2006年11月22日
私が間違っておりました - ニルヴァーナ「ネヴァーマインド」

Nevermindギックリちゃんの方は、だいぶマシになってきました。もうフツーの腰痛といった感じです。いま私ルドルフは、いつもどおりに自分のデスクに座ってPCを操作・・・というかこの記事書いています。

今回のはホント軽かったです。でも、発症初日(この前の土曜日)はさすがに動けなかったですね〜。自室でず〜っと横たわっていましたもの。で、その日は手足を動かすのも億劫だったので、さすがにやることもなく、秋の夜長に(もう冬か?)音楽三昧と洒落込むことにしたんです。

時間はたっぷりとありましたから、どうせなら普段は聴かないようなやつをと、CD棚からアルバムCDを何枚か取り出し、枕元のCDプレーヤーで再生してぼ〜っと聴いておりました。

実はその中の1枚がニルヴァーナ「ネヴァーマインド」だったんです。このアルバムを購入したのはちょうど去年のいま頃だったのですが、そのときは1、2回聴いただけで「自分には合わんな」と思ったものです(関連記事はコチラ)。

ところがこの日はどうでしょう。電気を消した真っ暗な部屋の中、自分以外の家人はとっくに寝入ってしまっている、シンとした夜のしじまに聴こえてくるニルヴァーナのサウンドは――驚いたことに――スーっと自分の中に入ってきました。そして、心に染みるものがありました。

そのときの私は、仕事のことも家族のことも、そしてブログのことも脳ミソの脇の方に追いやって音楽を聴いていました。ただし、音楽に一点集中していたかというとそういうわけではなく、音楽に対して完全に受身な状態でした。いわば、頭の中を空っぽにして聴いていたといいましょうか。

その結果実現した、実存としての自分と音楽しかない空間――きっと、このことが良かったのだと思います。いつになく、音楽を“感じる”ことができました。これこそ不幸中の幸いということでしょう。皮肉にも体調不良が演出してくれた時間と空間が、音楽に対峙するうえでの大切なことのいくつかを、私に気づかせてくれました。

まず、音楽というものは、それを聴く環境が異なると、聴く側の受け取り方が違ってくるということです。服飾デザインの世界にTPO(Time Place Ocasion)というルールがありますが、これ、音楽を聴くときにも当てはまるのではないでしょうか。さらに、Ocasionの部分を飛躍させると、TPOのルールには人間の精神性なども含まれるかもしれません。前回「ネヴァーマインド」を聴いていたときの私は、それをブログネタにすべく、明らかに音楽を楽しもうという精神性でなかったことに、いまになって気づいた次第です。私には、音楽を楽しむための大切な心構えが欠落していました・・・。

次に、音楽に対する評価(好き・嫌いの感情を含む)というのは、それを1、2回程度聴いた程度では判断すべきではないということです。最初からピンと来る音楽というものがあることは否定しません。それはそれで歓迎されるべきことでしょう。一方、最初からダメ出しをしてしまい、その後ほったらかしにするというのは・・・・いけませんね(私もついついやっちゃうんですけど)。今回がその好例ですな。ある程度世間一般に受け入れられたアルバムというのは、どこかに必ず良い点があるはずであって、それが最初にわからなくても、繰り返し何度も聴くことによって見えてくる場合もあるという、よくよく考えれば当然のことが、今回は身にしみてよーくわかりました。

最後に、ニルヴァーナと「ネヴァーマインド」について。
最初にこれを聴いたときは、アルバム全編を通じて重々しく、攻撃的で一本調子な印象しかありませんでした。でも、サウンドに素直に耳を傾けるとちょっと当初の印象とは違っていましたね。重々しく攻撃的、というのは、ノイジーで歪んだギターの音色と、リードヴォーカルのカート・コバーンの気だるい叫び声のような歌い方によるものであり、これはサウンドの特徴を表す一面としては間違ってはいないのでしょうけど、それを支えるリズム隊の刻むビートの素晴らしさに、今回あらためて気づかされました。また、よく聴くと1曲1曲メロディーが違う(当たり前でしょうけど)。そして、カート・コバーンの歌い方にも、それなりに、曲ごとにメリハリがある。決して一本調子ではないですね。(もしかして、カート以外の人間が歌っている部分ないっすか?) さらに、フロントマン(カート)とバック(リズム隊)の演奏のバランス感覚も絶妙。彼らの演奏能力が高いのかどうかはよくわかりませんが、サウンドの品質はかなり高いということが、今回ははっきりと理解できました。

