前回の記事で、ベンゼン環などsp2炭素を基礎とした折り紙分子模型を紹介しました。しかし有機化合物全般を作るとなると、正四面体構造の炭素、つまりsp3炭素を作れなければ話になりません。ということで、今回はその折り方を考えてみました。

 今までにもこうした折り紙はもちろんあったのですが、結合角などに制限があり、ダイヤモンドなど特定の構造しか作れないという難点がありました。今回の作品は、そうした問題を解消したもので、今までにないものになったんではと思っております。



 基本的な発想は、これも以前考案したダイヤモンド結晶構造モデルから来ています。中心角が109.5°のV字型を2枚組み合わせれば、正四面体構造になるというアイディアです。

tetrahdral

 用紙としては、正方形2枚から原子パーツ1個、1:2の長方形から結合のパーツを作っています。

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 原子になるパーツは、正方形2枚から作ります。4枚のフラップを持ち、4ヶ所差し込み口のあるパーツとなり、これらが炭素原子の4本の結合に対応します。また結合の棒は、1:2の長方形を3等分に折って使います。

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正方形2枚から1原子を作る

 結合の棒を差し込む際、図のように角度を170°ほどにして下さい。これにより、正四面体構造の109.5°の角度が再現できます。

bond1
この隙間に差し込む

170
この角度がポイント

 また、この角度を調整することで、3員環や4員環などひずんだ構造も作り出すことができます。環構造は少々作るのに迷うかもしれませんが、動画を参考に落ち着いて組んでみて下さい。

 また、前回紹介したsp2炭素(二重結合や芳香環の炭素)のパーツと組み合わせることもできます。これにより、ほとんどの有機化合物を作り出すことが可能になっています。

caffeine
カフェイン

tetrodo
テトロドトキシン

 強度は十分ありますので、慣れればいろいろな化合物が作れると思います。カラーリングなども工夫して、いろいろな化合物にトライしてみて下さい。