この記事はhttps://adventar.org/calendars/8548の20日目の記事になります。

昨日の記事はピースさんの「ルービックキューブでエゴサ」で明日の記事はfueさんの「OBL」です。

はじめに
トゲと申します。私はルービックキューブをスピードキューブとしてはもちろん、パズルとして楽しんでいます。俗に言う難解パズルもそこそこ触れています。先日開催された東京パズルデー2023では100種類のパズルの管理、解説、修理担当でスタッフさせていただいていました。
https://twitter.com/togerubiks/status/1723502161294962698?s=46
多くの人が難解パズルに興味を示してくださったので、3×3の知識を使って難解パズルを攻略する方法について書かせていただければと思い、アドカレへ参加することにしました。


この記事の前半では3×3のルービックキューブは解けるし、「普通に解くのは飽きてきた」、「他のパズルをやってみたいけどお金なくて買えない」という人向けに3×3の他の楽しみ方を紹介しつつ、手順の作り方や立体パズルの観察の仕方を紹介します。
また、後半では3×3の知識を他の難解パズルに活かす方法について記述します。具体的にはこれらのパズルを例に3×3の知識を使って解いていきます。
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これを崩すと、、、

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この記事は手順の作り方や解法の考え方の過程なども詳しく記したため、ご自身のレベルに合わせて適度に読み飛ばしながら読むことをお勧めします。


内容に入る前にサークルの宣伝をさせていただきます。私は今、東京理科大学に所属しています。理科大同期のうぃるうぃると理科大ルービックキューブサークルを設立しようと考えています。今は設立段階であまり動けていませんが、今後は交流会などを開催していこうと考えております。
サークルのツイッター(現X)のリンクを貼っておきます。フォローよろしくお願いします。

https://twitter.com/cutus_cube?s=21


内容に入らさせていただきます。

目次
3×3の他の遊び方にチャレンジ編
・レベル1 RU系
・レベル2 RUF系
・レベル3 180°系
・レベル4 ギアキューブ系
・レベル5 RwU系(難易度高)

3×3の知識を活かす〜特殊な3×3編〜
・レベル1 RU系のヒントと解法
・レベル2 RUF系のヒントと解法
・レベル3 180°系のヒントと解法
・レベル4 ギアキューブ系のヒントと解法
・レベル5 RwU系のヒントと解法

3×3の知識を活かす〜実践編〜
・難解パズル基本テクニック
・Hello Cube
・3×3×2
・4×4×4mixup
・Octo-Star



3×3の他の遊び方にチャレンジ編

通常の3×3を解くにあたって、自力で解法を作ったのではなく、既存の解法を覚えて揃えたといった人も多いと思います(私もそうです)

通常の3×3はとっても難しいので、3×3を少し優しくして、パズルを自力で解くことについて紹介します。

ここでは3×3に制限をつけてみます。
難易度はレベル1から5まで用意しています。

解法も載せているので、お手上げとなった場合に参照してみてください!

また、性質上、ラッキーパターンを引いて揃うことがあるので、それぞれの制限の難しいパターンのスクランブルも用意しました。
解けた人はそこまで挑戦してみてください!

【ルール】
スピードキュービングで覚えた手順は使って良いし、自分で手順を作っても良い。


[レベル1]
RU系

R,R',U,U'のみを使って3×3を崩します。
崩れた3×3をR,R',U,U'のみを使って揃えます。

スクランブル例(U面白F面緑でスクランブル)
R U R2 U' R' U' R U' R2 U R
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[レベル2]RUF系
R,R',U,U',F,F'のみを用いて崩して、R,R',U,U',F,F'のみを用いて揃える。

スクランブル例
R F U R U' F R U R' F' R U' R2 F2
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[レベル3]
180°系

R2,U2,L2,F2,B2,D2のみを用いて崩して、R2,U2,L2,F2,B2,D2のみを用いて揃える。


スクランブル例
U2 R2 F2 L2 U2 F2 U2 R2 B2 U2 F2 R2 B2 U2
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これが解けた人は4×4や5×5でも180°系制限をやってみてください


[レベル4]
ギアキューブ制限

ギアキューブの動かし方を3×3でまねてみます。

ギアキューブとは
外層を回すと連動して中層も動くキューブ
外層を180°回すと中層は90°回転する
(動画を検索して見ると分かりやすいです)
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ルール
UしたらUwも回す(他の回転も同様)

