2015年12月01日
私、末岡龍二は、プロフットボーラーからの引退を決断しました。
体もまだ動くしもう少しプレーしたかったというのが本音ですが、高校時代サッカー同好会でプレーしていた男が36歳までプロとしてプレーできたのも奇跡のようなものだし、身に余るほどの名誉な出来事もたくさんあり、ここで退くことに満足していいはずだと思っています。そして致命的な怪我もなく14年間プロとしてプレーできたのは幸運で、健康な体と共に次の道に進めることは一つのアドバンテージだとも捉えています。
保育園でボールを蹴りはじめ、今までひたすらそのボールを追いかけてきました。まずはフットボールというスポーツに出会えたこと、そういう環境をつくってくれた両親と常に私を優先してくれた兄、結婚してから本当によくサポートしてくれた妻そして義理の両親への感謝はもちろんのこと、今まで関わってくださったすべての方々に心からお礼を申し上げたいと思います。
小学校の時地元のクラブに入り、中学校、高校、大学、Jリーグ、シンガポール、タイそしてインド。それぞれのステージでたくさんのすばらしい思い出があります。数えれば26か国をほとんどこのスポーツを通じて訪れ、世界中にたくさんの友人ができたのはかけがえのない財産です。
私のフットボーラーとしての生活は自分との闘いでした。大学のサッカー部に入って今まで子供のころのように練習や試合を楽しめる状況というものがなかなかなく常にいろいろなことに悩み苦しみ、しかしゴールが決まった時の究極の喜びと興奮、それがあったからこそここまで選手を続けることができました。ゴール・勝利の瞬間を家族・友人・サポーターと分かち合う、何物にも代えられないものでした。
無名の自分がなぜフットボールの世界で長く生きていくことができたのか、最近ずっと考えていました。これといった答えは見つかりませんが、環境・才能・タイミングは大事なのかなとなんとなく思います。環境に関しては、人・食事・住居・学校・フットボールスクールなど自分では作りだせないものがありがたいことに子供の時に揃っていました。自らの意志で選んだ高校と大学の環境はプロへの道をつくり、そしてプロになって所属したクラブに関してもキャリアを充実させる良い選択だったと思います。才能に関しては、私は子供のころから体が小さいのですが運動能力にはわりと恵まれていたと思います。生まれた時点で能力に差はありますが、その才能を持て余すことなく発揮すること、そしてそれをさらに伸ばすために努力することが人として大切だという価値観を見出すことができました。それが対戦相手へのリスペクトでもあるし、自分自身が納得できる答えでもありました。タイミングに関しては、プロになって日本を離れた時期は絶妙だったかもしれません。
フットボールは1人ではできません。FWでプレーすることが多かった私はチームが機能しているのとしていないのとではゴール数が全く違います。自分自身はほんの少しずつしか成長できませんが、移籍してゴール数が急増するという経験もしました(その逆も然り)。そういう中で自分は周りに生かされることに気づき、つまり謙虚であるべきだということを学びました。14年間で公式戦360試合出場114ゴールという記録は、関わってくださったすべての人から生まれたものだと思います。
このブログも始めて10年近くになり、それ以前にファンの方に作っていただいたHPを合わせれば十数年間自分の思いを書き続けたことになり、その拙い文章を長い間読んでくださってありがとうございました。
子供が同時に二人産まれて賑やかな末岡家ですが、この二人の子供たちに誇れるような生き方をこれからもしていければと思っています。みなさまご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。本当に長い間応援ありがとうございました。
(21:11)
2015年10月29日
本当に私は幸運な男です。
昨日、2300gと2100gの元気な男の子が末岡家に誕生しました。そうです、双子です。
妻が本当によく頑張ってくれました。本当に。次男は少し体重が足りないのでNICU入りですが、母子ともに(母子子?)健康です。まだ父親になった実感がはっきりしませんが、ふとした時に究極に感動し幸せを感じます。
みなさま家族が一気に二人も増えた我が家ですが、今後ともよろしくお願いいたします!
(08:51)
2015年10月16日
「スパイク、修理します。」
日本に戻ってきて4カ月、次の所属クラブが見つかるまで前々からやってみたいなと思っていたことにトライしています。それはスパイクのリサイクルです。
私はプロフットボーラーとして14年間プレーしています。小学生の時初めて地元のクラブに入ってから現在まで何百足ものスパイクを使用し愛着を持ったスパイクでしたが、破損するたびに廃棄処分してきました。
ここ6年住んでいるインドでは道端にたくさんのゴミが落ちています。目に見えるところにもゴミを捨てるインドですが、目に見えないところにまとめてゴミを捨てる日本も地球を汚していることには変わりはありません。
私にできることは小さいですが、スパイクを修理してもう一度使えるようにすることによって、地球にもやさしく、費用の節約にもなり、そしてなにより日本人が忘れかけているモノを大切にする心が育まれます。
この4カ月間、靴作りの学校へ通い、靴修理店でアルバイトをしながら学び、高校や大学から壊れたスパイクを提供していただいたり、海外から修理道具を取り寄せたり、国内でも靴修理に関する仕事をされている店舗に足を運び、たくさんの方々のご協力のもとようやくスタートラインに立つことができました。
フットボーラーとして明日にでも海外に再度チャレンジすることになるかもしれないのでまだこのスパイクリサイクルビジネスを大きくすることはできませんが、後々幅広く活動できればと思うので、皆様ご協力よろしくお願いいたします。
(23:49)