こんにちは。

RUNARTの田中大地です。


今回は、
「裸足ランニング(ベアフットランニング)のメリットとデメリット」
について説明していきたいと思います。

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最近、裸足ランニング用のシューズを履いているランナーをたまにみかけます。

裸足で走ることを「ベアフットランニング」と呼びますが、ベアフットランニングを推奨する団体もあります。

それらの団体がなぜベアフットランニングを推奨しているかというと、
足本来の機能を取り戻しランニングフォームが改善されることで、
ケガの発生を抑え、パフォーマンスもあげることができるから、ということのようです。


それって、ホントなんでしょうか?
それに、裸足ランって逆にケガしやすそうなんですけど。

ということで、裸足ランって実際どうなの??
という疑問にお答えしたいと思います。

今回は、主に「ケガの発生を抑える」ということについて、裸足ランニングのメリットとデメリットの両方をご紹介します。じっくりとみていきましょう。

「裸足って、いいらしいよ」
という程度の知識で、
流行っているからという理由で裸足ランをはじめてしまうと非常に危険ですので、
裸足ランニングに興味がある方はぜひじっくり読んで下さい。 



・裸足ランニング(ベアフットランニング)が普及したきっかけ


クリストファー・マクドゥーガル氏の著書、
『BORN TO RUN 走るために生まれた~ウルトラランナーVS人類最強の”走る民族” 』
がきっかけとなり、2009年頃からアメリカで裸足ランニングが流行しました。


日本では、2010年に吉野剛氏を代表として
「一般社団法人日本ベアフット・ランニング協会」が創設され、
裸足ランニングの普及活動がなされています。


・ランナーにとって裸足で走ることのメリット

米ハーバード大学の進化人類学のリーバーマン教授の研究では、裸足で走ると、関節にかかる負担が5~7割減少するとしています。

フォアフット・ランニングの提唱者で運動生理学が専門の福岡大学の田中宏暁教授は「ケガを防ぐためには前足部着地がいい」

※AERA 2013年5月6日・13日号


Lieberman et al. (2010)の研究によると、
裸足ランニングで走ることが着地衝撃を軽減するとし、
2014年にDr Jason BonacciがBritish Journal of Sports Medicineに投稿した論文では、
裸足ランニングは膝蓋大腿関節への負荷を減少させると結論づけています。


裸足で走ることによって着地衝撃を軽減させ、関節にかかる負荷が減少するようです。

そのため、ケガを防ぐことが出来るという理屈なワケですね。


裸足ランニングをすることで、カカト着地(ヒールストライク)から前足部着地(フォアフット着地)に走り方が変わるからです。
ダウンロード
 
前足部から着地することによって、衝撃吸収を効率良く行えます。


さらに、裸足で走ることで、足の接触感度が上がり、
着地衝撃に対して筋肉がスピーディに反応する結果、
足にかかる負荷を軽減することが出来るということです。



パフォーマンスに関してはどうでしょう。


Hanson, et al(2011)の研究では、
裸足で走ったグループとランニングシューズを着用して走ったグループを比較すると、
裸足で走ったグループの方が酸素消費量が2%少なかったことを報告しています。


また、 C. DivertがInternational Journal of Sports Medicine に投稿した論文では、
裸足ランニングによって力学的負荷を減少させることができ、
エネルギーの消費を抑えると結論づけています。
(Mechanical comparison of barefoot and shod running)


ただ、研究はあくまでも室内にて短時間で行われているものです。

ランニング中のエネルギーの消費を抑えるからといって、
マラソンのタイムが上がるということではありません。
(上がるかもしれませんが) 