動作例
Uを回して、さらにUwを回した
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この動作だけで崩して揃える。

スクランブル例
U' Uw' R Rw U Uw R' Rw' U Uw F Fw R' Rw' B Bw R' RwIMG_20230627_231724


[レベル5]
RwU系(高難易度)

Rw,Rw',R,R',U,U'のみを用いて崩して、
Rw,Rw',U,U'のみを用いて揃える

なんとR,R'を用いて崩したのにR,R'を使わなくても揃えることができちゃいます。
ぜひ挑戦してみてください。

スクランブル例
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【3×3の知識を活かす〜特殊な3×3編〜】
レベル1 RU系のヒントと解法

まずR,R',U,U'のみを動かしてどのようなことができるかを観察してみてください。

3×3を解ける人ならいくつかの手順が使えることに気づくかもしれません。
具体的には、OLL手順のSune(RU2R'U'RU'R)やPLL手順のUb perm(R2URUR'U'R'U'R'UR')などが使えます。
また、F2Lを揃えた時にOLLの十字が必ず揃っていたり、OLLを揃えた時にPLLのコーナーが必ず揃うことに気づくかもしれません。
つまり、通常の3×3とは特性が異なるということです。

OLLの十字やPLLのコーナーは自動的に揃うので、SuneやUpermを組み合わせて使えばOLLやPLLは回せそうです。F2LもRU系だけで揃えることができます。つまり、RU系で崩したキューブはこの方法で揃えることができます。

スクランブル例で出したスクランブルを揃えてみます。
スクランブル
R U R2 U' R' U' R U' R2 U R

黄色クロスを作る U R2
手前のF2Lを入れる R U R' U2 R U R'
奥のF2Lを入れる U' R' U R U R' U' R
OLLを揃える Sune U' Sune U2 Sune
PLLを揃える Ub perm U Ub perm U'





【レベル2 RUF系のヒントと解法】

レベル1をクリアできた人は是非自力で挑戦してみてください。レベル2でもレベル1で紹介したヒントが活きます。

RR'UU'FF'を自由に回してパズルを観察します。
今回はF2LではスレッジハンマーなどのEOを変化させる手順も使用できます。OLLでは(FRUR'U'F')のような上面十字を作るための手順も使用できますし、当然Suneなども使用できます。PLLではTperm( R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F')やUpermが使用できます。
これらを用いて解いていきます。

スクランブル例
R F U R U' F R U R' F' R U' R2 F2

クロス F R' F'
F2L#1 U' R U R' U' F' U F'
F2L#2 U R' U' R U' R' U R
F2L#3 U2 F' U2 F U2 F' U F
上面クロス U' F U R U' R' F'
OLL U Sune U' Sune U2 Sune
上面コーナー Tperm U2 Tperm
PLL U' Ub perm Ub perm U






【レベル3 180°系のヒントと解法】

180°限定で回してキューブを観察します。今回は普段使用しているOLLやPLLでそのまま使えそうなものがありません。(僕が知らないだけかもしれませんが)
そこで、キューブを探ってみましょう。未知のキューブに触れる時のおすすめとして「規則的な動き」をすることが挙げられます。
例えば、(R2 U2)×3です。この手順を回すと写真の2ペアが入れ替わります。FullSizeRender
この手順はコーナーを変えずにエッジのみ変えることができます。使えそうですね。
エッジのみを動かす手順を得ることができたので、コーナー→エッジの順に揃えるのが良さそうです。
まず、コーナー8パーツを揃えてみてください。コーナーパーツの移動パターンはとても少ないためなんとなくで揃えることができるのではないでしょうか。

全体を見ると難しそうに見えますが、パーツごとに見ると意外に単純に見えることがあります。BLDみたいですが、コーナー→エッジの順に揃えるなど、パーツごとに揃える方法はパズル解法を作る時にもあると良い発想です。

次にエッジパーツを揃えますが、ここで先ほど作った(R2U2)×3の出番です。セットアップとこの手順で頑張ってみてください。

スクランブル例
U2 R2 F2 L2 U2 F2 U2 R2 B2 U2 F2 R2 B2 U2


コーナー  D2 R2 F2 U2
エッジ U2 L2 U2 L2 U2 L2 D2 L2 B2 L2 B2 L2 B2 D2 F2 R2 F2 R2 F2 R2

