有機化学美術館・分館

HP有機化学美術館のブログ版。タイムリーな話題,短いテーマをこちらで取り上げます。

書籍

新刊「医薬品とノーベル賞」

 さとうです。夏は引っ越しやら何やらでなかなか更新に手が回りませんでした。申し訳ありません。

 更新できなかった理由のひとつは、書籍の作業の追い込みがあったからでもあります。角川新書より、すでに発売となって書店に並んでおります。タイトルは「医薬品とノーベル賞 がん治療薬は受賞できるのか?」で、表紙はこちらになっております。

kadoshin_cov&obi_医薬品

 ご覧の通り、帯にドーンとブラック・ジャックが登場しております。漫画の神様の代表作とのコラボ、ありがたいやらもったいないやらです。

 なぜブラック・ジャックが出てくるかといいますと、コミックス第20巻に収録された「きたるべきチャンス」という話に、次のようなセリフが出てくるからです。

ものの本によれば カゼ みずむし ガン この三つのうちどれか一つでも完全に治す方法を発見した人は まちがいなくノーベル医学賞を取れるという……

 水虫の薬でノーベル賞を取れるの?と思いますが、この話をまじめに考えてみるところから始まり、ノーベル賞という切り口から医薬品というものに迫ってみようという内容です。ノーベル賞有力ともいわれる話題の抗がん剤、それら抗がん剤を中心とした異常なまでの薬価高騰の問題、2015年の大村智博士らの受賞の意義は何だったのか――といったところを考えていく内容となっております。

 今や医薬・医療の進歩は、一般の人々一人ひとりに至るまで、「人間は、どこまでどのように生きるべきか」という大問題を突きつけるものになっていると思えます。この本が、そのあたりを考える一助になればと思っています。

 というわけで、書店で見かけましたら手に取ってみていただければ幸いです。

自著を振り返ってみる(2)

 というわけで、自分の著書を振り返ってみる企画パート2です(パート1はこちら)。

 ・炭素文明論〜「元素の王者」が歴史を動かす
 2013年7月刊。ここまで本やブログを書いてきた経験から、化学関係者に向けた化学の本だけ書いていても、どうしても広がりがないなという思いがありました。で、文系の人に読んでもらうにはどうすればいいか、自分なりに考えて書いてみた一冊。デンプン、グルタミン酸、カフェインなどいくつかの化合物を取り上げ、世界の歴史との関連を描いてみました。

 評判もよく、自分では今のところこれが代表作だと思っています。韓国・台湾版も出て、初めて世界進出を果たすことができた意味でも、思い出深い本です。タイトルだけ見ると相当硬い本に思えますが、実はそんなに難しくもないですし、「世界史を変えた薬」を気に入ってくださった方なら、こちらも面白く読んでいただけるものと思います。

コンセプトの練り込みもしっかりできた一冊と思います。

 ・ふしぎな国道
 2014年10月刊。ご存知の方はご存知の通り、筆者は国道巡りという変な趣味を持っています(「国道系。」というブログもあります)。こちらでも本を書きたいと思い、各社の編集者さんと会うたびに話を持ちかけていたのですが、「ハハハ面白いですね。で、本題ですが」と軽くスルーされておりました。そんな中、講談社のT氏が唯一この話を真に受け、誕生したのがこの本です。

 その結果、この本は4万部近く売り上げる、まさかのヒットとなりました。世の中、何が当たるかわからないものです。まあ、筆者のどのサイエンスの本より売れてしまったので、サイエンスライターを名乗る者としてはやや複雑な心境ではあります(笑)。

 国道めぐりって何が楽しいの、と思われそうですが、謎を解くことに快感を覚えたり、数字が好きであったりする研究者諸氏には、おそらく潜在的に国道マニアの適性があると思います。だまされたと思って本書を手に取ってみて下さい。「そうだったのか!」と思うネタが満載です。


 実際には帯がかかっており、国道標識がプリントされています。

 ・化学で「透明人間」になれますか? 人類の夢をかなえる最新研究15
 2014年12月刊。「小説宝石」に連載したものをまとめた本です。がんや花粉症は治せるか、惚れ薬やダイヤモンドは作れるか、金持ちになれるかなどなど、真面目なものから突拍子もないものまで、15の「人類の夢」を化学がどこまでかなえられるか、という内容です。

