2020年02月24日

魔眼の匣の殺人

今村昌弘さんの続編ミステリーを読みました。




Amazonのレビューで他の方も記載されていましたが、どうにも「軽さ」が気になってしまいます。
読みやすく面白いのですが、読後感としては「ミステリーとして読み解くのは面白い」のですが、それ以上のプラスアルファが物足りなく感じてしまう、というのが正直なところ。
特に今回のタイトルには、「匣」という漢字が使われていいることもあり、どうしても京極夏彦さんの『魍魎の匣』と比べてしまいます。
脚本家として軽いタッチのドラマなどを手掛けられたほうが個性が生きるのでは、などと勝手な想像をしています。

とても面白い本ではあるのですが、人によっては評価が大きく分かれるかもしれず、あやまった宣伝文句でむやみに昔ながらのミステリーファンの期待感をあおらずに、エンターテイメント性をうたう売り方があうのでは、と思います。


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2020年02月22日

屍人荘の殺人

今村昌弘さんのミステリーを初めて読みました。



第27回鮎川哲也賞を受賞しデビューし、さらに下記の3冠を史上初で獲得した作品。

・『このミステリーがすごい!2018年版』
・“週刊文春”2017年ミステリーベスト10
・『2018本格ミステリ・ベスト10』で第1位

2019年12月には既に映画化されたということで、ちょっと尋常ではない状態でかなり期待して読みました。

以下はネタバレ。

個人的には、期待しすぎてしまったのかと思いますが、最初はライトノベルか!と思ってしまったほど。
旧日本軍が開発した生物兵器により、フェスに参加した多くの若者がゾンビ化し、あわやアウトブレイク・・・
と、設定としてはかなり使い古された感じがぬぐえません。
ただ、ホームズ役とワトソン役がいい具合に(ライトノベル的に)絡んでくれるので、読んでいてまったく飽きさせません。
娯楽として楽しむ分には申し分ないのですが、どうしても軽さが気になってしまいました。
(まぁ、ミステリーに深刻さを求めるのもどうかと思うのですが)

すぐに映画化されたのも納得できます。

今は毎日コロナウィルスのニュースでもちきりですが、こんなウィルスがコロナだったらちょっと笑えませね。。。
続編が出ているので、今はその続編を楽しんでいるところ。
読了後、またアップデートします!





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2020年02月17日

リーチ先生

2019年6月に出た、原田マハさんの本。



個人的には、陶芸に興味のある方に読んでほしい本。
(かくいう私も、陶芸はハードルが高いと感じていますが・・・)

第36回新田次郎文学賞を受賞されたということで、個人的には原田さんの作品の中で最も楽しめました。

日本の美を学ぼうと来日したバーナード・リーチと、その通訳をしていた亀之介。
民芸を説いた柳宗悦との出会い・友情、そして別れ・・・。
まさに感動のアート小説なのですが、どこまでが史実に基づくのか気になって検索してみたところ、刊行インタビューに「亀之介は架空の人物である」と明言された記事を見つけました。

とはいえ、作品のヒントとなった人として亀之助という人物はいるようです。

https://www.yoriyoihibiwo.com/entry/leach.nikki
https://blog.goo.ne.jp/franny0330/e/a85ab224c63636ea543912c42ad3d91c
http://kaizublog.seesaa.net/article/456538283.html

今後、亀之助という人物についてもっと調査が進めば、事実は小説より奇なり、のような現実がわかるかもと思ってしまいます。








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2020年02月11日

受胎告知 絵画でみるマリア信仰

2018/11/15に出版された高階先生の本。
新刊が出ていたとは知らず、あわてて読みました。




目次
序章 キリスト教と西洋美術の関係
文化に溶け込んだマリア信仰
実は聖書に具体的な記述はない

第一章 《受胎告知》とは?
わずか数分の出来事を一枚の絵に収める
天使の世界には九つの階級がある
告知された日は、「三月二十五日」に

第二章 なぜマリア信仰が盛んだったのか
ロマネスクとは「ローマ風の」様式
ペストが流行したゴシック時代から優しいマリアに
上へ上へ向かうのがゴシック建築の特徴

第三章 ルネサンスの写実的な表現と細密描写
富豪たちが積極的に寄進した理由とは
ルネサンスに先行したフランドル美術 --ヤン・ファン・エイクとロベルト・カンピン
油彩画が主流になって遠近法が発展する

第四章 マニエリスム --特異な表現様式と宗教戦争
「マニエリスム」は新しく生まれた様式
カトリックの戦略的な宗教普及
宗派の対立と偶像破壊

第五章 バロック --そして近現代における《受胎告知》
歪んだ真珠は美しいか
宗教の超越性をあらためて強調
バロックでは生々しく表現 --カラヴァッジオ、ルーベンスの《受胎告知》

あとがき


《受胎告知》という絵画が、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス・・・と時代を経るにつれてどのように描き方が変わったのか、歴史・宗教的な背景を交えながら多くの作品を通じて知ることができます。

やはり高階先生の本は読みやすいですが、本の薄さに反してとても内容が濃いです。
大原美術館の館長だからこそ、紹介できるエピソードなども含まれています。

rsketch at 23:01|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 美術書