[余談]
余談なので読み飛ばしていただいて構わないです。

先ほどOLLとPLLで知ってる手順ないと記述しましたが、Hpermだけ発見することができました。

意外と難しくて面白いのでチャレンジしてみてください。

解答



 F2 R2 F2 R2 F2 R2 D2 L2 B2 L2 B2 L2 B2 D2 F2 R2 F2 R2 F2 R2




【レベル4 ギアキューブ系のヒントと解法】

ギアキューブ系の操作方法に従ってキューブを回して観察します。1回の操作で外層は必ず180°回っています。そのため、コーナーはレベル3でやったように揃えられることがわかります。あとはエッジを揃えれば完成です。
レベル4なのに一気に道筋が立ってしまいました。レベル4の難しいところはここからです、、、
エッジのEOに地味に苦戦します。

手順を作成していきます。観察してみて今回は「規則的な動き」でエッジのみを移動させる手順を作成するのは簡単ではなさそうだと分かりました。
そのため、地道に手探りで解法を探します。試しに通常の3×3と同じように1面作ってから揃える方法を考えてみます。

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例えばこの2パーツを入れ替える手順を考えてみます。(RRw)×2するとエッジのみがD面に移動します。そこでDDwするとエッジが入れ替わるので(RRw)×2で元に戻すと1面が揃います。これでエッジ交換の手順を作成できました。

次にこの8EO手順について考えてみます。
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スレッジハンマーに似たような動作をしてみます。(RRw DDw R'R'w DDw RRw D'D'w)
この操作をすると8EOが解消されています。これでEO解消の手順を作成できました。
これら2つの手順を用いればなんとか解くことができそうです。

スクランブル例
U' Uw' R Rw U Uw R' Rw' U Uw F Fw R' Rw' B Bw R' Rw


コーナー BBw
EO  BBw DDw B'B'w DDw BBw D'D'w
エッジ交換 RRw RRw DDw RRw BBw BBw D'D'w FFw FFw






【レベル5 RwU系のヒントと解法】

こちらの遊び方はかなり難しく私自身も解法を作るのにかなり時間がかかりました。。。

前と同じようにRwU系で回せる手順を探します。
以下の2つのOLLを回すことができます。以下の手順はよく使用するため、簡略化のためにそれぞれO1とO2と名付けました。
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O1(Rw U' Rw2 U Rw2 U Rw2 U' Rw)

O2(Rw' U Rw2 U' Rw2 U' Rw2 U Rw')

OLLを揃えるパートではこれらのOLLを用いてできるだけ揃えることを考えることになりそうです。

他にRwU系の手順が浮かばないため、ここからはO1とO2をベースに自力で解法を作っていきます。

解法の流れはCFOP風で作っていこうと思います。
しかし、クロスを作ってみたはいいものの、F2Lを作る時にはクロスは崩れるので特殊なクロスを作ります。
F2Lを作ることを考えたときに理想のクロスは写真のような形だと考えました。(クロスとは)
以後この形をTクロスと呼びます。
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この形なら白面を下にしてRwU系の操作をした時にRw2しなければ崩れることがないので最初はこのTクロスを作ります。

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センターパーツが合わない時は左面に見える白3列を下にしてRw2 U2した後にRwを好きな回数回せばセンターが合いうので、合ったら逆手順のU2Rw2を回してTクロスを揃えます。

Tクロスを揃えたらTクロスを崩さないようにF2Lをペアリングします。このとき、白の手前と奥のエッジ(写真だと白青、白緑)が揃ってなくても大丈夫です。

2つのF2Lを揃えた後に残りの2つの白エッジを入れます。手順は以下の通り、
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白エッジ手順1
U Rw U' Rw' U' Rw U' Rw' U Rw U Rw'

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白エッジ手順2
Rw U2 Rw' U Rw U' Rw' U' Rw U2 Rw' U'→白エッジ手順1

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白エッジ手順3
Rw U' Rw' U' Rw U' Rw' U Rw U Rw'→白エッジ手順2

奥の白エッジを揃えるときは鏡手順を用いると揃えることができる。これでF2Lまで終了です。

次にOLLを考えていきます。O1とO2だけで全てのOLLを解くのは不可能です。あるOLLにO1あるいはO2を回すと他のOLLになります。
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引用)cubeboyage OLL基本57手順

