こんにちは。

RUNART(ランナート)海外部門担当
田中大地です。


前回の記事「裸足ランニング(ベアフットランニング)って実際どうなの?」

はご覧いただけましたか?

裸足ランニングは2010年頃から日本に普及し始めた新しい概念ですので、

まだまだなんとなくのイメージを持っている方が多いと思います。

メリットにフォーカスすると…
 

・足裏を鍛えられる(足指を上手く使えるようになる)

・ランニングフォームが良くなる(前足部着地になる)

・ケガの発生を抑えられる(関節の負荷を軽減する)


という感じのイメージだと思います。

これらは全て真実です。 
 

しかし、デメリットはというと、、、
 

カンタンにはオススメ出来ないレベルのリスクがあるという研究結果があります。

ガラスを踏むリスクがあるとかそんなことではありません。

興味がある方はコチラを参考にしてください。

「裸足ランニング(ベアフットランニング)って実際どうなの?」


今回は、最近走っているとよく見かける

裸足ランニング用のシューズ(ミニマリストシューズ)の

「ナイキフリー」
「ビブラムファイブフィンガーズ」

について書きたいと思います。





実際、僕もナイキフリー持ってます。


買っちゃいますよ、アレは。

だってめっちゃカッコいいもん!!


しかし、ランニングシューズのみならず、
外見のみで選んでしまうのはやはりダメです。

いつの時も後悔したはずです。


そして、思う。


「やっぱ中身やん」


その通りです!

ちゃんと中身を見極めないと
正しい判断は出来ません。

外見良し、中身も良し、
それに越したことはありませんが、 
実際のところはどうなんでしょう。 


「ナイキフリー」
「ビブラムファイブフィンガーズ」

の中身を見ていきましょう。

※以下、二足を「ミニマリストシューズ」とまとめます。



・ミニマリストシューズに変えてすぐにフォームは変化しない 


検証方法

22人の上級者ランナーを3つのグループ(裸足ランニング、ミニマリストシューズ、従来のレース用シューズ)に分け、関節の伸展、屈曲(曲げ伸ばし)とエネルギー出力を調べました。


結果

ミニマリストシューズと従来のレース用シューズのグループには全く変化が見られませんでした。
しかし、それらのグループと裸足ランニングのグループには大きな変化が見られました。
中間位での膝の屈曲が少なく、伸展と外転運動は11%、シューズを履いた2つのグループと比較して24%も膝関節の非効率的な動きを減少させました。
また、着地時の接触の際に足首の背屈が少なく、最大の推進力は14%、シューズを履いた2つのグループと比較して19%も効率的な動きをしていました。

(Br J Sports Med - Running in a minimalist and lightweight shoe is not the same as running barefoot: a biomechanical study)


裸足ランニングはすぐに走り方に変化が出るようですね。

明らかに膝関節にかける負担を軽減しているようです。

従来のランニングシューズのグループと
ミニマリストシューズのグループは全く変わらなかったようです。
 

カラダの動きに変化が無いということは、当然フォームにも影響がなかったと考えられます。


さらにWilly et alの研究によると、
ナイキフリー(ミニマリストシューズ)とナイキペガサス(通常のランニングシューズ)を比較したところ、ミニマリストシューズの方が着地時の負荷が高かったようです。
また、ピッチとストライドにも変化が見られなかったとのことです。


どうやらミニマリストシューズに変えてすぐは、フォームに変化も見られないし、

着地の負荷が高くなることから、ケガの発生率が高くなるようです。


ミニマリストシューズに移行する時は注意が必要ですね。



それでは、具体的にどれぐらいケガのリスクが上がるのか見てみましょう。


・ミニマリストシューズに移行する時は非常にキケン


Ryan et al.の研究によると、
12週間の間でミニマリストシューズに移行したランナーの38%がケガを経験したようです。
(Does Risk of Injury Increase When Transitioning From a Conventional Running Shoe to a Moderately Cushioned Minimalist Running Shoe?)


そして、ビブラムファイブフィンガーズに移行するとき、どのように足に影響を与えるのかを調べた研究があります。
 

36名の熟練したランナーを対象に実験が実施されました。
ミニマリストシューズへの移行は10週間かけて行われ(移行方法は2011年時にビブラム社のウェブサイトに記載されてあった通りに行われました)、17人がミニマリストシューズへ移行するグループと19人が従来のランニングシューズを履き続けるグループです。
 

10週間後の計測で、両グループの軟部組織(アキレス腱や足底筋膜など)の負傷の度合いには違いがありませんでした。しかし、MRIで骨を検査した時に大きな違いが見られました。 

ビブラムファイブフィンガーズを履いた19人のランナーの内、2/3に「ストレス反応」または「ストレス障害」の部類に入る骨髄浮腫が見られ、2人が疲労骨折をしました。

(Foot bone marrow edema after a 10-wk transition to minimalist running shoes.)