 この本、サトウ博士と妻のショウコさんの会話、というか夫婦漫才形式で進んでいきます。挿絵及びマンガも描いていただき、広く読みやすいのではと思います。ただ残念ながら、筆者の本の中で唯一増刷がかかっていません(最近出たばかりの「国道者」を除く)。授業などで使えるネタも満載で面白い本なんだけどな、と自分では思っているのですが。

イラスト・マンガはおちゃずけさんに担当していただきました。


 ・世界史を変えた薬
 2015年10月刊。「炭素文明論」企画中に、どれか医薬の話も入れるべきかと考えているうち、医薬だけで一冊書けそうだと思い至りました。実際、医薬だけでも選ぶのに苦労するほどエピソードがあり、気づかぬ形で世界史を動かしてきたキーファクターだと気付かされました。この本も好評をいただき、海外版の刊行も決定しています。

 創薬研究に10年以上関わってきた身として、やはり医薬という存在には思い入れがあります。そのあたりがどう中身に作用しているか、ご覧いただければ幸いです。

 この本はノーベル賞シーズンに刊行されるということで、ヤマを張ってエイズ治療薬開発の満屋裕明先生の話を入れてみました。結果としては今回はハズレとなりましたが、いつか必ず受賞されると思っています。電子版では、特別編として大村智先生の業績についての一章を収録しています(紙版でも挟み込みで掲載)。

この本も帯がかかっており、薬のカプセルの写真が入っています。

 ・国道者
 2015年11月刊。「新潮45」誌に連載中の同題のエッセイをまとめたものです。国道の本第2弾ということで、こちらは道路史における謎解きがメインテーマになっております。昭和30年代にはズダボロだった日本の道路は、わずか30年ほどで驚くべき進化を遂げるわけですが、その中にはやはり政治的なあれやこれやがあったわけで、調べていくと実に面白いです。

 こういう本を書いていて気づいたのは、結局研究者の資質として重要なのは、「謎を謎として認識する能力」そして「謎が解けた時に快感を感じる体質」なのではないかということです。なんかこいつはおかしいぞ、と気づかねば進んで課題には取り組みませんし、謎が解けたときに「そうだったのか!」と強く感じる心がなければ、取り組むエネルギーは生まれません。というわけでこの本、道路に興味がなくとも研究者気質の人なら、面白く読んでもらえるのではと思います。

 とはいえ、道路史は鉄道に比べると資料が少なく、研究も進んでいません。筆者あたりの素人仕事ではなく、その方面の専門家にしっかりと研究していただきたいものと思う次第です。

書店によって置いてある棚がまちまちなので、ポチっていただくのが確実です。


 ・健康になれない健康商品: なぜニセ情報はなくならないのか
 で、こちらが今月20日発売予定の最新刊です。雑誌「企業診断」での連載に、加筆修正の上まとめたものです。タイトルの通り、酵素やら水素水やら血液クレンジングやら、怪しげな健康法に関して書き綴った本です。できる限り、現状の科学知識に沿って、誠実に書いたつもりです。

 正直言いますと、この手の本はリスクが大きく、あまり書きたい部類の本ではありません。有名人やら博士やらが支持する健康法やダイエット法、大企業が発売する健康商品に向かって筆者あたりが何か書いても、焼け石に水なのかなという空しさもあります。とはいえ次々に妙な話も出てきますし、同じことでもある程度繰り返し言っておく必要もあるかと思い、こうしてまた世に問う次第です。そう言っているそばから、グルテンフリーとか何とかがまた流行り始めるのでアレなのですけれど。

さてどの程度反響がありますか。


 まあ今後も化学や医薬の本は書き続けますし、道路関連の本も需要がある限り書きたいと思います。囲碁や折り紙の本なんかも、いつか書ければよいと思っていますし。ご興味のある出版関係者、また佐藤健太郎フェアなどやってみてもよいという奇特な書店さんなどおられましたら、素早くご連絡いただければ幸いであります。

自著を振り返ってみる(1)

