大学祭でのイベント
英里を嫌う女子学生たちが下剤入りスムージーをつくる

「できたね」
「できたね。でも味は…」
「誰か確かめる?」
「え~私は嫌」
「味が変だったらばれちゃうよ」
「その心配はないと思う。あの人絶対飲むから。私あの人のこと調べたのね。あの人試合前に浣腸しちゃう人なんだよ」
「試合前??」
「そう、ハンディキャップって浣腸されてからプロレスの試合するのよ。信じられる?」
「え~…ほんとに??」
「だから『下剤入りです』って言っても飲むと思うよ」


「差し入れで~す」
英里の控室の入り口で女子の声がする

「は~い」
白いひもビキニを着た英里がドアを開ける
丸盆に350mlのビアグラスを乗せて愛未が入ってくる

「ありがとう…ジュース?スムージーかしら?」

「はい、ゴーヤとバナナとレモンと豆乳のスムージーです」

「ありがとう。手作り?だよね?私のために?」

「はい、早川さんのために下剤入りのスムージーをつくりました」

スムージーから早智に目を向け一瞬動きが止まる英里

「うふ、私のために下剤入りのスムージーなんて素敵ね」
笑顔で答える英里

「今すぐ飲んだほうがいいのかしら?」

「今すぐ飲むと試合中効いてくると思います」

英里は上唇を舐めると両手でグラスを受け取り呑み始めた

一気に飲み終えると指で口を拭い
「おいしかった。意外に飲みやすいのね。ウフフ…楽しみね」
自分のおなかに目を落とし右手で撫でる英里

「みんなでいい『公演』にしましょうね」
笑顔を見せる英里


「のんだね」
「のんだね」
「なんかすごいね」
「変態なんだよ」
「一瞬『あ、だめ!』って思っちゃったよ」
「思うよね。何が入ってるか聞かないし」
「信用してくれてるのかな?」
「それ意味わからないし」

ひとり控室に残った英里
なにが入ってたのかしら?
いつ頃効くのかしら?
どれくらい効くのかしら?
私ちゃんと闘えるのかな?…
だめ、ダメよ英里。不安に飲み込まれないで
不安は悪魔よ。愛を信じて受け入れるの
『神が私に贖罪を命じるのなら、あなたの意思に従います』…ウフフ…受難劇の始まりね」
ひとり微笑む英里