女性に多いとされる【外反母趾】。
約36%の女性に外反母趾の傾向が見られると言われています。

ランナーにも外反母趾の方が多く、

「内出血を起こす」
「親指の関節が痛くなる」
「幅広のシューズでないと対応できない」
「指の間が痛む」
「親指の付け根下が痛む」

などなど、
様々な症状を訴えています。

手術以外での治療方法は様々で、
「テーピング、足指の運動療法、特殊な靴下」
などが一般的に挙げられます。

しかし、症状は改善されましたか?

改善された方もいるかもしれませんが、
改善されていない方も、多くいらっしゃると思います。

その理由はこれらの治療方法が、
根本的な原因に一切アプローチしていないからです。


遺伝、ハイヒール、
女性であること(男性は少ない)が三大原因であると言われていますが、

この内の2つ「遺伝、女性であること」はどうしようもないですよね。

どちらも先天的なものです。
これらはいくら努力したところで改善することができません。

そして、「ハイヒール」についてですが、
ハイヒールは外反母趾の要因にはならないとしている報告もあります。

中国で1056人の女性を対象に行われた研究では、

遺伝であることは大きく外反母趾に関与するが、

ハイヒールを履くことは外反母趾の要因にはならないようである。

(THE FOOT AND ANKLE ONLINE JARNAL - Does Wearing High-heeled Shoe Cause Hallux Valgus? A Survey of 1,056 Chinese Females)

と報告しています。

また、ハイヒールは外反母趾の原因にはならないが、
外反母趾の進行を助長すると報告する研究も存在します。

なんと、
外反母趾は多くの場合で先天的な要因で発症してしまうようです。

それでは外反母趾は改善しないのでしょうか?


そんなことはありません。



足病学で外反母趾を引き起こす一番の原因とは

「足部の過回内=オーバープロネーション」だと言われています。



日本では外反母趾については、

扁平足や開張足、横アーチの低下など

様々な原因が指摘されています。


しかし、これら全ては足部の「過回内」と深いつながりがあります。


このメカニズムを説明すると、

足部の過回内

扁平足(土踏まずのアーチの低下)

開張足

横アーチの低下

外反母趾の発症

という構造になっています。


・・・

と言われても、

は?
過回内?
開張足?
横アーチ?

という状態ですよね。

それでは1つずつ説明していきます。

それでは足部の過回内から見ていきましょう。


足部の過回内

足部の過回内(かかいない)=オーバープロネーションとは

踵骨(カカトの骨)が内側へ異常に倒れ込む骨配列の異常のことを言います。

過回内
回内

画像のように足が「くの字」に曲がった状態です。

カカトが内側へ倒れ込むと、
当然前足も内側へ倒れ込みます。

images


すると、
前足部に内側にねじれる力が生まれ、
親指がその力を抑えようとします。

その結果、
MP関節が亜脱臼を起こし、
外反母趾が発症します。

外反母趾

これが足病医学で説明される外反母趾の構造です。

そして、
過回内が外反母趾の原因になることは、
数多くの研究で報告されています。

(Stein, 1938; Galland and Jordan, 1938; Joplin, 1950; Craigmile, 1953; Hofmann, 1905など)



また、
「過回内」を伴う場合、
ほぼイコールで「扁平足」を 伴います。
過回内

その理由は、画像を見てもらえば分かりやすいですが、
足部が内側に倒れることによって土踏まずを潰してしまうからです。

さらに、
扁平足と開張足についての関係性ですが、
非常に密接です。

そのメカニズムは上記で話した
過回内が外反母趾を起こす構造と全く同じです。

扁平足により、前足は内側にねじれ、
母指が地面に固定され内側のねじれに抵抗します。

その矛盾した動きが、

横アーチの靭帯と腱を引っぱり、

開張足を引き起こすと言われています。

(Textbook of Pediatric Osteopathy ,Churchill Livingstone ,2008 ,p343)



そして、整形外科医の渡會公治氏も、

過回内が扁平足を引き起こし、開張足につながることが、外反母趾を引き起こすと説明しています。

(帝京平成大学健康メディカル学部 理学療法学科教授、一般社団法人美立健康協会理事長)


以下は渡會公治氏がインタビューで答えた内容の引用です。

 ──内側アーチがつぶれて外反母趾が生じるという説明も多い。

 内側アーチがつぶれて、扁平足になり、かつ開張足を伴うということです。下駄を履いていた時代は、外反母趾はほとんどなく、靴を履くようになってから外反母趾が起こるようになったと言われています。かつてインドや中国でまだ靴が普及していない人々を調べたところ外反母趾はほとんどなかったという文献もあります。

──内側アーチがつぶれる原因は?

