雪燐置き場(R系)

こちらはサイト「ながれ星こぼれ星・蜜屋」の小説・漫画置き場です。R18有(閲覧注意) http://www2.wbs.ne.jp/~p-hoshi/

誘惑3

燐と雪男が生活する旧男子寮。
時刻は夜の9時頃かというところで、やっとドアが開いた。
「お帰り。雪男!」
燐は珍しく机に向かい宿題を広げていた。振り返り出来る限りの笑顔で迎える。
たとえ、ぎこちなさで上手く笑えなかったとしても・・・
「ただいま兄さん・・・」
「腹減っただろ?雪男が帰って来るの待ってたんだぁ。」
燐は立ち上がるとコートを脱ぎかけた雪男に近づきその肩に手を置いた。
「!」
すると雪男は反射的に燐の手を振り払った。
「あ・・・わりぃ・・・・」

雪男は少し目を伏せるとすぐにコートをハンガーに掛けながら、
「・・ごめん。向こうで済ませて来たからさ、兄さん食べてよ。」
「そ、そっか、今日もなんだ・・・」
「・・・・」
燐の言葉に雪男が振り返った。
「あっ、いや。月曜からずっと帰り遅いし、じゃあ俺食べて来るな!」
「ああ、僕はこのまま風呂に行くから。」
「分かった。じゃあな!」
燐はならば急げと慌てて部屋を出て行った。
「・・・・はあ。」
雪男は暫しドアを見つめると。壁に拳を当ててうなだれる。

「くそっ・・・」
苛立ちと焦燥感が広い背中から沸きあがる。
あの日から・・・
だが今の雪男には平静を取り繕う余裕は無かった。









「・・・・さて、奥村先生。」

メフィストは燐と雪男を交互に眺めると、さらに話を続けた。
「はい・・・」
メフィストは崩していた姿勢を正すと雪男を見据え。
「改めて貴方を奥村君の相手役に任命致します。貴方は合格ですよ。奥村先生。」
「は?」
机に両肘を着き両指を絡めて笑顔で話を続ける。
「私はこの1週間貴方を監視させて頂きました。合格ですよ。」
「何の事ですか?監視?」
「メフィスト!お前、雪男に何したんだっ!?」
急な話題の変更に燐は慌ててメフィストを攻撃する。

「奥村君は黙ってなさい。この1週間よく耐えましたね。普通の男なら狂乱している所です。」
「!何を・・言っているのですか?・・・」
「貴方悪魔を抱いたのですよ。凄かったでしょう?なめらかな肌に、とろけるような肢体。その身体はまさに極上だった筈です。」
「っ!!」
雪男の体が凍り付いたように一瞬で固まった。
「えっ?・・・」
燐は思わず雪男を見上げる。
「この1週間衝動を抑えるのに必死だったはずです。そして貴方は耐えた。素晴らしい!無理矢理奥村君を強姦しようものなら即刻貴方を首にしようと思っていました。」
「・・・・っ。」
「まあ、1週間を耐えれれば今後も正気は保てるはずです。心配ありません。」

雪男は額に冷や汗が伝うのを止める事が出来ない。その通りという顔を晒していた。
「仕事は今週末、都内のホテルにしました。美味しい料理店も揃っています。」
「ちょっ、ちょっと待ってください。これは・・・」
「お二人でゆっくり食事をするといいですよ。普段はなかなか話せない事もあるでしょう?」
「・・・・何を・・」
「食欲を満たした後は性欲も満たせる。ついでに睡眠欲も。こんな美味しい仕事は無いですよ!あっはっは!!」
雪男がみるみる青ざめていくのが燐の目にも写った。
「・・・・」
だが、燐にはもう声を荒げる気力が無くなってしまった。


