2005年05月30日
05/28 @木屋町EAST Joy, One River, Zymotics, Liquid Screen, Outnauts

さて、肝心のJoyですが、彼らのアルバム『JOYは危険予知。』の延長のようなライブだった気がします。このアルバムを初めて聴いた時、いの一番に耳に入ったのは紛れもなくそのロックンロールサウンドだったわけですが、聴けば聴くほどにそのディティールの凝り具合が滲み出てくるかのような感覚をもちました。鰻の寝床のように深部へと踏み込んでいく曲展開、弦を強く擦り上げていく音、摩訶不思議に飛び出すエフェクト音などなど。ありったけのダイナミズムの裏側にあったのは、実は偏執的なセンスが生み出す精密機械のような構造であり、それが彼らの作品を単なるロックンロールアルバム以上に仕上げていたように思います。
ライブはまず、アルバムの1曲目から3曲目までを続けて演奏し、その後はアルバム内の曲をランダムに演奏していました。アルバム内で飛び交っていた素っ頓狂なエフェクトを完全に再現しつつ、演奏はガッツリキメまくりなロックンロール。中央のギターボーカルの人(Man Friday, Spraypaintのメンバーでもある)は、ユーモア溢れるアクションを交えながら鋭い視線でフロアを貫通。途中、ギターアンプから音が出なくなるアクシデントがありましたが、最後はそのギターボーカルの人がドラムに飛び込んで終演。また近いうちにぜひとも見たいです。
2005年05月23日
05/22 @河原町今出川Studio Sioux Diary Tree, Yarmulke, Scroll → @京都WHOOPEE'S 赤犬, ガルペプシ, ECD, Nice View

セッティングが終わり、約1年ぶりに復活のYarmulkeを。2本のギターが絡む静かな曲がいつの間にか始まり、そして一気に激パートへ。前に見た時(おそらく1年半以上前)は、Envyの一フォロワーにしか見えなかったが、そんな先入観もブランクも吹き飛ばす激情劇場。ああいう狭い空間の特殊性を差し引いても、余裕で強烈な印象を残すライブだった。Yaphet Kottoあたりを彷彿とさせるコード感も僕は好き。
続いて、今日でドラマーが抜けてしまうDiary Tree(写真)。もう盤石のライブと言うかなんと言うか。たしかに諸所に危うい箇所はあるのだけれど、彼らがずっと積み上げてきたものをそのまま披露しきったライブ。これから、さらに成熟していく所だと思うし、早いところ新しいドラマーが見つかることを願う。
7時半ぐらいにスタジオライブは終わり、足早へウーピーズに向かう。今日の一番の目当てのNice Viewは8時半頃から始まると聞いていたので、まだ余裕だろうと思って階段を降りて行ったら、明らかにファストなドラムが聴こえてくる。マジでか。慌てて扉を開けると、ちょうど本編が終わるところで、お客さんがアンコールを求めているところだった。マジでか。幸い、彼らはアンコールに応え、ひたすら同じリフを繰り返すあの曲を披露。10分以上弾きまくり叩きまくりの構図に興奮するが、やはり残念無念。でも、また機会はあるだろうし、その時にゆっくり見よう。
続いてECD。が、この頃になると疲労がこみ上げてきて、もはや立って見る気力もない状態。音楽自体も、強大な破裂音や、レコードを割る、ターンテーブルを持ち上げるといったパフォーマンス自体もほとんど楽しめなかった。と言うか、実際的には僕とヒップホップとの距離感が露骨に露呈した時間だったのかもしれない。いまいち、どうやってこういう音楽を体感したらいいのかわからない。もしかしたら、いずれこの溝を埋めるのがECDなのかもしれないけれど。
そんなこんなで、ECDが終わった後、このまま家に帰ろうかと思ったのだが、何とか粘って見た最後の赤犬で、僕はすさまじい衝撃を受ける。あの狭いステージに13人もの人間が上がり、とにかくハチャメチャな、そして様式から激しく逸脱した音楽は、僕を大いに刺激した。スタイル的にはジャンルによって細分化されてしまった音楽を、喜怒哀楽とショーマンシップによって再縫合する、といった感じなのかもしれないけれど、とにかくどこに目をやったらいいのかわからなくなるほど猥雑で満ち満ちたライブだった。
あとは、メインボーカルの人の歌い方がやけにハードコアっぽくて、あとで気になってHPを見てみたら、「初期は初期衝動溢れる変態ハードコアジャンク」をやっていたという記述があり、ますます魅かれるばかり。今の音楽性は決して様式化されたそれとはまったく異なるが、あの雑踏の中にはどこかそんな研ぎ澄まされた感性を感じたりした。問答無用に今年のベストライブ候補。
2005年05月19日
日曜貴族