 さて昨年は2冊の本を出版し、筆者の単著はこれで累計10冊の大台に乗りました。いつの間にかずいぶん書いてきたものだなと思います。ということでこの機会に、ここまで出してきた本を、裏話など交えつつ振り返ってみようかと思います。

 ・有機化学美術館へようこそ ‾分子の世界の造形とドラマ
 2007年5月刊の、記念すべき処女作。旧サイトを元に加筆修正したものです。それまでにも2度ほど「サイトを書籍化しませんか」という声はかけていただいていたのですが、三度目の正直で日の目を見ました。

 今見ると書き手として未熟だなと思うところも多々ありますが、カラーページも充実しており、美術館の名に恥じない出来と思います。これだけ面白分子を大々的に扱った本はそれまでなかったし、その後も類書は出ていません。出来上がった本を手にとった時、書店に並んでいるのを見た時の感動は、生涯忘れることはないでしょう。

 まだ会社に務めていたころに出した本なので、手続きやら認可やらいろいろ面倒だったのも、今となってはよい思い出です。3万部くらい売れたら会社を辞めてライターになってやろうと思っていたのですが、残念ながら1万部少々でした。まあ結局、この本が出た半年後に退職してしまったのですが(笑)。

勤めが終わってから、毎日遅くまで構造式をしこしこと描いたものでした。

 ・化学物質はなぜ嫌われるのか ‾「化学物質」のニュースを読み解く
 2008年6月刊行。1冊めと同じ、技術評論社の「知りたい!サイエンス」レーベルからです。専業ライターになって初めての本で、それだけに気合も入りました。各種の化学物質を取り上げ、その危険性について世間での誤解を解くコンセプトで書いています。こういう本はミスがあった場合を考えると非常に恐いのですが、科学的に見てここまでは大丈夫と見たら、思い切って踏み込むことにしたのがよかったと思います。

 この本は、タイトルをどうするかで出版社側とずいぶんもめた記憶があります。実はタイトルというものは書き手が自由に決められるものではなく、営業政策やらいろいろにらみ合わせて、編集会議で決まります(もちろん意見は聞かれますが)。書き手にとって著書は可愛いわが子同然なので、納得の行く題名をつけたいところなのですが、この本に関してはこれがベストであったか、今もわかりません。

 売り上げは前作とあまり変わりありませんでしたが、これをきっかけにあちこち講演などにも呼んでいただき、多少なりと化学物質に対する世間の理解に貢献できたかなと思っています。また、評論家の宮崎哲弥氏に週刊文春のコラムで「掛け値なしの名著である!」と激賞いただき、ライターとして非常に自信になりました。これが次の仕事につながり、飛躍のきっかけともなったので、思い出深い一冊です。この週刊文春は、今も大事に保管してあります。

フリーとなり、気楽ながらも迫り来る貧困の恐怖に怯えながら書いていました。

 ・医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
 2010年1月刊。東京大学で働いているときに出した本で、初めての完全書き下ろしでした。古巣の医薬品業界について書いた本で、大型医薬品の特許が一斉に切れる「2010年問題」をテーマとしています。医薬がなぜ効くか、創薬の過程、副作用の問題、医薬品業界の現状分析、なぜ薬が生まれなくなったかなど、ちょっと詰め込み過ぎたかというくらいに書きました。

 ちょうど経済誌などで2010年問題が取り沙汰されていた時期でもあり、3万部を超える売れ行きとなりました。またこれで科学ジャーナリスト賞をいただき、大学に拾っていただいた先生に多少なりと恩返しをすることができたのも嬉しかったです。講演など、いろいろな仕事を呼んできてくれた孝行息子でもあります。まあNHKの生番組にまで引っぱり出されるはめとなり、青い顔でもごもごしゃべって多方面からツッコミをいただいたような、若干苦い記憶もあるにはありますが。


ライターとして何とかやっていけるのではと、希望を持つことができた一冊。

 ・創薬科学入門—薬はどのようにつくられる?
 2011年11月刊。フリーのライターになってからすぐ、オーム社の「MedicalBio」誌に連載の枠をいただき、創薬に関する記事を書きました。本書はこれをまとめたものです。

