雪燐置き場(R系)

こちらはサイト「ながれ星こぼれ星・蜜屋」の小説・漫画置き場です。R18有(閲覧注意) http://www2.wbs.ne.jp/~p-hoshi/

悪魔のお嫁入り5

  • December 21, 2012
塾が終わり寮に帰って夕飯の準備をしている頃に雪男が食堂に入って来た。
昼間言った通りに今日は残業しないで帰って来てくれた。
「おっおかえり、早かったな」
「今日は早く帰るって言っただろ?」
雪男は既に部屋着に着替えていて、キッチンの奥にいる俺の傍までやって来た。
「あ、悪りぃ……飯まだ出来てねぇんだ。こんな早いなんて思ってなかったからさ」
「良いよ、手伝おうか?」
ピットリと真横まで来られて、野菜を切る手元が落ち着かない。
俺は動揺を隠そうと包丁を雪男の顔面近くに上げて上目遣いに言った。
「うえっ!い、いいよぉ!だっ旦那さまは大人しく座って待ってろって!」
「えっ!旦那さまって言ってくれるんだ?嬉しいな」
「嬉しいのか?」
「うん。本当に結婚したみたいだよ……」
目を細めて笑う雪男に一瞬息が止まってた。
その表情に目を奪われながら、進み出した呼吸につられて動悸が激しくなってくる。
「あ、あのな……」
「何?」
「今日、昼休みに勝呂がな……」
「勝呂君?」
「あいつ、お前は前から俺の事好きなんじゃねぇかって……変な事言うよな、」
「……まあ、事情を知ったとしても他人からはそう見えるのかもしれないな、ただの兄弟なのに」
「そっそうだよなぁ、はあ~なんだ……」
雪男の言葉に手にしていた包丁をまな板に置いた。
「何?他に何か言ってたのか?」
「違うよ。俺、何かドキドキしちまってたみたいだ。だったら良いなって、そんな訳ねぇのにな」
自分で言った言葉に胸が締め付けられる。ショックを受けたのだと分かった。
「……兄さん」
ふいに後ろから雪男に抱きしめられた胸の前で交差する太く逞しい腕に心臓が飛び上がった。
逸る動悸を聞かれまいと雪男の腕を掴んで剥がそうとする。
「なっ、やめっ!そうじゃないならこんな事すんなよ!」
「忘れたの?監視……!」
「あ……!」
言われてしぶしぶ腕の中に捕らえられる。
「兄さん、僕は兄さんを処刑にだけは絶対させない。父さんともずっと考えて来たんだ。
兄さんが自由に人間らしく生きていく為にはどうすれは良いか……」
「雪男……」
「僕が兄さんを自由にするよ……」
ゆっくりと雪男の顔が近づいて来ている。はっと気付いた時には口づけられていた。
思ったよりも柔らかい雪男の唇の感触に頭の中が熱くなってくる。


なんで雪男はキスだけは本当にしてくるんだろ……
結婚もHもイチャイチャするのも全部フリなのに……

なんでキスだけ……

ただの兄弟はこんな事しないのに……!



「やっ、やめろよ!」
俺は手で雪男の胸板を押し上げて雪男の身体を放した。
「えっ……」
雪男は押された体に驚いた顔をする。
「ただのフリなら、きっ、キスだってするフリだけでいいだろ?なんで本当にすんだよっ!」
「…………キスなら物理的には唇を当ててるだけだし、特に問題ないだろうと思ったんだよ。
嫌だった?」
「嫌に決まってるだろ、」
「そうか、分かったじゃあキスもフリだけにするよ」
雪男は素早く俺の肩を掴んで身体を強引に振り向かせた。
「あ……まっ!………………」
雪男の顔を真正面で見ると腕に力が入らない。両腕を強く腰に回されて抱きしめられてた。
雪男の胸元に添えただけの俺の両手が小さく震えてる。
もう雪男の顔が目の前にある。
唇が当るすれすれで止まった。
「……………………」

雪男の息を感じて、息を止めた。
「…………兄さん……」
「あっ…………」
雪男に名を呼ばれると同時に頬に口づけられた。直ぐに動く唇は瞼におでこへとぐるぐる
移動していく。
「兄さん……兄さん……」
「あっ、や、ゆき……お…………」
もう雪男を押し返す力が入らない。目をぎゅっと瞑って終わるのを待つしかなかった。

