怒濤の年末年始フリゲプレイラッシュ。
今回は「カリスは影差す迷宮で」をレビュー。

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作者HP

DL

作者:饗庭淵 殿

【ゲーム紹介文(引用)】
「中尉、君には二つの任務が与えられる。
 一つは、鉱堀作業中に発見された遺跡の調査。
 もう一つは、同行する護衛者の抹殺だ」

【プレイ時間】
5~8時間程度
マルチエンド方式でエンディングは全部で4つ。

【ゲーム概要】
本作は軍属の考古学者の主人公が、遺跡を探索し、
遺物や古文書を収集・分析するダンジョン探索型RPGである。
(使用ツール:RPGツクールXP)

ゲームの最終目的は紹介文の通り
1 遺跡の調査
2 護衛として随行する魔術師「カリス」を事故死に見せかけ期間中(30日間)に殺害する

以上2点です。

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左が主人公、右が魔術師カリス

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護衛だけに非常に強いので暗殺するのはしばらくやめましょう。


【見所・長所】

1 ダンジョン探索とADV(街中)パートを鍵や回復、日数の制約をうまく利用したゲームの絶妙なメリハリとバランス。
本作はメインであるダンジョン探索とADVパートが用意されている。

ダンジョンで拾ったアイテム類は装備品だけでなく、街に持ち帰って解読作業を行う必要がある書物類がある。
持ち帰った書物類を分析して読むことにより、作品の世界観を理解することができる。

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ダンジョンはシンボルエンカウント式、街はADVパート。

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手に入れたアイテムは宿屋で解説が読める。セーブも宿屋限定。

また、本作は日数や回復、鍵等様々な要素に制限が設けられている。例を挙げると

・鍵付き扉を開けるためにはセットをして1日(長い場合は3日)置いておかないと次の扉に進むことができない。
・HP回復アイテムが基本なく、主人公の回復手段は「治癒」の魔法書物を読むしかない。(書物を読んで覚えるだけで1日半かかる)
・30日間で任務を遂行しなくてはいけない。
・軍資金稼ぎはコロシアムか特定のアイテムを装備するか、1週間に一度軍から入る収入(=戦利品の成果が影響を及ぼす)しかない


一見窮屈な作品に見えるが
この制約バランスの中でどう街とダンジョンを行き来してやりくりするのが本作品の大きな魅力である。


次のエリアに進む扉が3日かかるのであれば、

・街でゆっくりたまった書物類を読みふける(最大1日で二回可能)
・酒場でパートナーと親交を深める(=エンディングに影響)
・コロシアムで軍資金+経験値を稼ぐ


等、街でやらなくてはいけないことはたくさんあります。

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ターゲットと親睦を深めてなぜ彼女を暗殺しなくてはならないのか調査。あなたはそれでも暗殺しますか?

中盤になれば「経験値+500」アイテムが手にはいるようになるので、レベルアップ作業も軍資金次第では苦痛になったりすることはありません。

ゲームバランスについてもそこまで理不尽な難易度ではありません。
序盤はパートナーをうまく活用し、装備品を手に入れていきましょう。(防御ばかりしてると怒られますが・・・・。

2 時折発生するカリスと主人公が繰り出すシュールな会話
2つめの見所は二人のイベント会話。

イベントが進行したり、カリスの好感度が一定レベルまであると、二人の特殊会話が発生する。

遺跡で発掘したうさみみバンドや無限の食料箱(1日1食分しかでない)、いつのまにか女性の布団の中にもぐりこむぬいぐるみ等をネタとした雑談はこの作品の見所ポイントその2といえます

基本この二人、感情の起伏がほとんどないので、

会話が非常にシュールです。

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基本ギャグ顔等で崩れたりしないのでかえってシュールなシーン。

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「腹が減った」ということ


【短所】

1 物語の進行基本あらすじを通るだけなのでハッピーエンドだったとしても「ゲームの達成感」というより「ゲームを消化した感」がでる。

「カリスと親睦を深めて次第に絆が深まっていろいろあって自分は殺したくない!」という深く掘り下げた描写プロセスはなく、「(話を聞いた結果)殺していいのかな?(選択肢フラグ追加ピコーン)」で止まってしまうため、ハッピーエンドだったとしても、達成感はそこまでなく、「ベストエンドをみました。終わり」となってしまうこと。

要するに物語重視のゲームではない。
(事実上のラストボスも基本主人公達との因縁性はなし)

また、前述の通り二人のラブコメ要素はまったく皆無である。(基本ビジネスライク)

2 一部ダンジョンギミックで運が掛かっている箇所があり、攻略サイト無しだと詰まる可能性が大。
ゲームの進行で行き詰まる大きな箇所があったのでそれを供述しておく。
(間違ってたらスイマセン)

箇条書きでまとめると

1 特定の階層でランダムで出現するトラップではない扉を探す。
2 そこからにランダムで入れる扉迷宮のエリアにたどり着く
3 扉迷宮のエリアの謎を解いて特定アイテムを手に入れる。(特定の書物を読まないとクリア不可能)
4 ランダム扉は基本ダンジョンに入った時点で判定され、一度開けたら再復活は街に戻る必要がある。(?)(=基本リセットしてその階層に再び入って当たりを引く)


つまり、運が非常に絡んでしまう。
(細部攻略は他のプレイヤー殿のブログにたくさんあるので細部は検索して参照してください。)


【総評】
多少行き詰まりやすい箇所があったり、物語重視ではないという短所もありますが、本作品は
・回復や日程等の制約を考慮して街と遺跡を行き来する絶妙なバランス
・時折発生するカリスと主人公が繰り出すシュール(?)な会話

がウリな短編ゲームです。

攻略サイトを参照して進んでいけば5、6時間程度で本編のエンディングをコンプすることができるので
「とりあえず、さくっとやれる探索ゲーがやりたい」という方向けです。

初見のスクリーンショットをみると「乳ゲー?」と勘違いしてしまう人はほとんどいますが、
それに臆することなく、「機密任務」を受けてみてください。

最終的な結末を決めるのはほかならぬプレイヤー自身です。

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「カリスは影差す迷宮で」長所短所まとめ

【長所】
・ダンジョン探索とADV(街中)パートを鍵や回復、日数の制約をうまく利用したゲームの絶妙なメリハリとバランス。
・時折発生するカリスと主人公が繰り出すシュールな会話
【短所】
・物語の結末やプロセスが基本淡泊なのでハッピーエンドだったとしても「ゲームの達成感」というより「ゲームを消化した感」がでる。
・一部ダンジョンギミックで運が掛かっている箇所があり、攻略サイト無しだと詰まる可能性が大。