして下さい。例によって、ケント紙などの硬い紙がおすすめです。今回は100円ショップで買った画用紙を使っております。まずは黒い線に沿って、正六角形を切り出して下さい。

nanotube_C

 点線に沿って切り込みを入れます。真ん中よりほんの気持ちだけ深めに切り込みを入れると、組みやすくなります。

craft1

 写真のように、2枚を互いに差し込みます。

craft2

 きっちり差し込んだところ。描いてある水素原子は紙の下になって隠れます。素晴らしいアイディアですね(自賛)。

craft3

 6枚を組むと、ベンゼン環が出来上がります。

craft4

 この調子で組んでいき、全体を丸く輪につなぎます。写真にあるのは、シクロフェナセンと呼ばれる化合物で、カーボンナノチューブの薄切りに当たる分子です。裏側に麻の葉模様が自然にできれば、きっちり組めている証拠。

craft5

 というわけで、これで多環式芳香族化合物は何でも作れるわけですが、これだけでも寂しいかなという気がしたので、ヘテロ原子も作ってみました。

heteroatoms2

 これも切って組み合わせてやれば、多くの芳香族化合物を作ることができます。下の写真にあるのは、COVID-19治療薬候補として注目を浴びているナファモスタット(商品名フサン)と、ファビピラビル(商品名アビガン)です。

Fusan_Avigan

 ナファモスタット(上)とアビガン(下)
 
 というわけで、いろいろ組んで遊んでいただければ幸いです。ここまで来たらsp3炭素も作ったらいいんでないのと思うわけですが、6員環以外が不細工になるのでどうしたものか。またいろいろ考えてみるとします。