赤のOLLはO1とO2を回すことで他の赤のOLLに変えることが可能という表である。緑も青も同様である。つまり、青や緑のOLLはO1とO2では赤のOLLにすることはできないということである。O1とO2は赤のグループに含まれているため、赤のOLLなら回すことができる。すなわち、「青や緑のOLLから赤のOLLに変える手順がそれぞれ必要になる。」

ただ漠然と手順が必要と言われても今までの方法では使えそうな手順の作り方が浮かばないため、OLLから手順を作るヒントを得ました。
OLLを回すときは既にF2Lが揃っている後です。また、OLLを回した後に既に揃えていたF2Lが崩れていてもダメです。
基本OLLを見ると「F2Lスロットを出す→空いたF2Lの部分を使って他のF2Lがくずれないような回し方をする→F2Lスロットを元に戻す」という流れでパーツが動いています。

RwU系でもこのような方針で手順を作ってみます。Rw U Rw' U2 Rw U' Rw' U Rw U Rw'を回すとF2Lのパーツは入れ替わりますが、上面にF2Lのパーツがないため、上面は自由に動かすことができます。上面を適当に動かした後に先ほどの操作の逆手順を回してF2Lを戻せば手順が作れそうです。
この方法で手順を作成しました。

青グループ→緑、赤グループに変える手順
(Rw U Rw' U2 Rw U' Rw' U Rw U Rw') U2 (Rw U' Rw' U' Rw U Rw' U2 Rw U' Rw')

青グループを赤or緑グループに変える手順を作ることができました。あとは緑グループを赤グループに変える手順を作ればOLLは回せそうです。
しかし、試してみたところ緑グループを赤グループに変える手順は先ほどのやり方ではできなそうです。
そこで他の「F2Lスロットを出す→空いたF2Lの部分を使って他のF2Lがくずれないような回し方をする→F2Lスロットを元に戻す」という流れを考えます。「白エッジを出して崩れない動かし方をして白エッジを戻す」方法を考えてみます。白エッジを出すには白エッジ手順1(U Rw U' Rw' U' Rw U' Rw' U Rw U Rw')の逆手順などが使えます。

緑グループを赤グループに変える手順
白エッジ手順1の逆手順(Rw U' Rw' U' Rw U Rw' U Rw U Rw' U') U2 白エッジを戻す(Rw U' Rw' U' Rw U2 Rw' U Rw U Rw')

この手順を赤グループになるまで回してください(1,2回)
この操作を回すと緑グループが赤グループになることがあります。1回回して赤グループにならない場合はもう一度回すと赤グループになります。そのためこのような書き方をしました。

最後に赤グループのOLLをO1とO2で揃えるフローチャートを作成しました。

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これでOLLを揃えることができます。OLL(57パターン)のようにパターンが少ない場合は今回やったように全パターン解析するのも手です。実際に難解パズルを好んで解いてる人の中にこの手法を用いている人もいます。

[余談]
RU系では変わらなかったEOがRwU系で変わる件について

RU系ではEOが変わらない、すなわち出現するOLLが十字OLLのみだったのに対してRUF系では棒状やドットなどEOが異なっているOLLも出現しています。つまり、Fの存在がEOを変える要因となっています。

RwU系もRU系と同様、EOが変化しないように思えるかもしれませんが、EOが変化したOLLが出現しています。これはRwUがFのような働きをしているということでしょうか。

その心は、RwしてからUすると手前にあった面が回転しています。Lを回した後に持ち替えてUしているので実質的にFを回していることになっていたというわけです。このことを活用すると、一見持ち替えやFを使わないと入れることができなそうなF2LもRwを使うことで持ち替えなしで回すことができる。Fが苦手な人はRw系のF2Lを覚えてみるのもいいのではないのでしょうか。


ここからPLLを揃えていきます。
コーナーパーツだけ見るとRwU系もRU系も変わりません。そのため、OLLを揃えると自動的にコーナーの位置は揃っています。つまり、出現するPLLはUperm、Zperm、Hpermです。Upermさえ作れれば組み合わせでこれらのパターンは解けるのでUpermを作ればいいということです。

もう一つ気づくことがありました。O1とO2の組み合わせではUpermを作れなさそうです。逆に言えば、赤グループのままエッジを入れ替えることができれば再びOLLを揃えた時にUpermになっている可能性があるということです。なので、「F2Lスロットを出す→空いたF2Lの部分を使って他のF2Lがくずれないような回し方をする→F2Lスロットを元に戻す」を行った後にOLLを回す流れで手順を作成します。