 製薬企業のプロのメディシナルケミストが読む教科書というよりも、学生さんや薬理担当者などが読む感じをイメージして書いています。あまり堅苦しくなく、読み物としての要素も加えました。またFBDDや抗体技術など、(当時の)最新技術についてもできる限り盛り込んでいます。

 本書は、アメリカでベンチャーを立ち上げて「レスキュラ」「アミティザ」という2つの新薬を送り出した、久能祐子先生に監修をいただき、その創薬過程について最終章で書いていただいております。この章だけでも、本書を手にとっていただく価値があると思います。


連載媒体となった「MedicalBio」誌は、その後休刊となっています。

 ・「ゼロリスク社会」の罠 〜「怖い」が判断を狂わせる
 2012年9月刊。化学物質の話をメインに、少し広くリスク論について扱っています。人がリスクを読み間違える心理、「天然=安全安心」という思い込み、トランス脂肪酸やメタミドホス、ホメオパシー療法の話などを通じ、「ゼロリスク信仰」の危うさについてできる限りわかりやすく書いてみました。

 最終章では、放射性物質についてと、そのリスクについての解説も行なっています。あの時期にこのテーマの本を執筆するとなると、やはり触れないわけに行かないかということで、ずいぶん思い悩みながら書いた記憶があります。予想通り多方面から多くの意見をいただき、反省することも多々ありました。しかしその後長く読み継いでいただいているようであり、書いた意義はそれなりにあったのではと思うことにしています。


大学の仕事が忙しかったこともあり、ずいぶん難産でした。

 ということで残り5冊はまた次回。

書籍紹介

 世間では夏休み真っ盛りかと思います。そこで今回は筆者も読書感想文などを。

 ☆ホワット・イフ?:野球のボールを光速で投げたらどうなるか

 科学書としては珍しく、世界で100万部を突破したというこの本、日本でもやはり話題になっているようです。著者のウェブサイトに寄せられた難問奇問に、あらゆる科学知識を駆使して全力で答えていくというスタイルです。いわばエクストリームこども電話相談室とでもいうべきでしょうか。

 寄せられた質問は、たとえば以下のようなもの。
・光速の90%の剛速球をバッターに投げたらどうなるか?
・人類総がかりでレーザーポインターで照らしたら月の色は変わる?
・お茶を必死にかき回したら沸騰させられるか?
・肉をどのくらい高い空から落とせば、その熱でステーキが焼けるか?

 こんなもん面白いに決まってるという感じですが、回答も実にバカバカしくも面白い。著者の該博な知識と計算能力には、ほとほと感心します。中には「ヘアドライヤーを1台、1辺が1メートルの密閉された立方体内に置いたとすると、どんなことになるでしょうか?」など、別に大したことにならないんじゃない?という質問もあるのですが、著者は頼みもしないのにドライヤーの出力を上げてゆき、途方もない事態を勝手に招き寄せます。そのサービス精神に感服です。

 化学寄りの質問としては「元素周期表を、現物の元素のキューブを積んで作ったら何が起こる?」という質問があります。いろいろえらいことになりそうだなと思えますが、実際に大惨事になります。まあどうなるかは、本を読んでのお楽しみです。

 有機化学版の「ホワット・イフ?」があっても面白いかなと思いましたが、あまり質問が思い浮かびません。何かあるでしょうか。


☆狂気の科学―真面目な科学者たちの奇態な実験

 東京化学同人のいつもの装丁だなー、と思って通りすぎようとして、タイトルを二度見してしまいました。目次の一部を見るだけで、ヒエッという気分になれます。
バランスのとれた生活/石と石の思考実験/水から木/オジギソウの時計/哲学者の靴下/感電と去勢/科学のためのサウナ/吐き気のしそうな博士号/お腹に穴のある男……

 「奇態な実験」とタイトルにありますが、おかしな実験を行った科学者の話と、実験から明らかになる奇怪な人の心理の話の両方が登場します。たとえば人を防音室で、すりガラスの眼鏡をかけて、手袋をするなどして五感を遮断し、ただ横たわるだけにさせるとどうなるか、自分をキリストだと思い込んでいる精神病者を3人集めて直接話し合わせるとどうなるか、自分の子どもとチンパンジーの仔を同じ条件で育てた男などなど、ほんとにこんなことをやったのかと思うような話がたくさん登場します。