雪男が自分の身体が良いというのなら・・・・
それはそれで嬉しい・・・・



「奥村君。」
「!」
メフィストは燐の顔を確認すると目を捉えたまま言いはなった。
「奥村先生は男性です。貴方にはもう感じる事は出来ないのでしょうが、男には性欲と言うものが有るのですよ。」
「・・・・」
「貴方を、悪魔を抱くという事は人並み外れたその衝動を抱えなくてはならない。貴方はその身体で先生のご苦労をねぎらって差し上げなさい。」
「あ・・・」
「ちょっと待ってください!フェレス卿、貴方何て事言うんだっ!」
仰天した雪男が声を上げた。普段の丁寧な口調からはあり得ない荒々しさだ。
「ふふ・・裸で添い寝しておいでなさい。奥村先生の好みもあるでしょうから・・そこは素直にお聞きなさいね。」
「やめろ!!戻ろうっ兄さん!こんな話聞く事は無い!」
雪男は堪らず、歩き出し燐の腕を掴んで引いた。
「・・・分かった。」
「兄さんっ!」
「俺、男だし、気にしない。雪男は家族だからいくらでも・・・」
「っ!失礼しますっ!」
燐の発言に面食らった雪男は強引に燐を引っ張ってドアに手を掛ける。
「飽きられないように頑張んなさい。ああ、先生!詳細は塾内メールにてご連絡致します。」
メフィストの手を振る姿を残し、雪男は勢いよくドアを閉めた。


「雪男・・・」
「教室に戻るよ。もう授業が始まってる。」
掴んでいた燐の手を放すと雪男はさっさと歩き出した。
「・・・・」
燐もその後ろを着いて歩く。


メフィストの言葉が燐の頭の中を繰り返し響いた。
この1週間胸をつかえていた不安が一気に引いていく。
雪男は自分を嫌いになった訳ではない。無視する理由があった。
目の前を歩く背中に更なる愛おしさを感じて胸が膨らむ。

雪男・・・・
雪男がしたいって言うなら俺は何時だって・・・
「・・・・」
燐はもう一度目の前の背中を見つめた。歩く速度の速い背中はもう大分先へと行っていた。
肩で風を切り颯爽と歩く姿を見送り燐は胸の思いを固めるのだ。





午後になり、表の学校が終わると塾が始まる。
燐は生徒として、雪男は教師としてそれぞれの予定をこなしていた。

「では、前回行った小テストを返します。名前を呼ばれた人から取りに来てください。」
今は雪男の悪魔薬学の時間。雪男は授業の最後に先週末に行われた小テストを配り出した。
「奥村君。」
「はいぃ・・・・」
燐は教室の一番前の席に座っている為、手を伸ばして受け取った。
「まあ、今回は目を瞑るけど次は居残りにするからね。」
「ああぁぁあぁ・・・・」
予想通りの酷い点数。燐は流石に不味いと声も出ない。
「あはは!奥村君おもろい点取るわ~。ある意味凄いで、0点なんて!」
塾仲間の一人が固まった燐の上から覗き込んで点数を言い上げた。
「志摩!なに勝手に見てんだよ!?」
燐は手遅れながらもテスト用紙を胸に寄せて隠す。合わせて子供が噛み付くような顔を見せた。
「あら~。ほな俺の見てええで。」
そう言うと燐の肩に腕を回し、軽く身体を引き寄せて自分のテスト用紙を燐の目の前に出した。
「う~・・・なんだ!5点じゃねーか。志摩も次は居残りだよな!」
燐は同意を得ようと教壇に向けて顔を上げる。
ちょうど全員に配り終わった雪男は投げ掛けられた声に振り向いた。
「えっ?っと・・・」
「志摩だってそーとー悪ぃだろ?これ。」
燐はそのテスト用紙を志摩から奪い取ると雪男の前に広げて見せた。
「せやったら二人居残りか?それはアカンわ。あはは!」

「・・・・」
「雪男?」
雪男は暫く眉間に皺を寄せて・・・そっと、だが強く志摩の肩に手を置いた。
置かれた手に注意が行き、志摩は燐の肩に回していた腕を下げた。
「志摩君。まだ授業中です。くだけるのは授業が終わってからに。」
「あっ、ああ!すんません。」
燐から離れ、席に向かうのを促した雪男は燐にも座れと目配せした。
全員が席に着いたのを確認すると、
「小テストは次回も抜き打ちで行います。予習復習は忘れずにしてください。」
雪男が手元の教科書を閉じて授業が終わった。

少人数の教室だが授業が終わるとなれば騒がしくなる。席を立つ者やおしゃべりをする者達の中で
「兄さん。ちょっと・・・」
「ん?」
雪男は授業の道具類をまとめると手前の燐に廊下に出るよう促した。
燐は教室を出る雪男の後について出た。

