今回は「セブンスコート」をレビュー。

sevens16


貴方が選ぶベストフリゲ2013 2位入賞作品

作者HP

DL

作者:Novectacle 殿

【ストーリー(一部抜粋)】
ただただ社会に認められたいという意地から、ファンの彼女への想いを原動力にゲーム制作に乗り出すこととなるDark†Knight(HN)。2013年には、今までとは異なる傑作が生み出せる気がしていた。

一方、彼の管理するウェブサイト「ロワイヨムヘブン」では、常連たちが好き勝手に書き込みを行っていた。
Dark†Knightの書き込みが激減したことにより、業を煮やした常連の一人J.Bは、ロワイヨムヘブンのBBSを荒らし続ける。
「いつまでほっぽってんだクソゲー製作者早く新作投稿しろ」

そしてついに、Dark†Knight本人から、この一言が発せられる。
「エイプリルフールに、新作を出す」

エイプリルフール当日。BBSにアップされたゲームのタイトルは、「セブンスコート」
しかし、セブンスコートをダウンロードした瞬間から、
Dark†Knightと常連はRPG的異世界に飛ばされてしまい......!?


【プレイ時間】
3時間程度

【ゲーム概要】
本作はDark†Knightと常連のユーザーが異世界RPGにとばされて
現世に戻るためのノベル作品。

ひたすら左クリック(もしくは決定キー)を入力して物語を読み進める。
もちろんいつでも栞を挟んで中断したり、過去ログを読み直すことも出来る。

sevens3
主人公ミシェル


【見所】

本作の見所は ノベルゲームだけに

1 物語全般の構成力

2 登場人物に人間味がある

3 ストーリー



これらに尽きる。

1 物語全般の構成力

起承転結 という物語の構成の基本がしっかりできている。

特に必見なのは「転」。物語で最も重要な箇所である。
転が一回だけでなく何度も発動するのが普通の作品では
まず見受けられることはない。(プロのコンシューマ作品ですらあまりない)



2 登場人物に人間味がある


普通のフリゲ全般であれば創作者の傀儡(=作者の人形)やそもそも
作者自身が主人公投影して好感どころか嫌悪感を抱いてしまうが
この作品はそういう所がまったくない。

登場人物全員が本当に実在する人物と思うくらい人間味があるのだ。
インターネットユーザーなら「あ、この気持ちわかるわかる」と思う登場人物の行動や発言が
随所に見受けられると思うだろう。


sevens1
仲良し兄妹


sevens11
エリートなヤコボ

3 ストーリー
「なろう系」異世界転送モノ()のストーリーと思って読んでいくと、中盤明らかに違うと
いうのがわかってきて、その後怒濤の展開へ突入する。

物語の内容は特に創作者であれば誰もが共感してしまう内容であること間違いない。
筆者も創作者であるためか、所々共感を持ってしまう要素があった。

sevens13
ミシェル君・・・・;;

この作品で最も恐ろしいと思ったのが
プレイ時間は3時間、つまり一本の映画を見るだけの時間で
密度の高い物語が読めるのだ。しかも無駄なスキ(=蛇足の展開)がほとんどない。
(普通のノベルだったら10時間超えがざら)


一日休日でもあれば誰でも気軽に読めて それでいて面白い
のが
この作品の恐るべき所。

【短所】
一点だけ上げるとすれば
創作者がプレイをするとものすごく共感出来るところがあるが、
裏を返すと、創作者ではないユーザー側視点であると共感できる部分が格段に減ること。

だが、その短所も正直致命的な要素ではなく
「創作者向けの作品」であるためが故なのでまったく問題はない。


【総評】
結論から言うと傑作の部類に入る作品。
フリゲ2013の2位の内容に相応しい作品でした。
(人気があるだけで面白くない「人気詐欺」ではない)


特に創作者の方は一度やっておくと良いでしょう。この作品から考えさせられることも
色々出てくると思います。

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「セブンスコート」長所短所まとめ

【長所】
・物語の構成力、特に起承転結の「転」の構成が秀逸している。(それがしかも何度も来る)
・登場人物が人間味があり、共感が持てる。
・創作者であれば誰もが思ってしまう内容のストーリーをわずか3時間で楽しめてしかも密度が濃い。

【短所】
・基本的に創作者向けの作品であるため、それ以外の方には共感できる部分が少ない。