・・・とまぁ、こんな感じです。いろいろ気づくことがありましたね。今回はホント、いい勉強になりました。

実は、ニルヴァーナと「ネヴァーマインド」について気づいたことが他にもありました。サウンドの性質としてはパンクの延長線上にある(と思われる)ニルヴァーナのサウンドは、本質としては、決してパンクではないという・・・

このことにつきましては、後日あらためてということで。[FIN]

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【国内盤】ネヴァーマインド 【輸入盤】Nevermind  グランジ・ロックのム
Nevermind / Nirvana【Music on the ROOF】at 2006年11月23日 06:36
ネヴァーマインドニルヴァーナ (2006/05/17)ユニバーサルインターナショナル この商品の詳細を見る 音楽好きなら誰にでも特別な一枚がある。 そしてそれはある世代にとってとてつもない影響力を持った1枚である事が?? ??
NIRVANA ニルヴァーナ/ネヴァーマインド【Discジャンキーズ】at 2006年11月23日 22:41
NO.00192 ニルヴァーナのアルバム『ネヴァーマインド』 90年代以降で最もミュージシャンとして“伝説”と呼ぶに相応しいカート・コバーンを一躍“時の人”にしたのがこのアルバムであり、皮肉にも自殺へと追い込んだのもこのアルバムだと思います。 このア....
ニルヴァーナ【まい・ふぇいばりっと・あるばむ】at 2006年11月24日 11:31
♪この記事へのコメント
こんにちは。
当方のblogにコメント&TBありがとうございました。
こちらからもTBさせていただきます。
それにしても無味乾燥なワタシのところと違っていろんな話の引き出しをお持ちですねぇ。
じっくり読ませていただきます。
今後ともよろしくお願い致します。m(__)m
Posted by ROOF at 2006年11月23日 06:45
はじめまして。
ニルヴァーナの存在は、パンクという枠に入らなかったので、結局はグランジというあいまいなカテゴリーが作られました。
私は発売されて早々に買い、未だに他のアルバムも含めてニルヴァーナを聴いてます。
ニルヴァーナを超える存在が現れるまで、抜け出せないですねぇ・・・。
Posted by まるあ at 2006年11月23日 14:45
こんにちは。
音楽を聴くときの環境というか、姿勢・心の余裕って大事ですよね。曲によっても、どういう状態のときにすっと入ってくるかが違うのだとは思いますが。
ニルヴァーナ、僕も好きです。ニルヴァーナやレディオヘッドにはまってしまった時期に、一時あまりビリー・ジョエルなどを聞かなくなったことがあります。今ではどちらも聞きますが。
Posted by muse at 2006年11月23日 21:49
ROOFさん、ようこそ!

> それにしても無味乾燥なワタシのところと違っていろんな話の引き出しをお持ちですねぇ。
またまた〜。音楽的知識の乏しい私からすれば、ROOFさんの明瞭簡潔な書き方うらやましいですよ。

> 今後ともよろしくお願い致します。m(__)m
こちらこそ!
Posted by ルドルフ at 2006年11月23日 22:17
まるあさん、ようこそ!
ニルヴァーナ専門サイトの人が訪れてドギマギしているルドルフです。恐縮です。

> ニルヴァーナの存在は、パンクという枠に入らなかったので、結局はグランジというあいまいなカテゴリーが作られました。
そうか・・・そういうことなんですね。私、グランジという言葉をすっかり忘れてました。

> ニルヴァーナを超える存在が現れるまで、抜け出せないですねぇ・・・。
かなりお詳しそうですよね・・・サイトはざっと拝見させていただきましたが、今度はジックリ勉強させていただきます。
Posted by ルドルフ at 2006年11月23日 22:21
museさん、まいど!

> 音楽を聴くときの環境というか、姿勢・心の余裕って大事ですよね。
そうですよね。ブログをはじめてから、どうもいけません・・・

> ニルヴァーナ、僕も好きです。ニルヴァーナやレディオヘッドにはまってしまった時期に、
レディオヘッドは、私聴いたことないです。もし今度聴く機会があれば、museさんにご指導を仰ごおうかな・・・
Posted by ルドルフ at 2006年11月23日 22:24
個人的にはすごく伝わりやすい音楽でしたのでやっぱり人によって音楽の伝わり方って違うんだなーと思いました。

私もレビューを書くときに久々に聴いたのですがまたちょっと違った印象を持ちました。
色々発見がありますね。

こちらでトップにリンクを貼らせて頂きました。
これからもよろしくお願いします。
Posted by nasumayo at 2006年11月23日 22:41
うわぁ!ルドルフさんのこの記事本当に自分もそう思います!!

