今回のレビューは Margikarman ItoA (マージカルマン イトア)

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貴方が選ぶベストフリゲ2014 4位作品

作者HP

ふりーむDL

作者:ゆうやけ 殿
【ストーリー・概要】
幽霊が己の死と向き合い、前へと進む。
異界×学園を主軸としたADV型現代RPG

主人公は幽霊となり、現代と異界を渡り歩き
自分の死の原因と様々な幽霊と出会う。

【プレイ時間】
全8話+αの プレイ時間5~6時間ほど。

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【長所・見所】
世界観・雰囲気の構築が秀逸している
死後の世界の創り具合とそれにマッチングするBGMのセレクション。
開始1時間で某ペルソナシリーズを思い浮かべる人はたぶんいるだろう。
武器のネームや技のネーム、エネミーネームなど世界観の統一性が
はかられている。(HPを猶予とネーミング等)

要するに「雰囲気」がよく作り込まれている。

最初の頃は現代の人と話しかけることすらできないどころか、
すり抜けてしまうという幽霊ならではの制約があるが、物語が進むに連れて
知り合う仲間の能力によってできることが増えてくる。

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迷ったならばこの水晶に話しかけてセーブするなり、スケジュールで次は
どうすればいいかをチェックする。


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「ぎしゅーん、わなるわなる♪」(戦闘エンカウント時)
戦闘シーン。敵エネミーの名前がとってもオサレ。


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ADVパートとRPGパートをうまくメリハリをつけて
プレイヤーの操作を飽きさせない丁寧な作りになっている。

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昼間の学校は普通の学校だが夜の世界になると
境界人(要するに幽霊)の入り浸る世界に変化。


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本作のハイライトキャラといえば蔵之助。通称「ぞうさん」「お祖父ちゃん」
周囲の人気が高いのも納得。主人公の祖父に当たる人で27歳で死去したためか若々しい。
上の図は蔵之助サブイベントで発生するミニゲーム。
彼の「ゴーストタッチ」のレベルが上がるに連れて最初開けられなかった
宝箱がどんどん開けられる
ようになるのは純粋に楽しい。

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ぞうさん怒りの説教。

【短所】
1 ゲームバランスが雑。(無効化系を乱発するため、ストレスがたまる。)
途中 物理攻撃無効化にする技を使う敵がでてくるのだが
これが非常に面倒くさい。プレイヤーは強制的に防御や防御無視技で
数ターンやりくり
しないといけなくなる。
せめて半減化にするくらいにとどめておけばよかったのではないだろうか。
・・・・と思いたいが、それを除けば基本アタッカーとデバフ担当で分けて
サブイベントも全て消化しておけばさくさく進める大味バランスだから
苦し紛れの手段だったのかもしれない。

2 キャラの掘り下げが深いようで非常に浅い。
シナリオの流れについては4話までがピークでそれ以降は
ガクっと落ちる。

ニコニコ実況を初めとした駆け足プレイをしていると絵や雰囲気にとらわれて
気づかないだろうが、キャラの掘り下げが深いと思わせて浅い。


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仲間の能力で筆談ができるようになり、主人公の両親と筆談するシーン。

その両親が非常にリアクション薄いし、幽霊を疑ったりもしない。
現実に考えると絶対におかしい。しかも後半両親達や同僚、自分が死んだことに対しても
リアクションが薄い。

同時期にあの花という
幽霊アニメや幽遊白書を見てたからこれがものすごく違和感を感じた。

臓器移植者や蔵之助の因縁(?)ともいえる放火魔幽霊もなんというか
「台本通りとりあえず狂気なキャラ演じてみました」というような
とってつけた感があった。

3 登場人物がほとんどステレオタイプで空気
自分は蔵之助以外、名前を覚えることはできなかった。
主人公、子供、主人公の彼女に至っては名前なんだったけ?という感じで
覚えることはなかった。ふりがなが読めないからかもしれないが
上記の3人、一言で片づけられるからか印象に残らない。

葛藤しているようで葛藤していないし、単純に化け物になりそうだから
ちょっと声をかけて戦って助かりましたという流れ作業
であるためか
キャラクターの心情に対するモノが薄い。


言葉通り登場人物に

魂が入っていない。

????「お前ら死んでるねんで!」


【総評】
雰囲気と演出はフリゲでは秀逸の良作です。

この作品はキャラクターの掘り下げが浅い(魂が入ってない)、物語が稚拙という欠点は
ありますが、プレイ時間も5~6時間ほどあればクリアできるさくさく難易度で短編の
作品ですので何も考えず雰囲気を楽しむだけであれば短所は目立ちません


どちらかというとラノベが大好きな中高生に受ける作品です。

次回こういう異世界+現代作品を制作する場合は、キャラの掘り下げを
しっかりすると、良作から名作に化けると思います。

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「Margikarman ItoA」長所短所まとめ

【長所】
・世界観及び雰囲気作りのセンスはフリゲ作品で秀逸。

【短所】
・登場人物の掘り下げが深いようで非常に浅く安っぽい。(本当に死んだとは思えない登場人物の反応等)
・登場人物が一部(蔵之助)を除いて、ほぼとってつけたステレオタイプの空気キャラ。
・雰囲気だけでなんとなく物語を解決して肝心の物語が稚拙。