 有名なミルグラム実験やサブリミナル実験の真相、ダーウィンは40年がかりでミミズの生態を研究し、「ミミズには聴覚がない」という結果に落ち着いた話など、よく集めたなあと感心するばかりです。科学とは何なのか、人間の好奇心はどこまで行くのか。一読の価値ありです。まあ、装丁はもうちょっと工夫してもよかったんじゃ、という気はしますが。

 筆者の本「世界史を変えた医薬品」(仮)も、10月刊行を目指して準備中です。ご期待いただければ幸いです。と、今回はこのへんで。

 

「多角形百科」刊行

 気がつけばもうすぐ300万アクセスですね。ブログ移行が2006年5月、100万アクセスが2011年5月、200万アクセスが2013年6月でしたから、最近は安定したペースということになるのでしょうか。まだまだ頑張ってまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

 さて筆者の手元には、丸善から刊行された「多角形百科」の見本が届いております。細矢治夫・宮崎興二両先生の編集で、準結晶研究で著名な蔡 安邦教授をはじめ豪華な執筆陣のこの本に、筆者も共著者のひとりとして紛れ込んでおります。

hyakka
こちらが表紙。

 この本、「百科」の名に恥じず、家紋や切手、建築などに現れる多角形や、草木や結晶など自然界に見られるパターンなどを極めて幅広く取り扱っています。先日取り上げた多角形の敷き詰め、折り紙やパズルの話題なども詳しく解説してあり、その筋の方には堪えられない構成となっております。

 筆者は有機化学のセクションを担当させていただきました。ポルフィリンなど、広い意味で正多角形に近い化合物はたくさんあるのですが、ここでは炭素原子のみが正多角形を成している化合物に絞って書きました。興味深い構造のものがたくさんあり、図だけ眺めても面白いのではと思います。
pyramidane
uranocene
ピラミダン(上)とウラノセン(下)

 少々お高い本ですが、図書館か大きな書店ででも探してご覧いただければ幸いです。ではでは。

『化学で「透明人間」になれますか?』本日発売

 さとうです。どうもこんばんは。

 さて先々月に発売になった「ふしぎな国道」は、すでに4刷とおかげさまで大変好調です。そうした勢いの中、さらに本日11日に光文社新書より新刊が発売になります。タイトルは「化学で「透明人間」になれますか? 人類の夢をかなえる最新研究15」です。

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 内容の方は、現在の「人類の夢」をどこまで化学が実現できるか、将来どんな夢がかなえられそうか、サトウ博士(特にモデルはおりません)とその妻ショウコさん(これもモデルはおりません)の会話形式で追っかけていくという形式です。

第1話 「金」をたくさん作れますか! ?
第2話 「不老不死」になれますか! ?
第3話 「宇宙旅行」に行けますか! ?
第4話 「モテる薬」はできますか?
第5話 「ダイヤモンド」を作れますか! ?
第6話 「やせる薬」を作ってください!
第7話 「花粉症」を治せますか! ?
第8話 「頭の良くなる薬」が欲しい!
第9話 「『ドラえもん』の道具」が欲しい!
第10話 「若く美しく」してください!
第11話 「美味しいもの」を作れますか?
第12話 「風邪を治す薬」が欲しい!
第13話 「がんを制圧」してほしい! !
第14話 「地球温暖化」は止められる! ?
第15話 「エネルギー問題」を解決したい!

中には「これは化学じゃないだろ」という話も出てきますが、分子を操り、使いこなすという意味で、広く「化学」と捉えて大目に見ていただければと思います。軽く読める感じの本ですし、かわいいイラストも入れていただいて、大変読みやすく仕上がっていると思います。書店で見かけたら、手にとってやっていただければ幸いです。

「ふしぎな国道」本日発売

ノーベル賞の件、もう少し書こうと思っていたらタイミングを逸した佐藤です。どうもこんにちは。化学の話でなくて恐縮ですが、著書が本日発売ということでちょっと宣伝を。

筆者が筋金入りの国道マニアであるということは、ご存知のかたはご存知であろうと思います。マニア歴17年、稚内から石垣島まで全国津津浦浦を走り回ってまいりました。で、その成果がようやく一冊にまとまりました。講談社現代新書「ふしぎな国道」がそれです。下にある表紙は、講談社現代新書の標準仕様ですが、実際には帯がかけられて、246号の標識がど真ん中にフィーチャーされているかと思います。