雪男の息遣いが直に感じて、つられて溜め息のような声が飛び出た。
ふいに顔を放した雪男と視線が重なる。
「…………」

雪男が……
雪男が実は俺の事ずっと好きだったってなら良かったのに……
だったら別にキスくらいしたって、俺、いいのに……

雪男は俺の事、兄弟としか思ってないんなら
キスは駄目だろ……




「兄さん、夕食は後でいいから部屋に戻ろう」
「えっ?は?」
「したい、しよう!」
「えっと、何をだよ?」
「…………セックス」
言うと雪男は俺を軽々と抱き上げ歩き出した。バランスの不安定さに思わず雪男の首にしがみ
付いてつかまる。
「ええっ!!わあっ!雪男っ!」
早足な速度は気付くと食堂を出ていて階段を上り出してる。
「ちょっ、雪男!マジかよっ!!」
「盛り上がったら即行動!新婚夫婦の正しい生活だよ!」
「おいっ!!」
「あはは!」

部屋に入ると雪男のベットの上に降ろされた。エプロン姿のままここに連れて来られた自分を
改めてリアルに感じて顔が熱くなった。
焦ってエプロンを引っ張ると雪男が上から圧し掛かってくる。
「大丈夫だよ。フリだけ、なんかそんな気分になっちゃったんだ」
「フリだけって……」
引っ張っていたエプロンを首から外された。トレーナーから順番に服を脱がされて、青い無地の
トランクス一枚の姿を雪男に晒す。
もう、昨日真っ裸も、アソコも全部見られちまったから。もう、どうでもいいんだけどな。
雪男もニットを脱ぎ上げるとシャツのボタンを外し始める。
「触るフリだけ、実際には触ったり乱暴したりしないからさ」
「なあ、そのフリってさ……こっちは触られるフリしなきゃなんねぇんだぞ、結構キツイっつーか……
その……」
「何?」
シャツを放り投げた雪男が真正面に振り向いた。
「触るくらい別にいいぜ、本当にHする訳じゃねぇしな」
「えっ!…………」
「お前もその方がやりやすいだろ?」
「…………そう……じゃあそうさせてもらうよ」
そっと頬を撫でられた。その心地よさに目を閉じた。







「っう!んっ…………っ!!」
なんだ…………

「っあ!!…………」
身体が……

ぐっと全身に力を込めて堪えた。しっかりと口をつぐんでいないと変な声が漏れ出てきそうだった。
雪男が俺の身体に触れている。それだけなのに!
全身を粟立たせる感覚に気を抜けば震え出しそうだった。
雪男に見られない様に両手を身体で隠しながらシーツに掴んだ。何かにつかまっていないと堪え続けられない。
「兄さん……」
雪男は俺の身体を横抱きにする様に片手で俺の身体を上へ下へと撫で回しながら、さっきと同じ様に顔中にキスを降らせてくる。
「ふっ……ん!!」
「はあ、っと」
顔を上げた雪男が上体を上げた膝で身体を跨がれて上から見下ろされる形になった。
俺は思わず顔を背ける。
「分かってるよ。気持ち良いんだろ?」
「っう!!ちがっ!……そんな事ねぇよっ!?」
「ムキにならないでよ。悪魔の本能だから仕方ないさ……」

雪男の両手が動いた。俺はシーツをつかんだままだったからその手を止める事も振り払う事も出来なかった。
「ふあっ!あっあっ!!……やあっ!雪男っ!?」
その両手は俺の胸を擦って撫で回す。くるくると両手で撫で回されて、俺の背中がまるで陸に上げられた魚のように何度も跳ねた。
雪男の厚く堅い手の平がフッっと胸の先を掠める度に腰に電流のような甘い痺れが落ちてくる。
「あっ……雪……やっやだぁ~!」
「何?ここかな?」
「ひやぁああ!!や、やめ……ろ……」
両の中指で胸の先を転がされた。ぐっと口を結んでいた顔の筋肉がほどけていく。
ズクズクと下半身に沸き立つそれを、俺は認めるしかなかった。
快感。