裸足で走ると、歩幅も狭くなりますし、

長時間裸足で走るとなると、熟練者以外は足裏に痛みを伴うことが推測されます。

痛みを感じれば、必ずペースは落ちてしまいます。
 


相当熟練された裸足ランナーでなければ、

フルマラソンを裸足で走り切ることは難しいでしょう。

ここで、ベアフットランニング支持者からいろいろな声が聞こえてきそうです。
なにもマラソン本番を裸足で走ったほうがいいって言っているわけじゃないんだよ、と。

まあまあ、まずは進めていきましょう。 



ランナーにとって裸足で走ることのデメリット


初心者ランナーにとって裸足ランニングはかなり危ないです。 
いや、危ないという言い方は語弊があるかもしれません。
リスクが高い、ということですね。 


上記に色んなメリットを書きましたが、

全て、裸足ランニングによって得られる理想的なランニングフォームが出来れば、

という話です。


初心者ランナーがランニングフォームも足も出来ていない状態で、

裸足でガンガン走ってしまうとほぼ間違いなく足を痛めます。


裸足ランニングをよく理解したランナーが常にフォーム指導をしてくれ、

あなたに合った練習メニューを組んでくれるのであれば大丈夫かもしれません。


なので、そういうことが可能であるならやってみる価値はあると思います。

ですが、ほとんどのランナーはそのような状況をつくり出すことは不可能です。


また、シューズに慣れて退化してしまった現代人の足では、
裸足ランニングをするとデメリットに働くことが多いということです。


固いコンクリートやアスファルトに順応するためのステップなどを

どうしても無視してしまい、初めから長距離を走ってしまう人が多いからです。

これも海外の医師たちの間では問題になっているようです。
裸足ランニングの導入期には決して飛ばしてはならない細かな段階があるんですね。


また、ガラス片や石を踏んだりして、切り傷ができるなどのリスクは当然ありますね。 



そして、一番大きなデメリットとしては

疲労骨折を招きやすいということです。


確かに、裸足ランニングは膝や足首などへの負荷を減少させるという研究データがあります。

しかし、思わぬところに負荷をかけてしまうようです。


最も多いと言われているのが中足骨の疲労骨折です。

Barefoot running stress fractures  A theory   Joe Maller

画像の赤くなっている骨の部分です。


走る時に前足部分を使う裸足ランニングは、

中足骨に大きな負荷をかけ、疲労骨折を引き起こすケースが問題になっているようです。

中足骨の疲労骨折の大半は、着地衝撃によるものではありません。推進力を生むために足指を持ち上げることで起こる負荷が原因であると考えられます。中足骨は負荷に弱く、裸足ランニングなどのミニマリストランニングへ以降して数週間、もしくは数ヶ月後に発生します。その理由はランナーの筋肉が骨よりも早くに発達するからです。

私たちの足は従来のシューズによって過剰に守られた状態が続いていたため、中足骨が非常に未熟な状態になっているため、少しの負荷でケガをしてしまうのです。 
 (Joe Maller - 
Barefoot running stress fractures: A theoryより)


つまり、裸足ランニングに移行することによって、

急激に発達した前足部分の筋肉に骨の強度がついていけず、

骨に異常な負荷をかけてしまうことで疲労骨折を発症します。


過剰に守られ過ぎて、本来の機能性を失った現代人の足には、

裸足ランニングは負荷のかかりすぎるものでもあります。


これらを考慮すると、裸足ランニングはケガの発生率を下げる、とは一概にはいえません


確かに、関節にかかる負荷を軽減するかもしれせんが、

他の部分で問題が起こってしまうようです。

その一つが中足骨だということです。

他にも、脛骨、腓骨、舟状骨、踵骨などの疲労骨折が報告されています。 


体幹ランニングの著者である金哲彦さんも裸足ランニングは非常に有益であると認める一方、

「現代人の足は退化してしまっているし、走り方も悪くなっている人がもの凄く多い。ここまでは自分も同意します。だから裸足で走るのは現代人にはリスクが高すぎるのではないか」

という主張をしているようです。

それに対して「一般社団法人日本ベアフット・ランニング協会」代表の吉野剛氏は、このように主張しています。

「自分はだからこそ裸足で走って走りをよくするためにも、足の機能を取り戻すためにも裸足で走ればいいのではないかという話」


「金さんは一般ランナーの事を熟知しているからこそ、如何にそれが今のランナーにとって難しいのかが分かっているんだと思います。

裸足で走れなくなってしまっている事に対して、シューズを履いたまま以下に上手に走れる様にしてあげるか。
でも自分は、だからこそ身体で走り方を習得し直した方がいいと思います。
一時的なリスクは高いかもしれませんが、長い目で見れば凄く大切な事だと思います。

クッションやアーチサポートを入れて走っているのは自分から言わせてもらえば、経済で言う国債発行しているようなものだと思います。
今それで走れるんだからいいじゃんって言われそうですが。問題を先延ばしにしているだけ。

“ちゃんと”走れていれば裸足でも走れるはず。
例外な場合もありますが、99%の人は出来るはずです。

3人とも合意したのは、もしやるのであれば少しづつ取り入れる事。これは本当に重要!!!」
(吉野剛の裸足ランニング - 
Number Doに掲載されました!&裏話より) 


大事なのはここです。

「もしやるのであれば少しづつ取り入れる事。これは本当に重要!!!」

何事もメリットばかりが先攻してしまいがちですが、
本当に重要な部分を正しく理解していかなくては良いといわれているものも逆効果となり得ます。


正しい知識を持たずに闇雲にやってしまうと、

ケガを予防するためにやった裸足ランニングが

ケガを助長する結果になってしまいます。

裸足ランニングの普及活動の代表格ともいえる吉野氏が主張しているように、
裸足ランニングは適切に行われなければなりません。

つまり、少しずつ、ゆっくり裸足に移行していくということです。 


もし裸足ランニングをするなら、
以下のステップをきっちり踏んで下さい。


Competiter.com - Safely Transitioning To A Minimalist Running Shoeを参考にし、
裸足ランニングへの移行のステップをまとめました。