Ub perm
(Rw U Rw' U2 Rw U' Rw' U Rw U Rw') U (Rw U' Rw' U' Rw U Rw' U2 Rw U' Rw') O1 U' O2

これでレベル5 RwU系クリアです。





【3×3の知識を活かす〜実践編〜】
前編では3×3の知識の活かし方から手順作りの考え方やパズルの観察の仕方について記しました。

難解パズルを解くにあたって知っておいた方が良いことについて書いた後に難解パズルの攻略について書いていきます。
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これらのパズルを紹介します。
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HelloCube Flat 2x2x2(ハローキューブ)
②3×3×2(LanLan)
WitEden 4x4x4 Mixup Cube(ミックスアップ4×4)
④Calvin's Octo-Star(オクトスター)

私は最近この系統のキューブを購入していないため、古いキューブしかないうえに古いためtribox様では販売終了になってるものも多いです。申し訳ございません。一応まだAliExpressなどでは入手可能なようです。

難解パズル攻略におけるいくつかのテクニックについて紹介した後、写真のパズルの攻略に移ります。

難解パズル基本テクニック①
「パズルを既存のパズルに置き換える」


難解パズルの中には3×3をベースにしたものやスキューブ、ピラミンクスや4×4をベースにしたものも多くあります。

3×3がベースとなっているパズルをいくつか紹介します。
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引用)tribox商品ページ

センター、エッジ、コーナーパーツがたしかに存在していますね。これらには3×3と全く同じ動きをするため3×3の手順が全て使えます。


難解パズル基本テクニック②
「センターパーツ回転」


絵柄があるパズルなどでは通常通りに3×3を揃えてもセンターパーツが揃ってないことがあります。これは通常の3×3ではセンターの向きを気にする必要はないが、絵柄などがあるとセンターの向きまで合わせる必要が出てくるためです。

どのようなセンター回転の状況があるかというと90°回転しているセンターは必ず偶数個あります。
180°回転してるコーナーは理論上0〜6個の任意の数だけ存在することができます。

センター回転の手順(Tperm)
 R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F'

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2つのセンターパーツをそれぞれ90°回転させたい場合、回転させたいセンターパーツを上面に持ってきてTpermを回す。
U面とF面を回転させる場合は下の図のようにすればよい。
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このとき、M,M',E,E'を回して上面にセンター回転したいセンターを持っていく。

また、Tpermを1回回すとセンターパーツが反時計回りに90°回転するので、180°回転させるにはTpermを2回回せば良い。
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難解パズル基本テクニック③
「同じパーツが複数ある場合の2点交換」


立体パズルにおいて2つのパーツ交換の手順は存在しないことが多いです。例えば3×3ではAperm(3つのコーナーパーツ交換)やEperm(2つのコーナーパーツ交換×2)のように3点交換や4点交換だけで2点交換は存在しません。
しかし、複数の同じパーツが存在する場合、2点交換の手順が存在しなくても、実質的な2点交換が可能になります。

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このような3点交換を行うと次の図のようにパーツが移動します。FullSizeRender
上のこの2つの図を見比べると、あたかも2つのパーツが入れ替わったように見えます。

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この理屈を使うと2点を入れ替えることができます。「セットアップして3点交換の手順を回して2点交換する」という考えも有効になることは多いです。


いよいよ難解パズルを攻略していきます。

Hello Cube(ハローキューブ)
ハローキューブは色の差がなく、形だけを揃えるパズルです。さて、このパズルをどう解いていきましょうか。
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ハローキューブを観察してみます。どうやら2種類のパーツから形成されているようです。
また、触ってみて分かることとしては180°回転しても形は変わらないことなどが挙げられます。

ここで、難解パズル基本テクニック①「知ってるパズルに置き換える」ことを考えてみましょう。ハローキューブは8個のコーナーパーツから形成されています。すなわち2×2と同じであることが分かるので2×2や3×3の手順や知識を使えそうです。

2×2や3×3と同じように完全一面→OLL→PLLの順で揃えてみます。
完全一面を揃えますが、揃える面はどこでも良いです。オススメとしては分かりやすいように特徴的な面から揃えるといいと思います。ハローキューブのような色がなく形だけで揃えるパズルはパーツを探しにくいので、特徴的なパーツを見つけると効率が良くなります。
ここでは平たい面を揃えることにします。

