さとうです。みなさまあけましておめでとうございます。
今年もいろいろ活動していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて去年から、こちらのブログではいくつか分子模型のペーパークラフトなどを公開しております。で、筆者の趣味でもある折り紙でも何かできないかなとは以前から考えておりました。もちろん過去にもいくつか折り紙の分子モデルは発表されており、単行本もすでに存在します。

 ただしこれらは、折るのにかなり手間がかかったり、角度などに制約があるものがほとんどでした。たとえば藤本修三氏のダイヤモンド結晶は素晴らしい作品ですが、炭素同士の角度が固定されており、ねじれたもの、ひずんだものは全く作れないという難点があります。

diamond

 ということで、ある程度柔軟にいろいろな角度の結合を作り出せるものを、できるだけ簡単な折り方で……ということを考えていたのですが、ある程度これでいけるかなというものができたので、まずはsp2炭素バージョンのモデルを公開いたします。

 下の写真のように、原子のパーツと結合のパーツ(単結合と二重結合)、C-H結合のパーツを組み合わせ、平面的な分子を作るものです。強度もまずまずありますので、根性さえあればかなり大きなものも製作可能です。

benzenePBIC60
ベンゼン、ペリレンビスイミド、フラーレン

 また、結合パーツの折り角度を調整すれば、5員環や7員環も作れます(ちょっと慣れが必要かもしれませんが)。
azulenenorcorrole
アズレン、ノルコロール


 折り方について、図を作ろうかと思ったのですが、今どきはやっぱり動画なのかな、動画編集スキルなんかも身につけといた方がいいんかなということで、一本作ってみました。初めてなものでいろいろ行き届かない点もあろうかと思いますが、大目に見て下さい。


 折り方そのものはシンプルですが、組むところがちょっと難しいかもしれません。焦らずにチャレンジしていただければと思います。

 また、sp3炭素のモデルもすでにできていますので、こちらも撮影したら折り方をアップしたいと思います(追記:アップしました)。まあ何しろ動画は不慣れなので、気長にお待ち下さい。

tetrodotoxinGaN
テトロドトキシン、窒化ガリウム結晶構造

 ということで、ウェブサイト開始から23年にしてついにYouTuberデビューを果たした筆者を、みなさまよろしくお願いいたします。


 (追記2)
 正直、この折り紙は組むのがなかなか難しいと思いますし、裏から見るとダサいという難点もあります。細長く切ったケント紙などを、丸いシールで表裏から貼り合わせるようなことでも、手軽に似たようなものが作れます。
caffeine
カフェイン分子

 シールはいろいろなサイズ・色のものが100円ショップなどで手に入りますし、ハート型や星型などのものも売っていますので、アレンジしてみていただければと思います。