 つぶすような足の使い方、歩き方をしているからです。立つとき、しゃがむときにknee-in して回内しているし、歩くときにも knee -in & toe-out させて、過回内で歩いているからです(図 8)。 (足のアーチ 運動学、機能解剖、整形外科、靴の視点から、Sportsmedicine 2012 NO.144)


それでは、
日本で一般的に、

横アーチの低下が開張足を招くといわれていますが、

それが外反母趾を引き起こすというメカニズムについて見ていきましょう。
 
やはり、
開張足とつながりがあるということは、
過回内とも繋がっています。 

 

足にはアーチが3つあるのはご存知ですか?


・内側縦アーチ(土踏まず)A~C
・横アーチA~B
・外側縦アーチB~C

foot_arches
 


よく知っているのは、

土踏まずのアーチですよね。
 

これを内側縦アーチと呼びます。


その他2つのアーチがあり、

「横アーチA~B」「外側縦アーチB~C」と呼びます。


この3つのアーチで三角形を作り、

足はしなる動きで衝撃吸収と推進力を生み出す働きをしています。


日本ではよく、横アーチの低下こそが開張足を引き起こし、

外反母趾を招く原因であると言われています。


その構図としては、

「横アーチの低下」と「開張足」が

外反母趾の足に頻繁に見られるからです。



開張足

native-barefooter-feet

画像を見てもらえば分かる通り、

横アーチが低下し、

ペタッとした足をしていますよね?


それでは外反母趾を見てみましょう。


外反母趾
hallux_valgus

こちらにも同じく、

横アーチの低下が見られ

開張足と同じくペタっとした足になっています。


どうやら横アーチの低下が

外反母趾を招くようです。


それでは、

「横アーチの低下」とは

なぜ起こるのでしょうか?


それは「横アーチ筋」の低下だといわれています。


横アーチを支えるのに必要な主な2つの筋肉とは

「短母趾屈筋」「短趾屈筋」です。


そんなこと言われてもよくわからないですよね。


・「短母趾屈筋」

・「短趾屈筋」

12


これらは足の指を曲げる筋肉です。


この2つの筋肉をまとめて「横アーチ筋」と呼びましょう。


70%の外反母趾の足は指をしっかり曲げることが

困難な状態にあると言われています。


その理由はこの横アーチ筋が不足しているからです。


平成医療専門学院 、愛知ブレース、誠広会臨床研修センターが共同で行った研究では、

 正常な足と比べ、横アーチの低下した足には、

横アーチ筋(短母趾屈筋と短趾屈筋)の低下が見られたと報告しています。

(中足骨横アーチと足趾屈筋力との関係について)

つまり横アーチ筋を鍛えることが横アーチの機能を回復させ、

外反母趾を改善すると考えられています。


そして、

リハビリテーションセンター附属臨床研修センター、平成医療專門学院理学療法学科、平野総合病院の共同研究によって、

インソールとテーピングを使用することで、横アーチ筋が増大する

(テーピング及び足底挿板が足部内在屈筋カに及ぼす影響について)


ことを報告しています。


さらに、このようの研究もあります。
 

足病医のMitchell Daoud氏が、学生時代に行った研究です。
ランナーを3つのグループに分類し、複数の部位の筋力テストを行ったものです。


矯正用インソールがパフォーマンスを向上させる
 
この研究で矯正用インソールを着用することによって、
横アーチ筋(短母趾屈筋と短趾屈筋)が強化されることが報告されています。


そして、外反母趾の足には、「母指外転筋が低下する傾向にある」という報告がありますが、

これも、矯正用インソールによって強化されることが報告されています。
(Pun Med - Muscle imbalance in hallux valgus: an electromyographic study
(Pun Med - Effect of foot orthoses and short-foot exercise on the cross-sectional area of the abductor hallucis muscle in subjects with pes planus: a randomized controlled trial.)



それでは、なぜ矯正用インソールがこれほどまでに外反母趾に有効なのでしょう?