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とりあえず2×2や3×3と同じように完全1面を作ってみました。
完全一面を下にして上面を見てみます。IMG_0141
平らな面で完全一面を作ったので上面も平らな面になります。そのため、このハローキューブは2×2でいうと左のキューブと同じような状況です。
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OLL(Sune)を回して上面の向きを揃えました。
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右側の2パーツを入れ替えれば揃いそうですね。
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2×2と比較するとより分かりやすいと思います。
Tpermを回すと無事ハローキューブが揃いました。


②3×3×2

見た目は3×3×3と似ていますが異なった動作をします。
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具体的にはU,U'やD,D'を回せる他にR2,F2,L2,B2を回すことができます。側面は180°ずつでしか回せません。すなわち、上面と下面は自由に動かせて、側面は180°回転しかできない3×3×3と捉えることができます。

難解パズル基本テクニック①「パズルを既存のパズルに置き換える」ことをしてみます。3×3×3の動きを制限したパズルや側面が180°回転しかできないことからsquare1に似てると捉えることができます。
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実際、写真で囲ったパーツと3×3×2のコーナーパーツを同一視(エッジは無視)するとsquare1のコーナー交換の手順を使用することができます。


そこから着想を得て作ったJpermを回してみます。
 R2 U D' R2 U R2 U' R2 D R2 U' R2
この手順を回すと手前の二つのコーナーパーツを入れ替えることができます。この手順は一時期3×3×3のJpermとして使用していました。このように似たパズルから手順を引用することも有効打です。

解法に入りましょう。コーナーを交換する手順もあるため、完全一面→コーナー→エッジの順で揃えてみようと思います。
完全一面を作るのですが、3×3×2はパーツ数が少なく、難しく思えるのでいくつかのパートに分けて考えます。

まず、1列(3パーツ)を揃えます。
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その後に1×2×3のブロックを白面に作るために赤で囲った部分に白赤のエッジと白オレンジのエッジを入れることを考えます。
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図のように白赤(あるいは白オレンジ)を配置したら、青を手前にしてB2 F2 →U'(あるいはU)→B2→U(あるいはU')→F2で入ります。
写真の白赤エッジを奥側に入れるなら手順をそのまま回し、手前に入れるなら手順のUやU'をかっこの中の手に置き換えて回してください。
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これを各エッジ(写真では白赤、白オレンジ)にやることで1×2×3のブロックが完成する。

白面を下にして、1×2×3ブロックを左側に向かせると、UやR2しても1×2×3が崩れません。このことを使って残りの3パーツを揃えて完全一面を完成させましょう。そうすると上下の色は揃い、下側の面は完全一面になっていると思います。

上面のコーナーは先程紹介したJpermを繰り返してで揃えます。

最後に上面のエッジですが、通常の3×3×3では見られないパターンが現れることがあります。
具体的にはエッジの2点交換が原因です。
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通常の3×3×3に(R2 U2)×3を行うと次の写真のようになります。
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こちらでは4点交換が発生していて、これは確かに3×3×3で見られる現象です。しかし、3×3×2では3×3×3の中層が無くなっているので、"見た目上"上面のエッジ2つのみが交換されて2点交換が起きたわけです。そのため、見たことないPLLパターンが現れるということです。

あとはこの2点のエッジ交換手順さえ作成できれば解けそうです。
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手順を作るにあたって、「RU系ならコーナーは崩れない」という知識が使えそうです。3×3の他の遊び方編レベル2でも触れましたね。

RU系で崩して→動かす→戻すの流れで手順を作成しました。

隣接エッジ交換手順
 R2 U R2 U' R2 U2 R2 U2 R2 U' R2 U' R2

対面のエッジ交換の手順は先程紹介した(R2 U2)×3を用いましょう。

これで3×3×2を解くことができます。


③4×4×4 mixup(ミックスアップ)

見た目は通常の4×4×4ですが、ミックスアップ4×4には変わった特徴があります。
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45°ずらして外層を動かすと、、FullSizeRender
なんと変な位置で動いてしまいました。

3×3×3と同じようにセンターパーツ、エッジパーツ、コーナーパーツに色をつけると、なんと、エッジがセンターパーツになったり、センターパーツがエッジパーツになったりしています。中層を45°動かすとエッジとセンターが変わるというパズルです。
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ただ、3×3×3と同じ動きはするようなので3×3×3の知識と手順は全て使えそうです。

