若桑みどり氏の訃報もっと知りたいフェルメール

2007年10月06日

盗まれたダ・ビンチ名画「糸車の聖母」、英で発見

読売オンラインのニュースによると、4年前に盗まれたレオナルド・ダ・ビンチ作の名画「糸車の聖母」が発見されたそうです。



盗まれたダ・ビンチ名画「糸車の聖母」、英で発見
 【ロンドン=森千春】英警察当局は5日、4年前に盗まれたレオナルド・ダ・ビンチ作の名画「糸車の聖母」がグラスゴー市内で発見されたと発表した。

 16世紀初頭に制作されたこの絵画は、スコットランドのバックルー公爵が所有。2003年、グラスゴー南方ソーンヒルにあるドラムランリッグ城から盗まれて行方不明となっていた。

 警察当局は、事件に関連して、イングランドとスコットランドに住む4人を逮捕した。

(2007年10月5日23時26分 読売新聞)



糸車の聖母
イギリスのニュースサイト、Telegraph Mediaにも掲載されています。

でも、この作品がレオナルド作かあやしく感じます(この「糸車の聖母」はいろんなバージョンがあるみたいです)。
確かに異様に突出した幼児の頬の部分には、レオナルドの特徴があるように思います。
でも、マリアの頭部はとってつけたように体とのバランスが悪く、青いマントの部分は衣の下に足が安定してあるようにみえません。マリアの右手も、ロンドンの岩窟の聖母のポーズをまねているだけで、パーツを無理矢理組み合わせて作られたように見えませんか? これがレオナルドの作品でしょうか?

盗難された絵画が発見されてなによりなんですが、一悶着ありそうな……。


■■ ここから追記です ■■

「糸車の聖母」が複数点あること(たぶん2枚)で、混乱が生じているようなので追記です。

今回盗難から見つかったのが、上記の作品。
もう1点、類似の構図のものが↓こちら。こちらも個人蔵。


糸車の聖母


うん、この作品ならレオナルド作といわれて納得します。
Universal Leonardのサイトでは、この作品をX線などで調べた結果が閲覧できて、かなり興味深いです。
このUniversal Leonardのサイトでは、今回発見された「糸車の聖母」についての言及もあります。作品の下には、the Duke of Buccleuch & Queensberry, KTとありますね。
念のため、FBI Top Ten Art Crimesで盗難されたとされている作品を確認してみましたが、やはり上にあるほうの絵ですね。(背景の高い山の有無が目印になるでしょうか?)

そもそも「糸車の聖母」は、レオナルドがフィレンツェからミラノに戻った後の1501年にFlorimond Robertetのために制作していることが言及されていて、1507年に注文主の手に渡ったようです。
さて、どちらがオリジナルか・・・?

ここから先は、私の妄想です。間違いや勘違い等含まれているかもしれませんのでご指摘いただけるとうれしいです。
私は、オリジナルはやはり下のほうに掲載してある作品(今回見つかった作品ではないほう)だと思います。
明確な線・輪郭のあるものがオリジナルに近く、ぼかした部分があるもの、あるいは省略された部分があるものが後に描かれたもの、と考えるのが普通だと思うからです。
「糸車の聖母」の後にレオナルドは「聖アンナと聖母子」を描いていますが、そこでも「糸車の聖母」と同様の切り立った山のモティーフを用いています。
 今回見つかった作品でこの山のモティーフが変更されているのは、レオナルドほど背景に固執していなかった(レオナルドの世界観を理解していない)ためではないでしょうか?

というわけで、今回盗難から見つかった作品、幼児イエスはかなりよいできだと思いますが、聖母の描き方や背景を見る限り1507年に完成していたとは思えず、オリジナルの作品とモナリザを見た誰かが、モナリザ風にスフマートを用いて仕上げようとした作品のように思えます。 

■■ ここまで追記です ■■


さらに、日本でも大きなニュースがありました。
なんと、歌麿の肉筆画が発見されました〜!

こちらも読売オンラインのニュースですが、3千円で購入の浮世絵が歌麿の肉筆画と確認されたそうです



3千円で購入の浮世絵、歌麿の肉筆画と確認…栃木

発見された歌麿の肉筆画「女達磨図」(栃木県のとちぎ蔵の街美術館提供)
 栃木県栃木市内の女性が所有する浮世絵が、江戸時代中期〜後期に活躍した喜多川歌麿の肉筆画であることが確認された。

 歌麿の版画は2000点以上残されているが、肉筆画は30点ほどしか現存しておらず、専門家は「貴重な発見」としている。

 この作品は、赤いだるまの扮装(ふんそう)をした遊女の上半身を描いた「女達磨(だるま)図」(縦36・5センチ、横56・5センチ)。昭和初期の資料には存在が記されているが、所在は長い間わからなかった。

 歌麿に詳しい浅野秀剛・千葉市美術館学芸課長が鑑定を行い、肌の柔らかさを強調する独特の筆遣いや署名などから肉筆画と断定した。歌麿の最盛期より少し前の作品で、「歌麿の画風がどのように確立されたかを知る上で貴重な資料だ」としている。

 女性は「20〜30年前、夫が廃品回収業者から3000円で購入し、桐箱に入れて保管してきた。まさか歌麿の直筆画とは」と驚いているという。

(2007年10月5日20時29分 読売新聞)


サイトの画像をみると、かなり状態が悪そう。。。
3000円で購入……いや〜、30年前でもかな〜りお安いお買い物ですね!


rsketch at 01:22│TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 ニュース 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. レオナルド・ダ・ヴィンチ 作品  [ レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集 ]   2007年10月07日 11:54
"レオナルド・ダ・ヴィンチの時代には、絵画はそれほどクールでは ...“レオナルド・ダ・ヴィンチの時代には、絵画はそれほどクールではなかったが、 彼の作品のおかげで後生ずっと重要視されるようになった。 ハッキングがどれだけクールになるかは、まさに我々が....
若桑みどり氏の訃報もっと知りたいフェルメール