映画なんかもそうですが、その時の周りや自分の環境、精神状態によって“(本当は)傑作”がツマラナイものに聴こえたする事があります。
それもあって自分はCDを手放さない事にしています。

それと確かに1、2回ではよく分からないですね。
ただ聴きたいものが有り過ぎるので、その1、2回で集中してなるべく良い物を拾うのが自分の聴き方です。

「音楽を楽しむための大切な心構え」
素晴らしい言葉ですね。

自分の考え方としてはどんなCD(アイドルや演歌含)にもそれぞれそのアーティストの“思い入れ”が入っているのでこちら側としてもなるべく真剣に聴いてます。

「音楽」に敬意を込めて。

Posted by OZZY at 2006年11月24日 12:38
nasumayoさん、コメント感謝です。

> 個人的にはすごく伝わりやすい音楽でしたのでやっぱり人によって音楽の伝わり方って違うんだなーと思いました。
私はニルヴァーナは後追いでしたので、リアルタイムに聴かれている方とは感じ方が違ったのだと思います。

> こちらでトップにリンクを貼らせて頂きました。
歓迎です。ではこちらも(差し障りがあったら言ってくださいね)。
Posted by ルドルフ at 2006年11月24日 20:54
OZZYさん、コメント感謝です。

> それもあって自分はCDを手放さない事にしています。
私もCD手放したことないです。もったいないですよね。

> なるべく良い物を拾うのが自分の聴き方です。
> 「音楽」に敬意を込めて。
うんうん、それが良いですね!
Posted by ルドルフ at 2006年11月24日 20:58
はじめまして、ルドルフさん。

私は、このアルバムがでた時は、20そこそこで、めちゃくちゃ凄いインパクトで、胸に響きました。カート自身の怖いくらいの魂を1曲目のリフから感じました。

また、自殺した時も、たまたまラジオの速報で聞いたんです。このニュースを耳にした時、このアルバムの1曲目のリフを想い出し、再び胸に響きました。

ニール・ヤングが『SLEEPS WITH ANGELS』でカートにむけて、静かに歌っています。♪愛する人との触れ合いを大切に〜孤立してしまってはだめ〜♪と・・・

また、遊びにきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
Posted by jerry at 2006年11月24日 23:45
ルドルフさんこんばんは。
腰の具合はいかがでしょうか?

さてニルヴァーナですが、自分はこのアルバムだけ聴いたことがあります。
まさにルドルフさんが最初に感じられた「全編を通じて重々しい」感想しか浮かびませんでした。
ちょうど流行っていたころ聴いたのですが、結局それっきりです。
2年半前に自分のBLOGでもニルヴァーナについて書いたのですが、そのまま放置です。
今回ルドルフさんのエントリを読んで少し反省しました。
別に音楽は義務で聴くもんでもないんですが、もう一度だけ「ネヴァーマインド」聴いてみようと思います・・
Posted by SYUNJI at 2006年11月25日 18:14
jerryさん、ようこそ!

> 私は、このアルバムがでた時は、20そこそこで、めちゃくちゃ凄いインパクトで、胸に響きました。

20前後でリアルタイム・・・このパターン、ニルヴァーナにやられちゃいそうですね。(うらやましくも感じる)

> ♪愛する人との触れ合いを大切に〜孤立してしまってはだめ〜♪

これ、いじめで自殺しちゃう子たちに聞かせたいですね・・・

私のブログは、ニルヴァーナを含め新し目のやつはイレギュラーでしか登場しないですけど、ぜひまた遊びに来てくださいね。ではでは〜
Posted by ルドルフ at 2006年11月26日 00:17
SYUNJIさん、どうも! ニルヴァーナのエントリに反応されるとは少々意外に思いましたが、以前に記事にされているのですね。

> ちょうど流行っていたころ聴いたのですが、結局それっきりです。
> 別に音楽は義務で聴くもんでもないんですが、もう一度だけ「ネヴァーマインド」聴いてみようと思います・・