いったいどんな本か、巻頭の文章を少し載せておくと、
本書は、日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し、何ごとか物申すような本ではない。各地の絶景やグルメを楽しむための、ドライブガイドのような本でもない。本書は、「道路」そのものを楽しむために書かれた、「国道マニア」の入門書だ。
というようなことになっております。名所めぐり、酷道探検、国道の歴史、各種アイテム群の探索などなど、多様かつマニアックな道路の楽しみを書き連ねております。

ちなみに講談社現代新書のツイッターによりますと、
現代新書50周年イヤーの隠し球『ふしぎな国道』がいよいよ発売されます。著者は、『炭素文明論』などの著作で知られる佐藤健太郎氏。読み始めたら止まらない2014年新書界最大の快作(怪作?)です。国道♥愛のディープな世界にぜひ貴方も!
とのことで、ほめられてるのか何なのかよくわからない状況です。まあいいですが。

著者インタビューも上がっております。「マニア歴17年の熱狂的な国道マニアであることをカミングアウトした、サイエンスライターの佐藤健太郎さん」とありますが、カミングアウトも何も昔っからアピールしまくってますけどね。

内容の方ですが、アルファブロガーの小飼弾氏にツイッターで書いた本人が驚くほどの絶賛をいただいております。



というようなわけで、発売前からいろいろ予想外の反響が来ている本書、書店で見かけたら手にとっていただければ幸いです。

今月のお知らせ(2014.2)

 いろいろありましてちょっと遅れましたが、今月のお知らせ。

 まず、上のバナーにあります通り、「2014 SciFinder Future Leaders in Chemistry プログラム」の募集が開始されております。こちら、簡単なエッセイを書いて応募し、選ばれると8月にアメリカのCAS訪問、アメリカ化学会年会に招待されるというものです。旅費,宿泊費および旅行中の食費はCASで負担してもらえる上、1000ドルの支度金が支給されるという、大変に美味しいプログラムです。ぜひ、こちらより奮ってご応募下さい。

 ご好評をいただいている拙著「炭素文明論」の電子版が発売となりました。価格は1040円と、紙の本の24%引きとなっております。電子書籍リーダーをお持ちの方は、ぜひどうぞ。

 発売中の「現代化学」2月号では、クリックケミストリーの最近の進展についてまとめております。銅触媒不要のもの、光で反応を起こすものなどなど、様々な新手法が登場していますので、ぜひご覧下さい。

表紙はこちら。

 「小説宝石」2月号では、がん治療薬の夢について書いております。がん征圧は、現代の科学にとって最大の夢のひとつですが、治療薬の進歩によって決して夢ではなくなりつつあります。これも書店で見かけたら、手にとっていただければ幸いです。


小説宝石2月号

 東京化成のTCIメールでは、色の名前に由来する化合物や元素を紹介しています。意外なものあり、なるほどと思うものあり、楽しんで眺めていただけるのではと思います。

 また「新潮45」では、相変わらずしぶとく国道の連載を続けております。今回は、岩国基地へ向かう国道189号を取り上げています。好事家のみなさまはご一読を。この手の雑誌は敷居が高いなあと思っておられる方も多いと思いますが、実はなかなか面白い記事が多いので、ぜひ手にとって見て下さい。

 てなことでまた。

今月のお知らせ(2013.11)

 さて恒例の今月のお知らせです。

 7月発売の「炭素文明論」はおかげさまで好評をいただき、第4刷が出ております。今回から帯もリニューアルしたそうで、今までと一転してギラギラした感じのものになりました(笑)。

炭素文明論 new帯付 カバー-02

 今回は多めに増刷したようですので、アマゾンの在庫も安定したようです。お近くの書店にも入っているかもしれませんので、チェックしてやってください。2月には、某大学でこのあたりのテーマの講義などもさせていただく予定です。

