2005年02月04日
Mustaphamond / St(7inch)

日本での知名度はほぼゼロに近いと思われるアメリカはポートランドのMustaphamondの2曲入り7インチ。一応、ここでその収録曲「It's opposite day I love you」が聴けるので、もしあなたがブロードバンド環境にいるのであれば、それを聴きながらこれを読んでいただけると幸い。
このバンドの魅力は、なんといってもそのカオティック具合にある。基調となっているのは、いわゆる激情的なギターリフとボーカルスタイルなのだが、崩壊寸前のギリギリさを逆に楽しんでいるかのような「押し」と「引き」の駆け引きはかなり独創的だ。特に「It's opposite day I love you」の歌が入るところまでの展開には、偏執的なまでのこだわりを感じる。おそらく、ここまで「引き」の部分を活かせるバンドはあまりいないのではないだろうか。タイプ的には全く異なるものの、From Monument To Massesがもっていた「重装備のようで軽装備なサウンド」なんかを感じる人も少なくないかもしれない。もちろん、激情全開な部分も十分すぎるほどかっこいいし、あまりにもシンプルな「days pass like minutes...weeks pass like days...years pass like seconds」なんて歌詞も、典型的なダメ学生の僕にはがんがん響く。
ちなみに、2004年中にLaChanceというバンドとのスプリット、そしてフルアルバムがリリースされる予定だったが、しばらく活動を休んでいたようで未だリリースはされていない。しかし、この2月から活動を再開する模様で、俄然楽しみである。500枚限定クリアブルー盤。ジャケットも秀逸(特にその作り)。
2004年09月03日
THE MUFFS / HAPPY BIRTHDAY TO ME

昼下がりの緩やかな陽気に誘われて窓枠から覗いた芝生のグリーンの向こうには、きっとこのTHE MUFFSの歌が流れているに違いない。THE MUFFSの紅一点キムが歌う、変わることのない毎日と、そこに生きる「あなた」と「私」の尽きぬ想いと愚痴。一聴しただけで、その純情可憐な歌詞と、悪意たっぷりでイタズラするようなしゃがれまくりの叫び声との不思議な相関関係から逃れられなくなる。
このアルバム発売後、ワーナーから契約を打ち切られ、Fat Wreck傘下のレーベルに移籍するも、頑なに自分たちはパンクバンドではないことを主張し、どこのシーンにも属さない孤立無援のポップトリオ97年の名盤3rd!
2004年08月09日
JEN WOOD / ST

ライブでの印象そのままに繊細で、でも伏し目がちにでもしっかり明日を見つめているような、そんな歌声が満ちた4曲入りのEP。非常にシンプルな構成でありながら、時折重なってくるコーラスが、儚さ、寂寞をより一層深め、どっぷりと世界に浸かってしまう。Pinbackなんかに通じるような手ざわり感もあり。
THE RUM DIARY / POISONS THAT SAVE LIVES

some of usのrecommendで見て気になっていたので購入してみたんですが、引き合いに出されていたようにPINBACKなんかとリンクするような作品です。特に、声の伸び具合なんかはかなり似てますね。ただ、PINBACKのような完成されたポップアルバムというよりは、ガッツリくるディストーションギターであったり、マンチェスターを感じさせるリヴァーブのかかり具合であったりと、シンプルなメロディライン+αなヴァラエティに富んだロックアルバムという感じです。無理を承知で言えば、(初期BLUR+KINSKI)÷PINBACK。これでさらにキラーチューンがあれば言うことなしなんですが、その辺はちと弱いですね。ちなみに、昨年の10月にはサンフランシスコでeastern youthと対バンしていたようです、今年のSXSWにも出演するみたいですよ。