2009年11月15日
久々の大ヒット - イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー「フェイブルズ」

fablesある方から、左記の音源を頂戴したんですが、

これが、フツーではなかなか聴けないシロモノでして――
おなじみイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー(以下E&J)の、黎明期といえる時代のアルバムです。

E&Jといえば、「秋風の恋(I'd Really Love to See You Tonight)」の大ヒットに代表される70年代後半に活躍した男性デュオですが、「秋風〜」以前は、兄貴分にシールズ&クロフツがいたことや(※1)、長きに渡り地元テキサスの有名バンドとして活躍したあとにデビューした経緯(※2)などから、その素性の良さは認められつつも、さしたるヒット曲もなく、メジャーな活躍をしていたとはいいがたい状況でした。

そんな時期に契約していたA&Mレコードからリリースされた3枚のうちの1枚が、この「フェイブルズ」(1972年)です。

これ、おそらく世界的に見ても、なかなか話題に上らないアルバムでしょう。E&Jといえばそこそこのビッグネームでしょうが、このアルバムは、これまで一度もCD化されていませんから。恥ずかしながら、彼らのファンを公言している私ルドルフも、その存在を知りませんでしたし。

けれども、だからこそ、この貴重な音源を頂戴し、その中身を確認したときに、私は大いなる興味をそそられました。なにせ1曲目には、日本人なら・・・とりわけヴェテラン洋楽リスナーなら、聴くと涙腺が緩むこと確実(笑)といわれる名曲「シーモンの涙(Simone)」が鎮座しています。ちなみにこの曲は、いま売られているE&Jのどのベスト盤にも収録されておらず、一般には、例のコンピ盤でしか聴くことができません。

それから、2曲目には「シーモンの涙」のあとにシングルカットされた「ケイシー」も! 珍しくジョン・フォード・コーリーがリードヴォーカルを務めるこの曲は、聴くのが今回が初めてでしたが、これまた切なさ満点でいいですね〜。

▼「フェイブルズ」収録曲
1. Simone
2. Casey
3. Free the People
4. What I'm Doing
5. Carolina
6. Tomorrow
7. Candles of Our Lives
8. Matthew
9. Stay by the River


これはもう、たまりません。


曲調は、全般的には広く知られているE&Jらしい、カントリーテイスト溢れるソフトロック・AOR路線で、驚きはありません。むしろ、曲のアレンジによっては同時代に活躍したアメリカを思わせるものだったり、シーズル&クロフツのテイストがプンプンしたりと(とくに「What I'm Doing」のコーラス!)、方向性という点で焦点が定まらない印象もしますが、それはまだE&Jがデュオとしてデビューして間もなかったことや、音楽的な時代背景とあいまってご愛嬌といったところでしょう。1曲1曲はひいき目なしに本当に良く出来ています。5曲目「Carolina」を除く全曲がE&Jオリジナルといいますから、彼らのソングライティング能力が若い頃から秀でていたことも感じさせます。ホント、いい曲ばかりなんですよ。

また、30年以上も前に作られたアルバムだというのに、全体を通して音がまったく古く聞こえません(むしろ、モダンに聞こえる)。これは、バックがちゃんとしているせいでしょうか。ネットからの受け売りですが、アルバム制作にあたっては、ジム・ゴードンやラス・カンケル、ハル・ブレインなど腕利きミュージシャンが脇を固めているとの情報も。

野球シーズンはとっくに終わってしまいましたが、ルドルフ的には久々の大ヒット。秋も深まり、センチな気分が漂う昨今、最近こればかり聴いている次第です。

Oさん、どうもありがと。[FIN]

※1:シールズ&クロフツの両名は、E&Jがデュオとしてメジャーデビューする以前から彼らの音楽活動をバックアップしていたことはつとに有名。ちなみに、シールズ&クロフツのジム・シールズは、イングランド・ダンこと故ダン・シールズの実兄でもある
※2:E&J両名が以前所属していたバンドの名はSouthwest F.O.B。結構有名だったらしく、YouTubeにも映像がいくつかアップされているほど
http://www.youtube.com/watch?v=pkEtNydb-RA


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 入院中の病室で書いています。  以前にも書きましたが、二度目の入院です。  大
We'll Never Have To Say Goodbye Again【「小林克也のRadioBaka」  期限切れ遺失物移管所】at 2010年02月13日 02:38
♪この記事へのコメント
「シーモンの涙」に涙腺が緩むつぼ丸です。
この曲が日本でヒットしたのは72年の秋でしたが、当時の人気アーティストはミッシェル・ポルナレフ、スリー・ドッグ・ナイト、シカゴ、T.レックス、バッドフィンガー等々。
このアルバムは知りませんでしたし、話題にもならなかったと思います。
個人的にはリンクを張ったコンビ盤に興味をそそられました。
Posted by つぼ丸 at 2009年11月16日 10:57
つぼ丸さん、コメント感謝です。

> この曲が日本でヒットしたのは72年の秋でしたが、当時の人気アーティストはミッシェル・ポルナレフ、スリー・ドッグ・ナイト、シカゴ、T.レックス、バッドフィンガー等々。

E&Jは、1972年ごろスリー・ドッグ・ナイトが来日したときに、前座として来日を果たしているそうですね。「シーモンの涙」がヒットしたのは、そのときの来日効果もあったんでしょうかねぇ? 私には当時のことはわかりませんが。
Posted by ルドルフ at 2009年11月17日 06:13
このバンドは知りませんでした(汗)例のビルボードカタログで検索して聞いて見たところ、♪シーモンの涙 は無かったです。アメリカではあまりヒットしなかったんですね。
ちなみに♪Id Really Love To See You Tonight は76年の年間21位、♪Love Is The Answerが79年の年間68位になってますww
Posted by バリ at 2009年11月20日 10:32
バリさん、コメント感謝です。

> このバンドは知りませんでした(汗)

いやいや、日本人が知らなくて当然でしょう。
私もたまたま知ったというだけ。ネットさまさまです。

> ちなみに♪Id Really Love To See You Tonight は76年の年間21位、♪Love Is The Answerが79年の年間68位になってますww

Love Is〜も名曲です。でも、こんなに年間順位が高いとは知りませんでした。情報サンクス!
Posted by ルドルフ at 2009年11月22日 11:39
ルドルフさん、話題にして頂き、ありがとうございます!
実は、Three Dog Nightの前座で演奏した時の音源が残ってました。
一緒に観に行った友人がカセットで録音していたんですね。
全部ではないですが、8曲なんとかアップ出来ました。
http://briefcase.yahoo.co.jp/bc/eagles1953/lst?.dir=/bd1e/d40e&.order=&.view=l&.src=bc&.done=http%3a//briefcase.yahoo.co.jp/
良かったら、聞いてみてください。
お気に召したら、DLして行ってくださいね。
Posted by Ol'53 at 2009年11月30日 02:03
Ol'53さん、コメント感謝です。
音源もサンクスです。

> 実は、Three Dog Nightの前座で演奏した時の音源が残ってました。
> 一緒に観に行った友人がカセットで録音していたんですね。

これ、調べてみたらE&J初来日のときだそうですね。本当は違うアーティストが来日するはずがキャンセルになり、急遽彼らに白羽の矢が立ったのだとか。

ジョン・フォード・コーリーはいまだ現役でツアー活動をしているみたいです。来日しないかな〜
Posted by ルドルフ at 2009年11月30日 15:28