 また29日には、名古屋大学で2本立ての講演などもやらかして参ります。こちらのお題は「化学を伝えること」「分子の世界のギネスブック2014」です。どのような展開になりますか、楽しみにしてまいりたいと思います。

 「現代化学12月号」では、連載中の「有機化学トレンドウォッチ」にて、内包フラーレンの化学についてまとめております。このテーマについては先日ブログでも取り上げましたが、相変わらずいろいろと新しいものが出てきます。ひとつご覧いただければ幸いです。


表紙の折り紙は筆者ではなく、細谷治夫先生の作品。

 小説宝石12月号では、連載中の「化学で夢はかなう?」にて、おいしいものを作れるかというテーマについて書いております。味とは何なのかから、未来の料理に至るまで、いろいろと取り上げてみました。

 「現代ビジネス」でのウェブ連載「歴史を変えた医薬品」は、今回消毒薬を取り上げています。いわゆる医薬には入らないかもしれませんが、医学の進歩の中で欠かせない役割を果たしました。消毒の発見と普及に賭けた二人の男、しかしその運命は大きく分かれていった、みたいなお話です。

 その他、「新潮45」12月号では、「国道者」の連載で、日本橋道路元標と首都高のちょっとしたお話を書いております。評判の悪い日本橋の首都高ですが、いろいろと技術者たちは苦心を重ねていたのだ、ということです。見かけたら手にとってみてください。


 ということで、年末に向けて頑張ってまいりたいと思います。ではでは。

炭素文明論のことなどいろいろ

 さて発売から2ヶ月ほど経過しました拙著「炭素文明論」、おかげさまで好評をいただき、第3刷が出る運びとなりました。新聞・雑誌の書評でもずいぶん取り上げていただいております。

「波」 村上陽一郎氏
日経新聞 竹内薫氏
読売新聞 小林佑基氏
サンデー毎日 緑慎也氏
東洋経済8/31号 
日経サイエンス9月号  森山和道氏
中日新聞 小林照幸氏
化学工業日報
産経新聞 横山広美氏
読売新聞 池谷裕二氏
クーリエ・ジャポン10月号 青木薫氏
朝日新聞 萱野稔人氏

 ただ、一ヶ所ミスが発見されてしまいました。砂糖の構造式で、メチレン炭素がひとつ足りていませんでした。正しい構造式は下図のとおりです。どれだけチェックしたつもりでも、やはり抜けはあるものですね。次の版から修正される予定です。
sucrose


 今回の本では、有機化合物の面から眺めた世界史というアプローチを採りました。なんでこういう本を考えたかというと、ひとつは筆者が歴史の話が好きだからということと、「化学の話を分野外の人に読んでもらうにはどうしたらいいか」を考えてみた結果です。

 何しろ忙しい現代、みな自分の興味のないもの、面白くないものに時間を使うヒマはないわけで、そうなると化学100%の本は需要が限られてしまいます。選書という読者層を考えると、歴史好きの知的層が多いのではという想定のもと、ここを狙って行きました。もちろん化学好き・専門家にも面白く読んでいただけるよう配慮しております。

 最近成功している漫画は、特定ジャンルのウンチクを詰め込みつつ、それを前面に出しすぎずに、キャラやストーリーの魅力で多くの人を惹きつけるように作られています。それでいて、興味を持った人には、より詳しい解説などもしっかり盛り込まれていたりするわけで、「もやしもん」「テルマエ・ロマエ」「聖☆おにいさん」など、みなそうなのではないでしょうか。ということで、今回筆者もこの手を拝借し、歴史7:化学3くらいのところで書いてみました。

 まあしかし、こういう本は書店でもどこの棚に置いてよいかわからないようで、歴史だったり社会論だったり、いろいろなところに入れられていました。なぜか化学の棚では見かけませんでしたが(笑)。ちなみに十進分類では435、つまり無機化学に入っているようです。思いっきり有機化学の本のつもりなんですが、謎ですね。

 で、今は何を書いているかというと、国道の本を書いております。一応国道マニアですからね。そんなものが売れるのかどうか大いに謎ですが、まあ頑張りたいと思います。

 その他、いくつか出版社から執筆依頼をいただいていますが、やはり読者の声が第一です。どんなものがよいか、リクエストなどありましたらお願いする次第です。
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