気持ち良い……
頭の先から足の先まで痺れるくらいに気持ち良かった
「あっ……あは……あん…………」
「はあ……兄さん可愛い。可愛いよ……」
「はうっ!……はっ!ハァ、ぁぁあああん……やあっ!」
言われた言葉に全身がとろけた。
だらしなく広げた両手は力なく指の先にまで届く甘い痺れを感じている。
太腿をピッタリと合わせて堪えていた又も広げ、腰が勝手にくねり始めた。
「あっ、あっ!……ふぇ…………やだぁ……」
「泣かないで、大丈夫だから」
雪男が俺のトランクスに手を掛けた。脱がされる!思った時には遅かった。
トランクスは直ぐにもずるりと俺の両足を抜けて行ってしまった。無地の生地には色の濃い染み後が雪男の手の上から
見えて、真っ裸も加わり恥ずかしさで両手で顔を覆った。
「やだ、やだぁ……もうやだぁ!」
「ここまでなっちゃったら、もう止められないのは兄さんだろ?ほら、」
「えっ!」
雪男に右手を掴まれて顔から手を放された。
「雪男……?」
その手を下の方へ導かれる。
「僕は触ってあげる事は出来ないから……自分でするんだ……」
「はあ?……あっ、何?……」
「いいから、股間を自分で触るんだよ。その内解かる」
「やっ、やだ!」
「嫌でも触るんだよ。さあ!」
「っう…………」
無理矢理あそこを掴まされた。目に涙が滲んでくると、雪男はそっと瞼にキスしてきた。
「大丈夫。男なら誰だって普通にしてる事だよ、少しは知ってるだろ?」
「雪男も?……」
「僕もだよ、ほら、手を動かして」
雪男はまたさっきと同じように片手で俺の肩を撫でると順に腕へと撫で擦っていく。
「はあっ!あ……」
雪男が手を動かすとつられて俺の右手が動き出す。
「ああっ……はあん……あっあっ!」
ちょっとの間で何をすればいいのか分かってしまった。手の平に収まるそれをあらゆる方向から
何度も捏ねた。
「いいよ、そう、」
「はあっ、はあ、……はあ……」
顔中に降らされるキスに酔いそうだった。雪男から贈られるキスを感じようと夢中になってしだいに右手の動きが止まる。
雪男の体温を肌で感じる安心感に目を瞑っていた。
「ゆき、お……」
そっと右手が股間から放れて横たわった。
「どうしたの?まだ終わってないよ?」
「疲れた。もういいよ……」
「えっ!だって、こんな……辛いだろ?」
「うん……なんかジンジンするけど、手動かす度に頭ボーっとするし、力抜けてくるし、
上手く動かせねぇ。もういいよ」
「えっと……だけど……」
困った顔をする雪男に期待して、俺は雪男の右手を空いた手で掴んだ。
「なあ、ここ、もっかい触って……そしたらもっかいやってみる」
「え……うん……」
するりと胸をひと撫でされれば直ぐにも身体の奥から火が燈った。合わせてもう一度右手を添えてみる。
「あ……はあ……雪男もっと、両方ぉ……」
「えっ、っ……こうか?……」
雪男は体を起こして両手で優しく撫でてくれた。
「うん、うん、はあ……あ……」
「兄さん、ちゃんと手を動かして、」
「あ……なあ、そこも触って……ふぁ……ん……」
「…………ここ?……」
雪男は両中指でそっと胸の先を触れてくれた。クリクリと僅かな指の動きで電流が走る。
「ヒィウ!、ンッ!……アァ、ああん…………」
ズクズクと快感が身体中を襲って来る。ただ雪男のしてくれるままに顔も身体も緩んで、とろけて、
感じるままに声を上げ、腰をくねらせてた。
もう恥ずかしさは何処かに飛んでってしまった。
「兄さん……ああ、もう僕……はあ…………」
「ゆ……きお……はあ……」
雪男が体を屈めて顔を胸元に寄せられた時、
「ハッア!……ヒィ!何?……やああああ!」
雪男に胸の先を舐められてる!頭で解かったのはそれだけ、後はもう……


気持ちいい……
気持ちいい……なんだこれ!……
「あ、雪男っ……アウ、ヒウンッ!」
「………………」
ピチャと雪男の口元から水音が鳴る。
雪男は片方を舐めながらもう片方も指の腹でスリスリと撫でてくれる。
手にあるそれが勝手に震えている。雪男が舌を動かす度に変な水が出てきて、手の平も太腿もぐしょぐしょになった。
「あ、あー…………ゆきお……フウッ!なんか……ッ!ん!ん!ふうん!」
「………………」
「ふあっ!ふああああ!…………」
短い呼吸の後、全身を引き攣らせて瞬間を感じた。
そして真っ暗になった。











「はっ!」
目を覚ますともう朝だった。窓からの光が明るい。
身体を起こせば自分のベッドで雪男の寝巻きを着せられて寝ていたのだと解かった。
何だろう?身体を動かすだけでスゲーだるい。
「!あれ、雪男?……」
部屋を見渡しても雪男の姿が無かった。
『おはよーう!りん!きょうは、がっこうおやすみするのか?』
ベッドの端で丸くなってたクロが俺の近くにやって来た。
ん?なんか聞いた事あるセリフだな……?