矯正用インソールが、外反母趾を引き起こす根本的な原因だといわれる
「過回内」を矯正する効果があるから
です。

その結果、全体的な足の骨配列が正され、
足指を上手く使えるようになり、
横アーチ筋などの筋力が増加したことが考えられます。

そして過回内の矯正は、

矯正用インソール以外での矯正は不可能(かなり難しい)であると、海外ではいわれています。

接骨院や整体院などの治療院での手技や運動療法で矯正が促される場合もあるにはありますが、
それは構造的な骨配列が原因ではなく、
筋バランスが原因で過回内を起こしている場合に限定されます。

そして、過回内の原因が構造的なものなのか、
筋バランスによるものなのかを判断・評価するのは、
専門家でもカンタンとはいえません。

仮に「筋バランスが原因」だと断言できたとしても、
その修正エクササイズは専門的かつ地味なため、セルフで行うにはハードルが高いです。


寝ている状態や座っている状態では矯正されても、
立って歩くことで重力によって元の状態に戻ってしまうから、
という構造医学上の理由によるものだそうです。

さらに、インソールにも種類があり、
外反母趾の原因といわれる
「過回内」を改善するためには、
海外の矯正用インソール(オルソティック)と呼ばれるものが必要
です。



外反母趾の痛みから完全に解放されたいということであれば、
コチラをご覧ください。
「フォームソティックス」

product1_on1

あなたが、

・過回内という言葉を聞いたことがない
・足部の骨配列改善のアプローチをしたことがない

場合、
過回内にアプローチすることで、
外反母趾が改善される可能性は高まります。 



〜〜〜追記〜〜〜

きっと、あなたはこの記事に書いてあるような話は、
はじめて耳にしたことと思います。
(RUNARTの過去の記事をご覧の方はちがいますが)

でも、それは当然のことなのです。
あなたが知識不足であるということではありません。

足病医学が存在する海外では足部の過回内にアプローチするのは当たりまえなのですが、
日本ではまだまだ、というかまったく浸透していないのが現状だからです。


なにせ、日本では治療家やトレーナー、ましてやお医者様でさえも、
「足病医学」や「矯正用インソール(オルソティック)」
についてはほとんどの方が知らない、もしくは圧倒的に知識不足なのですから。


例えば、私が都内某所の「足部」のセミナーに参加した際には、
解剖学や運動生理学にめちゃくちゃ詳しく、知識も経験も豊富な治療家の方が講師でした。

参加者も柔道整復師や鍼灸師など国家資格取得者が多かったのですが、
講師の方も含め「足病医」「オルソティック」といって意味が通じたのは
20名中1名のみ。
しかも、名前だけ知っています、というレベル……
(講師の方ではなく受講生の方)

それに、RUNART代表の木村はパーソナルトレーナーというカラダ作りの専門家でもあるので、
トレーナーやフィットネス関係者と多く接しますし、
治療家の仲間もたくさんいます。
しかし、アメリカの難関資格を取得してセミナーなども開催している有名な治療家の方ひとりを除いて、
誰ひとりとして「足病医」「オルソティック」を知っている人はいませんでした。
カラダや治療についての専門家なのに、です。


これが「足医学においては海外に比べ30年以上遅れている」といわれる日本の現状です。

それに、私のトレーナーとしてのクライアントにあるお医者様がいらっしゃいまして、
その方は外科の世界で日本の権威的存在なのです。
その方ですら、「ポダイアトリスト(足病医)」や「オルソティック」のことは知りませんでした。
(もちろん、解剖学や医学的な分野については僕の何万倍も熟知しておられます) 
 
なので、あなたが知らないのもムリはありません。

でも、繰り返しますが、これは海外では「当たり前」の知識なのです。
日本が遅れているだけです。

あなたにはぜひ、最先端の、本当に役に立つ知識を身につけてほしい。
そんな想いで、この記事を書いています。 

休んでください
ストレッチしてください
冷やして(温めて)ください
私が手技で治します

だけしかいえない、できない治療家は残念ながら、
あなたの足を最速かつ最良の方法で改善するためには知識が足りていません。

この記事を、ひとつの指標としていただくことをオススメします。 


ちなみに、この過回内の左足。
IMG_8648


 
フォームソティックスに乗ると……
IMG_8663


過回内が改善されます。
倒れ込みがなくなり、ほぼ真っ直ぐになりましたよね?

これが、矯正用インソールであるフォームソティックスの矯正効果です。