「勉強ならちゃんとやるよ。」
「ああ・・・」
廊下に出た雪男は他に誰も出て来ないのを確認すると、燐の胸元を指差した。
「・・・ボタン、2つは開けすぎだ。」
「えっ?・・・あ、ああ。」
燐は言われるままにボタンを1つ止めた。ついでにネクタイも上げる。
「少しは周りに男がいる事を意識した方がいい。兄さんは男なんだからどうしても男の集団生活に入らざる得ないだろう?」
「雪男・・・何言ってんだ?」
「は?」
燐は雪男の意味不明な内容に首を傾げる。雪男もまた理解出来ない燐に呆れた顔をした。
「今日は早めに帰るよ。兄さんも寄り道しないで真っ直ぐ帰るんだ。いいね。」
「分かったよ。それに寄り道なんてしてねぇし。」
「じゃ。」
雪男は道具を抱え直すとその場を後にした。
燐も教室に戻る。雪男の意味不明な言葉が燐を真っ直ぐ席に座らせた。


つまり、男に近づくなって言ってんだろ。
雪男にとって俺はもう男じゃないんだ・・・・





その日の夜。普段ならば燐が布団に入るかの頃合に寮部屋のドアが開いた。
「ただいま。兄さん。」
部屋に上がると雪男は机に鞄を置き、素早くコートを脱ぎ始める。

「・・・早く帰るって言ったじゃねーか。」
燐は雪男から離れた位置にある自身のベッドから顔を上げてのっそりと言った。
「ごめん。夕食も向こうで済まして来た。今日は本当に急な残業だったんだ。」
雪男は燐を背にコートを壁に掛けると続けて制服の上着も掛けた。
「今までウソだったのか!」
ベッドから飛び上がった燐はそのまま雪男の背後に仁王立った。
「しょうがないだろう。夕食は明日の朝食べるからさ・・・って何、その格好!」
雪男は振り向くと燐の姿に目を見張る。燐は雪男のトレーナーを着ていた。サイズの合わない首元からは浮き上がった鎖骨が見える。更にトレーナーから先にある下半身からは剥き出しの素足がスラリと伸びていた。
「ああ、俺のだと丈が足りねぇから雪男の借りた。ちゃんと洗って返すよ。」
「そうじゃなくて、何でそんな格好してるんだ!まさかフェレス卿の言った事を真に受けてるんじゃないだろうね。」
「・・・・」
押し黙って雪男を見上げる燐。その様子に苛立った顔をした雪男は燐を通り越えると燐の洋服箪笥を引き出して服を探る。
「や!やめろよっ!勝手に開けんな!」
慌てた燐が後ろから雪男のYシャツの首根っこを掴んで引っ張った。
「ちょっ、引っ張るな!」
堪らず雪男は膝を伸ばす。立ち上がろうとしたが、バランスを崩した体がよろめいた。
「わあっ!」
「・・・く!」
二人もつれて床に倒れる。それでも手を突いて自身の体重を支えた雪男のお陰で燐は自分より重い体に潰される事は免れた。
だが、例え全体重にのし掛かられたとしても悪魔になり、普通の人間では無くなった燐が実際に潰される事はない。
自分を守る様に突いた両腕に挟まれて燐の頬が軽く染まる。
「何やってるんだ、兄さん!」
「だって雪男したいんじゃねーのか?!」
「もう最近は大分治まってるし、兄さんが気にする事じゃない。むしろ気付かないふりをして欲しいんだけど。」
雪男は両腕を突いた姿勢のままに話を続けた。燐に向ける顔は明らかにひきつっている。
「俺は平気だって、可愛い弟の相手だったらいくらでもしてやるよ。」
そんな雪男の表情を砕こうと燐はあっ気らかんと笑って言った。

