肖像画
2007年07月18日
個の礼讃―ルネサンス期フランドルの肖像画
以前から見かけてはいたのだけれど、肖像画の歴史が知りたくて読んだ本。
大当たりの本で、もっと早く読んでおけば良かった・・・(2002年初版)。
図書館で借りて読んだのですが、手元に置きたいのでやっぱり購入しちゃいました。
ツヴェタン・トドロフ(Tzvetan Todorov, 1939年-)は、ブルガリア出身の文芸批評家。ロラン・バルトの下で記号学を学んだということで、専門の美術史家ではないということに驚きです。以下の「はじめに」の一部を読めば、タイトルの意図がわかるかと思います。
ヨーロッパ絵画史におけるある時期、個人が図像の中に登場しはじめる。人間存在一般としてではなく、また、なにがしの道徳的、あるいは社会的なカテゴリーの具現化としてでもなく、名前と経歴とを具えた(とはいっても、今日ではほとんど忘れ去れているのだが)私的な個人が登場するのである。言い換えれば、「肖像画」というジャンルの誕生である。こうして私たちが肖像画のうちに見るのは、もはやさまざまな記号として機能しながら先見的な図式に還元される人物像ではなく、家から外に出ればいつでも出会うことのできるようなごく普通の人々になる。こうした革新は、15世紀の初めに、北ヨーロッパにおいて、すなわちフランスに隣接した土地で、もっともはっきりとしたかたちで生じた。さらに厳密に言えば、その一部は、ちょうどその当時、注目すべき独立を獲得した土地、ブルゴーニュ公国であった。この革新的運動に参加した画家のほとんどが、フランドルという一地方の出身であったために、彼らの作品は「フランドル芸術」に属するとされている。
目次
個の発見の前提となるもの
古代の肖像画における栄華と衰退
変動する世界
ルネサンスの春
十五世紀フランドル絵画
断絶
成就
後裔
エピローグ
個人の時代
姉妹本としてフェルメールを論じた本もあり、こちらも今図書館で予約中。愉しみです♪
続きはメモです。
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大当たりの本で、もっと早く読んでおけば良かった・・・(2002年初版)。
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ツヴェタン・トドロフ(Tzvetan Todorov, 1939年-)は、ブルガリア出身の文芸批評家。ロラン・バルトの下で記号学を学んだということで、専門の美術史家ではないということに驚きです。以下の「はじめに」の一部を読めば、タイトルの意図がわかるかと思います。
ヨーロッパ絵画史におけるある時期、個人が図像の中に登場しはじめる。人間存在一般としてではなく、また、なにがしの道徳的、あるいは社会的なカテゴリーの具現化としてでもなく、名前と経歴とを具えた(とはいっても、今日ではほとんど忘れ去れているのだが)私的な個人が登場するのである。言い換えれば、「肖像画」というジャンルの誕生である。こうして私たちが肖像画のうちに見るのは、もはやさまざまな記号として機能しながら先見的な図式に還元される人物像ではなく、家から外に出ればいつでも出会うことのできるようなごく普通の人々になる。こうした革新は、15世紀の初めに、北ヨーロッパにおいて、すなわちフランスに隣接した土地で、もっともはっきりとしたかたちで生じた。さらに厳密に言えば、その一部は、ちょうどその当時、注目すべき独立を獲得した土地、ブルゴーニュ公国であった。この革新的運動に参加した画家のほとんどが、フランドルという一地方の出身であったために、彼らの作品は「フランドル芸術」に属するとされている。
目次
個の発見の前提となるもの
古代の肖像画における栄華と衰退
変動する世界
ルネサンスの春
十五世紀フランドル絵画
断絶
成就
後裔
エピローグ
個人の時代
姉妹本としてフェルメールを論じた本もあり、こちらも今図書館で予約中。愉しみです♪
日常礼讃―フェルメールの時代のオランダ風俗画 | |
ツヴェタン トドロフ Tzvetan Todorov 塚本 昌則 白水社 2002-11 売り上げランキング : 419998 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
続きはメモです。
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