「はっ!クロ!雪男、雪男は?」
『ゆきおは、しごといくって、りんは、ねてていいっていってたぞ!』
「何だよそれっ!あいつ、まだ俺に隠してる事があんのかっ!」
俺はベッドから出るとだるい身体を押して制服に着替えた。
腕が思うように上らない。体調が悪い日なんて今までなかった。

なんか原因があるとしたら、やっぱり昨日の……
なんであんな事になったんだっけ?

俺達は監視されてて、夫婦のフリしなきゃならなくて、
でも本当は夫婦じゃなくて、使い魔で……

イチャイチャも本当はしなくて良くて……



雪男……


雪男が、したいって言ったから……!


「雪男……」
着替え終わると鍵を取り出した。
塾の鍵、俺が持ってるのはこれだけだ。
シュラに!シュラに言おう!何か知ってるかもしれねぇ。


ドアを開けて塾校舎に入った。
「燐!やっと来たか!」
中に入れば教室前の廊下に出る、そこにはシュラが立っていた。
「シュラ、なあ雪男が、」
「早く来い!行っちまう!お前が来るまで待っててもらってるんだからな!」
シュラは俺の腕を掴むと強引に走り出した。
「はあ?何が!行くって……誰がだよっ!」
「知らねぇのかっ!雪男だよっ!あいつ、あたしにまで隠してやがった!」
シュラの言葉に心臓が飛び上がった。
雪男が……何だって?……

「雪男は今日ヴァチカンに出向する。お前の処刑を取り下げる代わりに雪男がヴァチカン勤務で
修行する。それが条件だったらしい」
「条件って、えっ?」
「上は雪男にお前と無理矢理に使い魔の契約をさせた上で将来最強の祓魔師にさせるつもりだったんだ!パラディンになるんだとよっ!」
「はっ、はあっ!!」
「サタンの力を持つ悪魔を使い魔にするパラディンか……確かに最強だよっ!」
猛スピードで走るシュラを、全力で追いかけた。だるくて、いつも通りに動けなくて、途中遅いと怒鳴られた。
真っ暗いホールを飛び降りると巨大な門の前に雪男と数人の祓魔師、メフィストもいた。
シュラはそのままに一人前に出て声を上げる。

「あ、雪男、おっお前っ!何で、こんな大事な事、隠してやがった!」
「……言って何になるんだ?こうなる事は昔から予想してたし、神父さんに着いてヴァチカンにも
行った事がある。大した事じゃないよ」
「……俺のせいで……」
「僕だってパラディンにはなりたいんだよ。神父さんの様にね……」
「あ……」
「兄さんはシュラさんの言う事を聞いて、大人しく、慎ましく、生活するんだ。いいね」
周りの祓魔師達がざわつきだした。その中の一人がでっかい鍵を門に挿し込む。
「おっおい!……ちょ、嘘だろっ!」
「じゃあ、行ってくるよ」
数人の祓魔師で正面を押すと地響きのような音を上げて門が開いた。人一人通れる程の隙間が
開いたところで雪男が一人入って行く。
直ぐにも門が閉じた。
「雪男……」
「あいつ、本気でお前を守る気だったんだな……」
真横に来ていたシュラが肩に手を置いてくる。
「っ…………」
「まあ、これ以上あいつに心配かけないように真面目に生活しろって事だな。……って、泣くなよ、
あたしも着いてるって、」
「ゥ…………」
ポタリと目から勝手に涙が出てきた。手の甲に落ちた涙を眺めて悲しい事だと思った。


雪男……





兄さん……

僕は兄さんを処刑にだけは絶対させない。

父さんともずっと考えて来たんだ。
兄さんが自由に人間らしく生きていく為にはどうすれは良いか……




『僕が兄さんを自由にするよ……』


















つづく
  • Posted by 蜜星ルネ
  • 09:52 | Edit
記事検索
  • ライブドアブログ
雪燐置き場(R系)