「弟とする事じゃないだろう。」
「ッ・・・・」
燐は聞きたくないとばかりに首を振って雪男の胸にしがみついた。
「・・・心配しなくても仕事はちゃんと引き受ける。兄さんを他の男に放り出すような事はしないよ。」
「わかってる・・・でも・・・雪男ちょっとたってる。」
燐は片膝を上げて太股で雪男の股間を擦った。
「それは、・・おい!やめろって!」
どうすれば良いかなんて分からない。太股で繰り返し擦り、腰も捻っては動く限りでソコに刺激を送った。
胸にしがみつかれたままの雪男はどう引き剥がせば良いのか咄嗟の判断が追い付かず、若い体は燐の雑な動きでも反応を返してしまう。
「ッ!・・・」
「おっ、俺がしたいんだっ!雪男は俺の相手をしてくれるだけでいいんだ!!」
燐は両足も雪男の片足に絡めて全身でしがみつき、うったえた。
「ばか・・・弟を誘う気か・・・」
「・・・雪男と・・したいんだ・・・」
「・・・・・」

雪男は燐の背に片腕を回して上体を持ち上げた。燐も雪男の動きに合わせて腕を回し直す。
燐を抱えたまま勢いをつけて立ち上がり、数歩先の雪男のベッドに降ろす。
二人は見つめ合ったまま手探りでベッドの位置を計る。

「泣いたって知らないからな。」
「・・・泣いたりなんかしねぇよ!」
言うと雪男は燐の両膝を掴んで持ち上げる。
反動で燐は背中からベッドに埋まってしまうが、そこを丁度良く枕が頭を受け止めてくれた。
「あ、や!・・・」
「っ!履いてないのか?!」
前に可愛いと褒めた燐の中心がフルリとこぼれて、雪男の心情を高ぶらせた。
「だって・・・裸でって・・っあ!ァァん!!」
雪男が背を屈めたのを見た瞬間。中心に手を添えられた。敏感な部分は触れられただけでも驚きと甘い痺れに声が上がる。
突如上がった声音に恥ずかしさから思わず口を手で覆とした時、ねっとりとした感触がソコを伝った。
「っぅ!・・ん!!」
膝が勝手に跳ね上がる。小刻みに震える太股を止める事が出来ない。
舐められている!
視界から消えてしまった雪男の体を追いながら、足の間で埋まる頭を確認して驚いた。
「わあっ!きたなっ!ッアン!」
その感触は付け根から先に渡って繰り返し辿り、先をくすぐるようになぞられた。
「ふぁぁ・・・だ、めって・・・!」
快感に震えながらも両手で雪男の頭を力無く押した。
「したいんだろう?ちゃんと気持ち良くしてあげるから大人しくして。」
「やあっ!そんなのいいって!・・やだってば!」
「じゃあ何ならいいんだ?手でしごく?・・・それとも、もうこっちの方が良かった?」
言うと雪男は片方の手の平で燐の中心を包みもう片方の手を尻の窪みにあてた。
「ヒゥ!・・・っぅん!」
「やっぱりもう濡れてる。エッチだなぁ兄さんは。」
複数の指で入口を捏ね回された後、一本だけゆっくりと進入してくる。
「ふあっ!?だ・・・ァ・・」
雪男の太く長い指が中に埋まると、それだけで沸き立つ程の快感が競り上がってきた。
指を濡らす蜜が更に溢れ出すのを自身でも感じ取り、燐は恥ずかしさから息を詰める。
「ッ・・・ぅ!」
「一度イっておけば楽になるはずだからさ。」
「何!やだっ、あっ!!・・・や、」
雪男は頭を降ろすと再度燐の中心を口に含む。そのままぐるぐると舌が動いた。舌の動きに合わせて指も泳ぐような動きを繰り返えされた。
「ヒアッ!アッン!・・・はあ!」
指が増やされた。中を蠢き圧力を押し上げてくる感触に身体中の力が抜けた。
「はっ・・・あ・・・あ・・・・」
敏感な部分をいきなり同時に攻められて燐の身体はされるがままに呼吸とあえぎを続ける。