公式サイトの指示に従って移行したにも関わらず、

10%以上の割合で疲労骨折を経験したということになります。

10週間かけてゆっくり慣らしていることも考えると、結構危ないといえます。
 

現在は、ウェブサイトに記載されている移行の方法が変わっているらしいのでこの研究結果は当てはまらない可能性がありますが、

やはり、相応のケガのリスクがあるということは否定できないでしょう。

そして、ビブラムファイブフィンガーズは、アメリカでは訴訟問題になっていました。

手袋のように5本の足の指をそれぞれ分けて履くランニングシューズを製造・販売しているビブラムUSA(株式非公開)が、5本指シューズの健康効果を誇張していたとして提訴されていた件で和解に向けて動き始めた。
ビブラムは自社製品の購入者に総額375万ドル(約3億8100万円)を支払うと提案したほか、今後は広告の中で健康効果をうたうことをやめると明言した。 (THE WALL STREET JARNAL - 靴メーカーのビブラムUSA、健康効果訴訟で和解案


日本では「対象となった誇張表現をそもそも使用していないので、返金等の対応は考えていない」としていて、そこまで話題にもなりませんでしたね。


これはあくまでも余談ですが、、、

「履くだけで痩せる」という宣伝文句で日本でもかなり売れていたされていたリーボック社の「イージートーン」なども同様に訴訟されてメーカーが返金対応をしています。
「履いて歩くだけでシェイプアップ」は嘘だった!トーニングシューズ、米国で次々と代金払い戻し


有名である
売れている
みんな知ってる
みんな使っている
どこのお店にも置いてある


上記に当てはまるからといって、
良い商品であるという証明にはならない
ということです。

実際にイージートーンはまさに上記の特徴を満たしていましたが、
メーカーが「効果はウソである」ということを正式に認めています。

僕らは無意識に
売れている=需要がある=人の役に立っている=良い商品である

というように思ってしまいますが、実際は違います。

売れている=売り方が上手いだけの可能性もあり
長期的に(たとえば10年以上)売れている=少なくとも人々の役に立っている良い商品である

でしょう。
特にシューズなど、カラダに作用するものはよく見極めて購入されることをオススメします。

さて、本題に戻ります。


・骨に骨髄浮腫や疲労骨折を起こさせる理由


1.筋肉の発達に骨がついていかないから


筋肉は早く回復する性質を持ちますが、骨は回復に時間がかかります。

その発達のギャップに骨がついていけないと考えられる説があります。


そして、中足骨、腓骨、踵骨などに疲労骨折を起こすというワケです。


くわしくはコチラ

「裸足ランニング(ベアフットランニング)って実際どうなの?」


2.骨に急な負荷がかかると適応出来ないから


M E Schweitzerと L M Whiteは12人のランナーを対象に、
足にかかる負荷を増加させると骨髄浮腫が出来るのかをMRIを使って観察しました。

2週間、ランニングシューズにパッドを入れ、片足を過回内の状態にしました。
10人のランナーの足(過回内の足のみ)に変化が見られました。
その内の2人はストレス障害の部類に入る骨髄浮腫でした。

(Does altered biomechanics cause marrow edema?)
 

※過回内は様々なランニング障害を引き起こします。

過回内などの骨配列の歪みを矯正することによって、
75.5%のランニング障害が改善されたという研究結果もあります。

くわしくはコチラ

「矯正用インソールが様々なランニング障害を引き起こす過回内・過回外を改善する」


Trappeniers et al., (2003)の研究でも、
初心者ランナーに1週間走ってもらったところ、骨髄浮腫が発見されたと報告しています。

足にかかる負担を軽減させるために、
ランニングフォームが変わるということでしたが、
足に負担がかかるとやはりケガの発生率を高めるようです。 


それでは、

短期的には、ミニマリストシューズでランニングフォームが変わらないということでしたが、

長期的には、着地時の違いについてはどうでしょう。


・長期的にミニマリストシューズを履くとランニングフォームは変わるのか?


