2005年11月26日

丁寧なくらし

愛媛の母が半身不随になって2年。
遠く離れてなかなか会えなかった母に久しぶりに会いに帰っています。

体も動かず、耳も遠く、目もあまり見えていない母ですが、私を見るなり

「ちいちゃんで?」とすぐにわかってくれました。

倒れて以来、感情をつかさどる脳に損傷をうけてしまい、笑顔が出なくなってしまった母ですが、きょうはほんとうに久しぶりに笑顔を見ることが出来ました。

主の居なくなった実家では、母の愛用のお財布が水屋の引き出しに入っています。ほがらかで、強くて、ちっちゃくて、可愛い人でした。
そして何より、けっして出来がよくなかった私のことを愛してくれた母でした。

エアポケットのように手に入った「仕事から離れた一日」、ゆっくり夕飯の買い物をしました。まだ日が高いうちにこんなにじっくり日常の買い物をする時間をなくしてしまってどれくらいになるだろう。

日ごろは時間に追われて磨り減るような毎日。

老いて病んだ母に会いに来ることもせず、もうまもなく私を必要としなくなる子供達の二度と帰ってこない成長の日々を抱きしめることもせず、私は何をしているんだろう。

家族の住むまちで、自分らしく、人の役に立ち、そして、自分の身の丈に合った仕事をしたい…
そう思って、今の仕事を始めたのではなかったのか。

洗いざらしの生成りの木綿みたいな、手触りの良い、あたたかみのある時間を丁寧に紡ぎたい。

そんなことを思いながら、冬の初めの透明な晴天のした、歩きました。

 



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