東京つながりでいくと、同じく帰郷した際に僕も見に行ったKillie(写真)のスタジオライブの映像も彼らのHPにアップされています。すごくリラックスした感じの空間ではありましたが、ライブは映像通りすごいテンションでした。興味がある人はぜひ!
2005年05月15日
05/15 @木屋町EAST Idea Of A Joke, Bad Dirty Hate, dOPPO, Scroll

トップはそのScroll。今までに出たデモの曲と、それ以外にも知らない曲を何曲か。どこにも落ち着かないような奔放さは、すなわちアヴァンギャルドな指向性に直結するのだけれど、同時にひどく孤独である。笑えるようで、実はものすごく冷えている。ちなみに彼らは、今度の日曜に行なわれるスタジオライブ以降、活動ペースを落とすようだ。もし、少しでも興味があれば足を運んでみては、と思う(この日は久方ぶりにYarmulkeが復活する日でもある)。
続いてdOPPO(写真)。一週間ほど前にも、スタジオライブで彼らのライブは見ているけれど、以前よりだいぶ音が変わってきている。デモに収録されている曲はかなり荒々しくアレンジし直されているし、逆にしっかりとメロディを歌うようなポップな曲も増えている。以前から際立っていたユーモア溢れるステージングは激しさを増し、初めて見る人には異物にしか映らないのかもしれないけれど、明らかに彼らの存在感は増してきていると思う。数日後(正確には明日)には東京でのライブが控えているし、そろそろ彼らに対するリアクションが聞こえてきてもおかしくない。
10分ぐらいで終わってしまったファストなBad Dirty Hateを挟んで、ラストはお待ちかねのIdea Of A Joke。とにかくギターの音がでかすぎて、音の多重構造なんてまったくわからなかったけれど、やっぱりそんなものの関係なしに彼らのパッションは発散する。もちろん、僕の体だって揺れないわけがない。言葉にするだけ陳腐になる、素晴らしいライブ。
2005年05月04日
04/30 @神戸BLUE PORT Revival Sleep. 男坂(未完), Dip Leg, Butch, クッダチクレロ, Forget Me Not, Lihica, Nitro Mega Prayer

とりあえず、ライブハウスに入るとNitro Mega Prayerの演奏が始まっているところで、バタバタしていたらあっという間に終わってしまいました。楽しみにしていたのに残念。
この日出たバンドの中では福岡のButchと岡山のDip Legが印象的でした。福岡のButch(写真)はある意味王道的なダンサンプルロックと言えるのかもしれませんが、シンプルな4つ打ちリズムにスプリングリヴァーブがかかったギター、そしてパワフルな歌声といった感じで、耳で感じている以上に身体を刺激。
また、岡山のDip LegもCDが軽く霞むぐらいに素晴らしいライブ。正直、去年出たアルバムは高音ボイスばかりに耳がいってしまって、全体としての面白みを感じられなかったんですが、ライブはテンションや音の混ざり具合もあって、かなりよかったと思います。ちなみに、年末から来年にかけて岡山のPost Crownとのスプリットが出るようで、新曲も2曲演奏していました。
他のバンドでは、Lihicaは見るたびに印象がちがいます。この日はサンディエゴ臭やポップ感が強かったような。クッダチクレロはあいかわらず何をやっているのかわからない(笑)。男坂(未完)はmid 90'sを感じさせるハードコアで、普通にカッコいいし笑いも最高です。
と、こんな感じのイベントでしたが、とりあえずお客さんは少なかったです。土曜日で、しかも8バンドも出演したのに、2、30人のお客さんってのは寂しいです。たしかにあんまり告知は見かけませんでしたが、もっと人が入ってもおかしくないよなぁと思いつつ、僕はライブハウスを後にしました。
2005年05月02日
あなおそろしや、神戸