エッジとセンターを入れ替える手順を作ります。
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エッジにあるパーツを矢印のように動かしたいです。

仮に、下のF2Lスロットを入れることを考えると、R U' R'で入ります。
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ただし、入るのは下の写真の矢印の先端です。目的の場所ではありません。
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そのため中層を45°ずらしてからこのF2Lのように入れると入れたい位置にセンターパーツを入れることができます。
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この方法でセンターとエッジの入れ替わりは解除できます。

次に、下の写真のようにエッジが45°回転してしまっている場合の対処法を考えます。FullSizeRender

そこで難解パズル基本テクニック②「センター回転」です。ミックスアップの場合、エッジがセンターになり得るので「エッジをセンターの位置にセットアップしてセンター回転手順(Tperm)」で解消可能です。


次にエッジペアリングのやり方を考えます。
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エッジペアリングは4×4×4で出てくる概念なので、4×4×4を参考にします。
4×4×4では次のように回しました。Uw' R U R' F R' F' R Uw
この操作でエッジがペアリングされました。FullSizeRender

この動作をミックスアップに取り込みます。この手順はエッジパーツ向けの手順なので、センターパーツを45°ずらしてエッジに持っていくことで解決できそうです。
具体的にはUwを45°Uwに、Uw'を45°Uw'に変えるだけで解消されました。

これらによってmixup4×4×4を解くことができます。


④Octo-Star(オクトスター)
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細かいパーツが見えていたりして拒絶してしまうかもしれませんが、このパズルこそ3×3の知識をふんだんに使うので楽しみにしていてください。

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このパズルは写真のように青線に合わせることによって外層を45°ずらした状態でも回転させることができます。FullSizeRender

45°ずらしても回せるときがあるということは、エッジとコーナーが入れ替わることがあるということです。セットアップ次第ではエッジに対してコーナー用の手順を用いることもできます。IMG_0177
エッジを赤、コーナーを青で色分けすると分かりやすいですね。


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コーナーとエッジが入れ替わることから紫色の三角柱のパーツとコーナーパーツは交換でき、青色の三角のパーツは三角のパーツ同士でしか交換できず、赤色の四角形のパーツは四角形のパーツ同士でしか交換できないため、この3色のグループに分けて解くことを考えます。

まず、赤色の四角形のパーツを考える。
R2するだけで写真のパーツが入れ替わる4点交換の手順になる。(左のキューブをx2持ち替えしたら右の状態になるという写真)FullSizeRender

しかし、4点交換手順しかないと使い勝手が良くないです。そこで難解パズル基本テクニック③「同じパーツが複数あると2点交換できる」を使います。

下の写真のようにオレンジの矢印の先端のパーツを揃えることでR2すると赤の矢印だけ入れ替わったように見えます。すなわち、白と黄色の2点交換手順になります。
FullSizeRender

これらをもちいて四角形のパーツを揃える( ペアリング)します。

次に小さい三角形のパーツを揃えます。オクトスターを3×3と捉えた時に小さな三角形のパーツはセンターパーツの一部になっているため、センター回転手順で移動できそうです。

IMG_0197
センター回転手順(Tperm)を回すとセンターパーツが反時計回りに90°回転しました。
上面を45°回転させた状態でセンター回転手順(Tperm)を回すと下の写真の紫で囲った部分がセンターパーツになるので赤→緑→白→青→赤と交換されます。これも4点交換手順で使い勝手がよくないので、同じパーツが複数あることを使って2点交換手順を作ります。IMG_0198


センターパーツに白三角を3つセットアップした状態でセンター回転手順(Tperm)を回すとセンターが回転する。IMG_0199
Tpermを回すと、エッジとコーナーも変わるため、Mして再びTpermを回してM'することでエッジとコーナーを元の位置に戻す。

IMG_0200
このような操作を行うと、赤矢印で指した白と青の三角形パーツの2点交換手順を作ることができました。この手順によって三角形のパーツを全て揃えることができます。

最後に紫のパーツを揃えていきます。IMG_0179
紫のパーツはコーナーパーツとして振る舞うことができるので、3×3×3の動きで揃えていきます。

FullSizeRender
写真のようにエッジパーツを入れることを考える。

FullSizeRender
通常の3×3×3ではD' R' D Rでコーナーパーツを矢印の先端に入れることができる。

FullSizeRender
上面を45°回転させると、D' R' D Rでエッジを入れることができる。この操作を繰り返すことでエッジとコーナーを揃えることができる。