1.柔軟性を高める
長い間、シューズに守られてきた足は、足首周辺や足裏の筋群・関節の柔軟性が低下していることが多いです。さらに、骨配列(アライメント)も様々な要因で崩れています。
その結果、多くのランニング障害を引き起こす、過回内(オーバープロネーション)、過回外(オーバーサピネーション)の状態になっていることも多いです。

過回内、過回外についてはコチラを参照してください。
「矯正用インソールが様々なランニング障害を引き起こす過回内、過回外を改善する」

まずは、基本的でわかりやすいところから。
ふくらはぎのストレッチとリリースをしっかり行って下さい。


2.筋力を強化する

・足裏の筋肉を強化する(タオルギャザー)
ちなみに矯正用インソールを履くことによって母指外転筋が強化されたと報告する研究があります。
骨配列を矯正することによって足指を上手く使えるようになったからだと推測されます。
(
Effect of foot orthoses and short-foot exercise on the cross-sectional area of the abductor hallucis muscle in subjects with pes planus: a randomized controlled trial.)



・臀筋や体幹などを鍛える


3.着地法を身につける

ランニングフォームをしっかり見直して下さい。



4.ゆ〜〜〜っくり距離を伸ばす

初めはウォーキングからスタートする。

足が地面の感覚に慣れてきたら、
1日おきに3〜5分程度の裸足ランニングを行う。
(ミニマリストシューズを着用しても良い) 

そこから、1週間経つごとに3〜5分、
裸足ランニングの時間を増やしていく。
 
裸足ランニングがケガの発生率を抑えるというのは、
きちんとした手順を踏んだ場合の話
です。

適切な柔軟性と筋力があり、
しっかりしたランニングフォームで走ることができ、
きっちり計画通りに裸足ランニングの距離を調節出来るランナーです。 

正直、ハードル高すぎ。
これできるひとって本当にすごいですよ。

しかしこの手順をしっかりクリアすることの重要性は、
「一般社団法人日本ベアフット・ランニング協会」代表の吉野剛氏も主張している通りです。
 


また、

注意点なのですが、、、、


裸足で走ることと、

ミニマリストシューズ(裸足ランニング用シューズ)で走ることは

やはり少し違うようです。 


やはり本当の裸足ランニングの効果をえるためには、
裸足で走るべきでしょう。

しかし、前述したように急に裸足で走るのは非常に危険です。

裸足ランニングへ以降するためにミニマリストシューズを使うのであれば、効果的かもしれません。


次回は、

ミニマリストシューズ(裸足ランニング用のシューズ)について書きます。



代表木村よりコメント

僕も、チャンスがあればですが、たまに裸足ランします。
公園の芝生とかで。まあ、ほんの数分。気持ち良いな〜、と。

でも、わざわざ裸足ランをしに出掛けることはありません。
別件で出掛けたついでに天気良くて裸足気持ち良さそうだったからとか、そういうノリです。 

ランナーとして、裸足ランニングのメリットはたくさんあるだろうなと思います。
でも、実践のハードルが高すぎる。これにつきます。

だって、公園に行き、わざわざシューズとソックスを脱ぎ、手順に従い裸足で走り、
その後、またシューズ履いて帰るわけじゃないですか?
足裏汚れるしとか、前日に雨降ったら厳しいよなとか、手間&時間対効果どうなのとか、
足切ったらランできないしとか、そういうのいろいろ面倒だなとか、そう思います。

さらにパーソナルトレーナーという職業柄、
運動に関する正しい知識をしっかり理解してもらうには、
マンツーマンレッスンでなければ実際はほぼ不可能。

というか、
マンツーマンのレッスンを数ヶ月続けてようやく少し理解してもらえる程度
だという現実をこれでもかとカラダで感じているわけです。


僕にマンツーマンレッスンさせてくれるならいくらだってやりようがあるんです。
でもそのためには、場所が限定されるし時間もお金も必要だしと、これまたハードル高いと。
マンツーマンで指導できない方々にオススメすることについては、
リスクが高いと言わざるを得ない。

カラダや運動に関していえば、正しい知識ってそんなカンタンに伝えられるものじゃないんですよね。


なので自分は(今のところ)本格的にはやらないし、オススメもしません。
だって、それであなたがもし足痛めたら、

「一生、好きなことをしてもらう」

ことができなくなっちゃいますからね!!
RUNARTの理念は、「一生、好きなことをしてもらう」ですから。

でも、裸足ラン自体は好きです。大地を裸足で踏みしめる感じ大好きだし、
それがカラダに良い影響を及ぼしてくれる感じもめっちゃ感じてます。


僕としては、
 

天気の良い日に子どもと広い公園に遊びにいったときとか、
そういうときに、ちょっと自分も裸足になって遊んでみる。
そんなのがオススメです。

ちなみに、足裏のトレーニング法と走り方の動画を上でご紹介していますが、
RUNARTが最もオススメするのはこの方法です。

特にこの足裏トレーニングは、99.999%以上の日本人ランナーは知らない、
とても役立つものなのでぜひご覧ください。