2008年11月07日
続々・空白の90年代を探す旅(その2) ‐ 「イメージズ・アンド・ワーズ」を聴いてみた

イメージズ・アンド・ワーズ1990年代の洋楽をほとんど聴いてこなかった私ルドルフがこう言うのもなんですが、90年代当時の洋楽シーンは“混沌”という言葉で言い表せるのではないか、なんて思ったりしています。

思えば、1970年代もいろいろな音楽がゴチャゴチャとあった時代でした。けれども1990年代のそれは、ちょっと性質が違ったもののような気がします。70年代が前途洋洋たる“混沌”だったとするならば、90年代のそれは切羽つまった故の・・・というか。

音楽的にいろいろな実験を繰り返した時代(70〜80年代)を受けての90年代は、ヒップ・ホップが隆盛を迎え、ガールズポップ勢が肌の露出で勝負するようになった時代。当時、我々(現在のオヤジ世代)が心から愛してやまなかったそれまでのロックやポップスは、大衆音楽のメインストリームから外れはじめようとしていましたね。

サウンドはルーツミュージックへの原点回帰を思わせるような方向に向かう勢力もあれば(カントリーの復権やMTVアンプラグドの人気ぶりが象徴的)、その反対に、ジャンル横断的な離合集散や細分化が行われるようにもなりました(ヘヴィメタルがスラッシュやらデスやらに細分化されていったのもその一例では?)。

とき折りしも、中東・湾岸地域の緊張が高まりはじめた頃でしたから、欧米社会の保守化傾向とそれに伴う社会的閉塞感が、従来の洋楽というものに与えたマイナスの影響も無視できないでしょう。この頃のロックは全体的に重苦しく、暗くなる傾向にもありましたね。

いずれにせよ、90年代はアーティストが音楽で飯を食っていくのに、それまでの方法論ではやっていけなくなり、試行錯誤に迫られた難儀な時代だったのではないか。平たく言うとそんな気がしてなりません。


・・・なんかエラそうに講釈たれていますが (;´∀`)


そんな状況下、“プログレッシブ”で“メタル”という、古いような新しいようなジャンルの音楽を引っさげて登場したドリーム・シアターとは何ぞや?と思うのは自然なことですよね。かなりの人気だというし。

実は、私がその名前を知ったのは去年くらいのことで、以来ずっと興味津々だったのですが、この度やっと彼らのサウンドに触れる機会を得ました。彼らの代表作「イメージズ・アンド・ワーズ」をゲットして聴いてみたのですが・・・ずばり、私のツボを射ました。

なるほど、どことなくプログレっぽいしメタルっぽい。これは新しいかも、などと思ったりもしましたが、特筆すべきは音のカッチリ感でしょう。それはもうハンパなくスゴいですね。楽曲も演奏もスキがないというか。音だけを拾うとスキがなさすぎて、下手をすると無機的で“独りよがり”な印象になってしまうところを、叙情的なヴォーカルがギリギリのところで救っています。

曲は粒揃いだけれど、強いて1曲だけ挙げるとするなら3曲目「テイク・ザ・タイム」。畳み掛けるような曲展開がたまりません。このバンドの特性をよく表している曲だと思います。

それにしてもなんなのでしょう、このアルバム、このバンドは。マスを狙った=大衆受けを目指した音作りとは一線を画した偏執さで、それがある種潔い。そう感じるのは私だけでしょうか?

トータルでは動と静のメリハリがあって聴きやすい作りになっており、メロディアスなところからも決して大衆性を無視しているわけではなさそうなので、「大衆にこびない大衆性」と言い表すのが適当かもしれません。とにかく自分にとっては新鮮。サウンドが私好みということもありましたが、サウンドから滲み出るこの“哲学”に私はホレました。

このアルバムはたぶん、今年の私のMVP(Most Very often Playing record ←めちゃくちゃな英語(笑)。ドリーム・シアターのアルバムは、このアルバムが傑出していてほかはイマイチ(?)という説も見聞きしますが、そんなことはお構いなしに、引き続き追いかけていきたいと思います。

今回の「旅」は収穫多し。[FIN]

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 テクニカルプログレッシヴメタルバンドの代名詞とも呼ばれることの多いドリームシアター、だが決してそれだけをひけらかすワケではなくしの..
Dream Theater - Images and Words【ロック好きの行き着く先は…】at 2008年11月08日 13:44
♪この記事へのコメント
ヴォーカル違うけど、ファーストもとってもいいですよ〜。