ニューヨークベアフットランに所属する211人のランナーを対象に行った研究です。

裸足ランニングをするグループ(169人)、
ミニマリストシューズを履いてランニング(42人)

のそれぞれの走り方について調べました。


・裸足ランニングのグループ

 59.2% - フォアフット着地(前足部着地)

 20.1% - ミッドフット着地(フラット着地)

 20.7% - リアフット着地(カカト着地)


・ミニマリストシューズのグループ

 33.3% - フォアフット着地(前足部着地)

 19.1% - ミッドフット着地(フラット着地)

 47.6% - リアフット着地(カカト着地)

(Comparison of foot strike patterns of barefoot and minimally shod runners in a recreational road raceより)


・従来のシューズのグループ

 1.4% - フォアフット着地(前足部着地)

 23.7% - ミッドフット着地(フラット着地)

 74.9% - リアフット着地(カカト着地)

(『42.195kmの科学 ―マラソン「つま先着地」vs「かかと着地」』より)
 

※2004年の札幌国際ハーフマラソンにおけるエリートランナーの着地の仕方を調査した結果なので、ミニマリストシューズを履いている可能性もありますが、ほぼいないでしょう。


長期的にミニマリストシューズを履く場合は、

しっかりフォームが変わるようです。(フォアフット着地の割合比較)



しかし、上記でも話した通り、

ミニマリストシューズを着用してもコレだけのキケンがあります。


こう考えると、すぐさま裸足ランニングをするのは

デメリットが多い気がします。


この記事の冒頭の


・足裏を鍛えられる(足指を上手く使えるようになる)

・ランニングフォームが良くなる(前足部着地になる)

・ケガの発生を抑えられる(関節の負荷を軽減する)


これらのメリットは全て真実です。


だからといって、

メリットの面ばかりを主張して、

デメリットを伝えないのは誠実ではありませんね。


ベアフットランニングによってランニングフォームを良くするまでには

様々な問題を解決していかなければなりません。
 

ケガの発生が抑えられるのはある意味真実ですが、(関節の負荷を軽減するという意味で)

ある意味間違いです。(骨に負荷を増加させるという意味で)

そして、足裏を鍛えられるからこそ起こるのが、

中足骨の疲労骨折です。


メリットの裏側には隠れたデメリット存在している場合もあるんですね。


しかし、正しいステップを踏み、

見事に熟練された裸足ランナーとなった場合は相当なメリットもあるハズです。

(裸足ランニングについては、まだまだ解明されていない点が多いです)


チャレンジしてみるということであれば、慎重にいきましょう。

必ず、適切なステップを踏んでゆっくり移行していくことをオススメします。


くわしくはコチラ

「裸足ランニング(ベアフットランニング)って実際どうなの?」


正しい知識を身につけてケガを未然に防ぎ、

快適なランニングライフを送ってくださいね。



代表木村よりコメント 

裸足ランニングって、
「フツーのランニングを飽きるほどやってきたひと」が、
新しい刺激を求めてやってるっていう世界だと思います。

それを、「コレ良いし、楽しいから、やろうよ!」
と、初心者にもススメているという状況かなと。 

個人的には、
パフォーマンスアップに命賭けてるアスリートでない限り、
「裸足ランをやる必要性 」はどこにも見当たりません。

興味あるならやってみれば? の世界です。
が、そのわりにリスキー。

僕らは、あなたに
「一生、好きなことをしてもらう」
ためにこうしてブログを書いているし、 
矯正用インソールフォームソティックスを提供しています。

僕が経験したような、
「好きなことをやりたいのにカラダが痛くてできない」という
【本当に辛い最悪な日々】を送ってほしくないからです……

あなたに、あなたの人生を最大限楽しんでもらいたいんです。
それを妨げる障害を僕らが取り除きます。
(すでに辛い痛みに苦しんでる方は、このフォームソティックスを試してみてください)


ベアフットランニングがやりたい方は、ぜひやってください。
やってみたほうがいいですよ。興味があるなら。

僕もそのうち本格的にトライするかもしれません。
(6年前、ナイキフリー3.0で東京から千葉の銚子まで100km走ろうとしたことがありますが55kmくらいで足裏が痛くなり電車に乗った経験あり涙。真冬の犬吠埼の日の出、眩しかった)

そのための、正しい知識をご紹介していきます。

少しでもお役に立てたら嬉しいです。 

もしベアフットランをやるなら、
足病医が開発したこの【足裏トレーニング】は役立つことでしょう。