「心の問題」を解くということは、深いところで「自分が変容する」ということです。

 「イヤなこと」について「イヤだと言えない」という人が、「イヤだと言える」ようになる。これは「自己変容」だと言えます。

 あるいは、様々な「心の問題」をアディクションという形で解決しようとしていた人が、自分の深い感情を理解することでアディクションを必要としなくなる。これも「自己変容」です。

 私の仕事は「自己変容」をサポートすることですが、「自己変容」に繋がる「プロセス」が3つあります。

 1つ目は「共感的繋がり(empathic connection)」です。多くの人の無意識には、自分が接触していない「感情」や「信念」があり、苦悩を生み出しています。苦悩を解くためには、本人が自分の「感情」や「信念」と「共感的に繋がる」ことが必要です。

 別の言い方をしますと、多くの人の中には、「蓋をして感じないようにしているもの」があります。それと「断絶」することで心を守っているわけです。この「断絶」を解いて「埋れているもの」との「繋がりを回復する」ことで、「埋れているもの」を癒してあげなくてはなりません。

 このように、「断絶」していたものと「共感的に繋がる」ことで深い「自己変容」が起きます。

 2つ目は「気づき(awareness)」とそれに伴う「認識の変化(change
in perception)」
です。多くの人は自分の内面で起きていることについて十分な自覚や理解がありません。例えば、悲しんでいるのに「悲しんでいると認識できない」こともあるわけです。本当は相手が好きなのに、素直に出すと拒絶されるのが怖いので、わざと意地悪をすることで自分を守っているということがあります。そして、本人は自分がこういうことをやっていることに「気づいていない」。無意識でやっている。自覚がない。こういうとき、誰かに指摘されて、あるいは自分自身で気づくことで「拒絶されるのが怖いから意地悪をしているんだ」と自己認識できたなら、この「認識の変化」それ自体がその人に「自己変容」をもたらします。

 「気づく」とは「より深く理解する」ことと同じです。自分の内面に対する「気づき」が深まると、自分というものを深く理解できていくわけです。 

 このように、「認識できていなかったもの」が「認識できるようになる」ことで深い「自己変容」が起きます。

 3つ目は「解放(letting go, release)」です。私たちは時に無知から「自分を苦しめるものを掴む」ということをやっています。例えば、「自分には愛される価値がない」という信念はその人を苦しめますが、無知からこういった信念を掴んで放さないのです。こういう場合、この信念を持ち続けている限り苦しみが生まれることを理解し、「手放す」という決断ができれば、ものの2〜3分で楽になります。

 自分のハートに合わない規範もそうです。例えば、やりたくないことを「やらねばならない」と自分に強制して苦しんでいる人がたくさんいます。なぜ自分に強制しているかというと、その人の中で絶対的権威を持っている規範があるからです。例えば、「親の意向には従わねばならない」という規範を持っている人がいます。この規範がその人の中で絶対的なものであり続けるなら、親に逆らって自分の意思で生きることはできません。自分が採用したルールによって自分が縛られます。この人が、自分の意思で生きていきたいからこの規範を手放すのだと決断できれば、新しい自分に生まれ変わるのです。

 このように、
「自分を縛っている規範や解釈」を解放することで深い「自己変容」が起きます。

 ということで、「共感」「認識」「解放」という3要素が「自己変容」に繋がるというお話でした。