セカンドは、metallica+RUSHといったトコですね。
metallicaのブラックアルバム+RUSHの『counterparts』。

『Live At The Marquee』は聴かれましたか?
日本盤と外盤で1曲だけ選曲が違うんですが、
いずれもセカンドからのバラードナンバーです。

コレ以降、ジャケットにRUSH同様にヒュー・サイムまたは、ストーム・ソーガソンを起用し、
プロデューサーもケヴィン・シャーリーを使ったりしている。
ちなみに、metallicaやアイアン・メイデン、パープルなんかのアルバムをまんまライヴで再現とかしてライヴアルバムを出してたりしています。

5枚目以降は全く知らないですけど、サードから収録時間が長いんですよ。
アナログは2枚組みです…。昨年出た新譜も78分もありました。
セカンドまでが丁度いいです。

Posted by jerry at 2008年11月07日 22:56
このバンドは全く知りませんでした。
90年代、洋楽を聴いてはいたけど印象に残る曲が少ない気がします。
聴いていても右から左へ素通りしていったような感じ。
60年代のビートルズやストーンズ、70年代のエルトン・ジョンやS・ワンダー、80年代のM・ジャクソンやマドンナといいた時代をリードしていくようなスーパースターも生まれていませんし、ラップ、ヒップホップが伸してきて心惹かれる曲が少なくなってきた頃でした。

以上、昭和オヤジのつぶやきでした(笑)
Posted by つぼ丸 at 2008年11月08日 11:10
jerryさん、さっそくのコメント感謝です。お待ちしておりました。

> セカンドは、metallica+RUSHといったトコですね。

Metallicaはわかりませんでしたが、RUSHはその通りだと思いますね(そんなに詳しいわけじゃないけど)。

> セカンドまでが丁度いいです。

あらら。とりあえずは1枚目からですかねー。情報ありがとうございます。
Posted by ルドルフ at 2008年11月08日 11:58
つぼ丸さん、コメント感謝です。
私もどっぷり昭和オヤジです(笑)

> 90年代、洋楽を聴いてはいたけど印象に残る曲が少ない気がします。

90年代の音楽は表面だけをなぞっていたら(=ヒット曲を追いかけていたら)良質な音楽にめぐり合わない時代のような気がします。これまでちょこちょこと90年代モノを聴いてきて、自分から見つけ出す必要があることを痛感しています。ある意味、音楽好きかどうかが問われる試金石の時代なのかも。
Posted by ルドルフ at 2008年11月08日 12:01
久しぶりに、ご紹介のレコードをターンテーブルに乗っけました。
アナログは、A面がSurroundedで終わり、B面がMetropolis-Part1で始まります。
この辺の、起承転結もたまらない魅力であります…。

ちなみに、Metropolisには、Part2も存在します。

残念なのが、印象的な楽曲を作っていたKeyのケヴィン・ムーアが、
サードを出して脱退してしまったこと…。


oasisとドリシー(仲間内でこう呼ぶ)以降に出てきたバンド…あまり知らないです。
90年代も半ば過ぎるとつまらないな〜、自分の感性がつまらなくなったのかな〜。

※音だけを拾うとスキがなさすぎて、下手をすると無機的で“独りよがり”な印象になってしまうところを、叙情的なヴォーカルがギリギリのところで救っています。

ルドルフ兄貴、鋭い! さすが! セカンドが出たときこう言われていました。
Posted by jerry at 2008年11月08日 13:37
jerryさん、再度の情報感謝です。Metropolis Part2はぜひ聴いてみたいですね。

> ドリシー(仲間内でこう呼ぶ)

これ、使わせていただきます。
Posted by ルドルフ at 2008年11月09日 16:55
ちなみにこのジャケの少女は、仲間内で「ドリシー少女」と呼んでいます。

※ドロシー少女ではありません…
Posted by jerry at 2008年11月10日 02:24
> ※ドロシー少女ではありません…

萌え〜(←馬鹿)
Posted by ルドルフ at 2008年11月10日 22:16
こんにちは。私はこのグループ、何枚か聞いていますが、ルドフィー好みのグループだと確信していました。(←何故?)

とんでもないテクニシャンの集合でこれなら人ではなく機械が演奏したら、と感じていたのですが確かにボーカルの叙情性が救っていますよね。

私?座り心地の悪さを感じて、それほどのれませんでした・・・・(←じゃあ、コメントするな!)

ところで忘年会はいつ?
Posted by ぷくちゃん at 2008年11月11日 06:34
ぷく師匠、コメント感謝です。
忘年会よいですねー。
ただ、状況的にはかなり厳しいですが。

> 私?座り心地の悪さを感じて、それほどのれませんでした・・・・

私は師匠はダメだろうなと思っていましたよ。おそらく、ベテランのグレ者およびメタル者(そんな言葉あるか?)は微妙な違和感を感じるものと思いますね。私はプログレもメタルもコアなファンではない(かといって抵抗もない)ので、案外すんなり受け入れることができました。
「座り心地の悪さ」という表現、よーくわかります。

Posted by ルドルフ at 2008年11月11日 21:40