HARD CORE KITCHENにて
Assfactor 4 / St (12inch - Old Gloyy)
Orchid + Combat Wounded Vetrain / Split (6inch - Clean Plate)
Ordination Of Aaron / St (7inch - Bloodlink)
物販にて
1000Travels Of Jawarlal + Aghast / Split (10inch - Trece Grabaciones)
The Because / Demo (Tape - Self)
EOL #9 (Fanzine - 遊動社)
Dip Leg / パッチ×2
吉武くんから
Off Minor + St Albans Kids / Split (7inch - Kickstart My Heart + Appliances & Cars)
OrchidとCombat Wounded Vetrainのスプリットは、とりあえずイカついスカルジャケットに包まれた紫色の6インチが眩しすぎで購入。ってか、初めて6インチを見ました(実はこれを手に入れた数時間後には、ドイツのShokeiというバンドの5インチを目にするのだけれど)。Orchidはみんな知っていると思うので書きませんが、Combat Wounded Vetrainはカオティックというよりはファストコアという感じの音です。どうやらFrodusのドラマーがいるようで、No Ideaから42曲入りの編集盤が出ているようですね。でも、「早い」「短い」としか言いようがありません(笑)。
Ordination Of Aaronは、偶然手が引っかかった「Pop Punk」のコーナーに紛れてました。神がかってるぞ、これは(笑)。たぶん、彼らの音源の中では最初期のものなんだと思いますが、そのせいか音はその後に比べてかなり荒い気がします。中には、メンバー一人一人の主張/メッセージが書かれたブックレットが入ってます。あと、今さら気づきましたが、このバンドのドラマーは女性のようですね。
ちなみに僕は、このバンドの作品をコンプリートしようと思っていて、あとはInchwormから出ている『Acoustic』と呼ばれる7インチとディスコグラフィでそれは達成できそうな気がしています。ただ、他にもコンピにいっぱい参加していると思われるので、もし誰か情報を持っていたら下さい。ちなみに僕が持っているOOA関連作品は、
・Immersion in a 90 mph world (単独 - Council)
・Indian Summerとのスプリット (Inchworm)
・All the president's men (コンピ - Old Glory)
・Amnesia (コンピ - Ebullition)
・We're lost beauty (コンピ - File13)
です。
あと、コンプリートと言えば、You And Iの2ndアルバム『Within the Flame』も探しています。もし、ここに売っているなんて情報があったら教えて下さい。You And Iはこれさえ揃えば完成なはずなので。
物販で買った1000Travels Of JawarlalとAghastのスプリットは、あまりにもジャケットが秀逸すぎて即買いでした。たしかCD盤は赤いジャケットだったと思いますが、10インチはピンクの背景に巨大なタコの足が描かれているジャケットで、かなり刺激的です。肝心の中身では、僕はAghastにやられました。音はジャワに奥行きを付けたような感じでもありますが、シンガロングできそうなメロディだとか、ツインギターのハモリだとか、とにかく僕の中ではフランス最前線であります。ちなみにホワイト盤。
まったく話は変わりますが、今京都駅前にある近鉄プラッツで中古CD・レコード市をやっています。先日、偶然足を運んだらやっているのに気づいたのですが、今回は名古屋(?)のNGOO RECORDSも出店していたりするので、Ebullitionの『XXX』コンピだとか、Food Not Bobmsのコンピだとか、Nitro Mega Prayerだとか、Bathtub Shitterだとか、結構濃いものがいっぱい売られてます。お暇ならぜひ(→実は今日まででした)。