聴こう聴こうと能動的になると、またダメかもしれませんよ。サウンドと自分の感性が喧嘩して(特にこの手のサウンドは)。非常に感覚的な物言いになりますが、
「押してダメなら引いてみな」
の方がよろしいかと。計画的ではなく、思い出したときにでもお気楽に聴いてみてはいかがでしょう。
(言ってることわかるかな・・・)
Posted by ルドルフ at 2006年11月26日 00:26
このアルバムは持ってます グランジは詳しくなかったけどあま、好きです。ニルバーナいいです。カートコバーンがピストルズ聞いて衝撃うけたみたいなこといってたのが うれしかったです。
Posted by や〜 at 2006年12月07日 14:19
や〜さん、コメントどうもです。
パンクお好きなのですか?
カート・コバーンがピストルズですか。初めて聞きました。やっぱり、そこら辺の音楽にも影響を受けているのですね。
Posted by ルドルフ at 2006年12月07日 21:36
はい、Punk好きっす笑なんでも好きなんですが80も特に。ピストルズ狂笑で ビリーも好きっす、ピストルズのデビューAlbumがたった一枚で、世界の音楽シーン衝撃あたえたんですが、そのデビューAlbumがネバーマインド〜ブロックスでありやした。
Posted by や〜。 at 2006年12月07日 23:07
や〜さん、コメントどうも。パンクが好きで、ビリーが好きなのですね。また、初めての洋楽ライヴがビー・ジーズですか!(私ビー・ジーズの大ファンなのです。)

> そのデビューAlbumがネバーマインド〜ブロックス
あぁ、もしかして・・・ニルヴァーナの「ネヴァーマインド」のタイトルは、このアルバムからとられたのかな?
Posted by ルドルフ at 2006年12月08日 22:15
ビージーズ!に乾杯笑アナログ買い集めたんでありますが、聞けないんでまたCD聞いてます!たぶんネバーのタイトルは カートのPunkに対する素直な尊敬の意味だったかもしれないです。自分もはじめニルバーナはききずによくわからなくちんですが、ネバーはなぜか理屈なくずっしりと響いてきた時変ったんです
Posted by や〜 at 2006年12月09日 16:41
や〜さん、コメントどうもです。

> たぶんネバーのタイトルは カートのPunkに対する素直な尊敬の意味だったかもしれないです。
なるほど。ただ、ピストルズとは随分サウンドは違いますよね。だから私にはピストルズ云々の話は新鮮でした。

> ビージーズ!に乾杯
チアーズ!(←?)
Posted by ルドルフ at 2006年12月10日 07:58
ピストルズは、究極にPOPだと笑思うのですが。英国にしても今の刺激受けたバンドにとってピストルズ=Punkなんだと思う。自分もそうだし カートもかなり衝撃受けたようでたぶんルドルフさんの推理のようにピストルズのオブジェのようなきがします。ネバーマインドの記事見てまたあらためてニルバーナ聞いてみようと思うきっかけに ! ビリーはTour終わったのかなぁ笑。プログラムでかい?笑んすね
Posted by や〜。 at 2006年12月10日 19:15
すいません!おまーじゅ!オブジェ 笑
Posted by や〜 at 2006年12月10日 19:24
なんだか、や〜さんとの往復書簡みたくなってきましたね(笑)

> ピストルズのオブジェのようなきがします。
なるほど、オブジェね。うまいこと言いますね!

> ネバーマインドの記事見てまたあらためてニルバーナ聞いてみようと思うきっかけに !
私も自分で書いといてなんですが、「ネヴァーマインド」は抵抗なく聴けるようになりました。ただ、「イン・ユーテロ」は・・・

Posted by ルドルフ at 2006年12月11日 06:08
ルドルフさん、はじめまして。
イギリス在住のlaurelnobilis(月桂樹)です!

私もニルバーナにかなりはまりましたよォ! 今でも気がむけばよく聴いてます。運転中に密室で音量大きめで聴くのが一番最高です(笑)。

恥ずかしながら、以前、ニルバーナについてへタレ記事を書きましたので、よろしかったらお立ち寄りくださいませ。(注:ただし、ウザイ程長ったらしいです・(笑)パート1・2)
トラックバック貼らせてもらいます。

Posted by laurelnobilis at 2007年03月03日 02:18
ようこそ、laurelnobilisさん!(^^)

> ニルバーナについてへタレ記事を書きましたので、よろしかったらお立ち寄りくださいませ。(注:ただし、ウザイ程長ったらしいです・(笑)パート1・2)

読ませていただきましたよ! 確かに長い・・・が、かなりお詳しいですね。再度ゆっくり読ませていただくことにします。

TBは・・・失敗したみたいですね。Livedoorへぼいっすから、まれにTBが失敗することがあります。
Posted by ルドルフ at 2007年03月03日 23:14