これらの操作によってオクトスターは通常の3×3×3にできるため、あとは3×3×3を解くだけでオクトスター攻略という形になります。



おわりに
非常に長いブログになってしまいましたが、読んでいただきありがとうございます!
パズルとしてのルービックキューブに興味を持っていろいろなことにチャレンジしていただけると幸いです。来年も良いキューブライフをお過ごしください。

こんにちは。トゲです。

3×3×2の目隠し解法を思いついたので記事にします。

この記事は3×3の目隠しのM2OPの解法を理解している前提で話を進めていきます。

覚える手順は3つだけなのでそこまで大変ではないです。
IMG_3085

書きやすくするために角のパーツを「コーナー」、
辺のパーツを「エッジ  」、
真ん中のパーツを「センター」と呼ぶことにします。
IMG_3092

〈ナンバリング〉
自分はこのように文字を振りました。3×3×2の場合は側面に文字はいらないです。
IMG_3090
IMG_3091


今回は白を上(U面)、緑を手前(F面)で説明します。


〈エッジ〉
エッジはM2法のように揃えていきます。今回はUFエッジ(白と緑のエッジ)から分析を始めます。

手順1
R2 U2 R2 U2 R2 U2

この手順ではこの2パーツが交換されます。
IMG_3094

【セットアップ】
UBエッジ(白と青のエッジ)にセットアップし、手順1をまわします。
そうするとUFエッジとUBエッジ2点が、
交換されます。

スクランブル
U R2 U' R2 U2 R2 U2 R2 U2 U R2 U'

分析をすると、「は」となるので「は」の位置にあるパーツをUBエッジに「U R2 U'」のようにセットアップし、手順1をまわし、セットアップの逆手順
「U' R2 U」をします。

そうすると2点が交換されるので、これを繰り返して揃えていきます。


3×3×2の場合、セットアップでF2さえ、
回さなければ、崩れることはありません。




※エッジに関しては分析が奇数回で終わろうが偶数回で終わろうが関係ありません。



〈コーナー〉
コーナーもOP法のように揃えていきます。
分析はUBLコーナー(白と青とオレンジのコーナー)から始め、UFRコーナー(白と緑と赤のコーナー)にセットアップします。



手順2
 R2  D' R2 U R2 U' R2 D R2 U' R2 U R2 U R2

この手順ではこの4パーツが交換されます。
(Y permと同じ)
IMG_3093

【セットアップ】
セットアップは3×3のOP法と同じく、
D面、R面、F面のみを使い、セットアップします。

コーナー解法の流れは、
セットアップ→手順2→セットアップの逆手順
を繰り返します。


※コーナーの分析が奇数回で終わったら、パリティが出現するので、手順3をまわします。

手順3
 U2 R2 U R2 U' R2 U2 R2 U2 R2 U' R2 U' R2 U2
この手順では2つのエッジが交換されます。
IMG_3095


以上で3×3×2が揃うはずです。
基本は16字前後で分析が終わるはずなので、3×3目隠しよりも気軽にできます。

皆さんもぜひやってみてはいかがでしょうか。
3×3目隠しとは別の楽しさがあると思います。

たまに「◯×◯のM化には磁石を何個使うんですか?」という質問を見かけます

磁石がどう入るかわからない人がいるかもしれないので今回は計算方法について書きたいと思います。

まず組み立てた時の磁石の配置をみてみます。
とりあえず7×7を例とします
FullSizeRender 
このように磁石があります。
上からみると、
IMG_7657
こんな感じですね。
この面だけで24個磁石があります。
(7-1)×4ですね。(1辺のパーツの個数-1×1面あたりの辺の本数)

それが6面分あるので、
24×6=144
144個使用することになります。


メガミンクスでもやってみます。
1辺のパーツ数  3
1面あたりの辺の本数   5
面の数  12
なので、

(3-1)×5×12 =120

メガミンクス の場合120個使うことがわかります。
この式を使えばn×nのキューブのM化に使う磁石の個数が簡単にわかります。


他にもM化のやり方もありますが、基本、磁石入れるパーツにいくつ磁石があって、そのパーツは何パーツあるかを考えれば計算できます。




今回は以上です。

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