何・・・・?
やだ、こんな・・俺ばっかり・・・
前の時は・・・


「はっ、はっ、はあっ!」
急激に何かが身体を追い上げてくる。
はじめて雪男に抱かれた時、燐は快楽を完全には覚えていなかった。
荒くなる呼吸を抑える事が出来ない。
「ッア・・・ふぁぁアァ!!・・・!」
中心から脳天へと電流がかけ上がるようだった。ピンと針積めた足は指先まで痺れ上がる。支えもなく、閉じる事も出来ない辛さが燐を虐めた。
ちゅうぅ・・・ちゅっ
雪男は少量の精を飲み込むともう一度吸い、そしてやっと燐の身体を解放した。
「・・・・っ・・・はぁ・・・はぁ」
ぐったりと横たわる燐を見下ろして合間無く雪男はズボンの前を拡げた。逞しく張り上がった男刀が燐の目にも写る。
「あ・・何だそれ・・・」
「・・・・」
雪男は軽く苦笑いを返すと燐の真上に手を突いて顔を合わせる。
「入れるよ。いいんだね?」
「えっ、あっ・・・うん・・」
両の膝裏を持ち上げられてパッカリと拡げられた。位置を合わせる為か更に大きく拡げられる。尻だけが持ち上がった不安定な態勢に燐は苦痛と驚きを隠せない。
「わっ、やだ・・・アッ!ふぁぁ!」
先端で入口を探られると途端に身体中の力が抜けてしまう。少ない経験でも身体が雪男を歓迎している。中がグズグズに溶け始めた。
「はあっ!はああぁぁ・・・!」
ゆっくりと雪男が浸入してきた。燐の表情を確認しながら身を進めてくる。
快感に染まった燐の顔は雪男を安心させた。

「はあっ・・兄さん、っ!本当凄いよ。ここ。」
「あっ!・・・ハッ!ゆ・・きおっ!」
時間をかけてやっと全てを埋め終えた雪男は不安定な身体を整えようと、燐の腰に片腕を回した。
「ふあ・・」
温かい手の平の感触に燐の咽が小さく鳴った。
もっと触れて欲しくて腰を捻る。だが、態勢が整うと欲しい手はためらい無く離れて行ってしまう。
燐は気付いた。

自分の身体がまだトレーナーを纏ったままだということに。
前の時は裸にされ、雪男も上半身は全て脱ぎ捨て素肌を合わせて抱きしめられた。それはとても気持ちの良いものだったのだ。

雪男もそうだと思うのに、今日はどうして?


「ふはっ!あっ!・・・ンあっ!・・・・アッ!アッ!」
ゆるゆると動かしていた腰は徐々に律動を繰り返し始める。
「ッハ、兄さん感じる?・・・大丈夫?」
「?・・・んあ!、は・・・ゆき・・・?」
「ちょっとでも・・・辛くなれば、言う・・んだよ、・・・!」
「?・・・う、ん・・・っあん!」
動きが激しくなるにつれて、二人を囲むシーツにしわが寄った。燐のトレーナーも捲れ始める。
後僅かの所で胸の飾りが現れるところを雪男が服を掴んで止めた。正しい位置へと直す。
「兄さんの裸は駄目だ、綺麗過ぎる。見ると吸い付きたくなる。」
「あ・・・べつに・・」
「この前はやり過ぎた。本当ならここはちゃんと取っとかないと・・・」
「えっ・・・アッ、アッ、アン!・・・・や、あ!」
動きが再開される。雪男の剛直に押し上げられると身体中が甘い痺れの虜となった。
もう何も考えられない。雪男は燐のあえぎを聞き分け、探るように突いてくる。
「ひやぁ!ああっ!!・・・・っは!、はっ!」
ひときわ高くなる声を合図に狙いが決まった。
「あっ!やあっ!・・・そこ・・」
「ここ・・だね・・・!」
・・・・そして
「あっダメっ!そこ・・・・はっ!・・・はっ、あっ、ああっ!・・はああぁぁん!!」
「っ!・・・く!・・・」
燐が達し終わると雪男は直ぐにも抜き去り。自身の手で宙に弾けた。


「はっ・・・はあ、はあ・・・」
「大丈夫?」
雪男はぐったりと余韻に痺れる身体に声を掛ける。燐の意識が朦朧としている間に手早く性の雫は拭い取っていた。
燐は閉じていた瞼をゆっくりと上げて頷いた。少し心配そうな瞳が燐を仄かな笑顔にさせた。
その時・・・・



雪男・・・

何?
何で?

あ・・嫌だ・・・
今夜はこのまま雪男の横で眠らせて欲しいのに・・・
嫌だ・・・
向こうには連れていかないでくれ・・・!



燐の胸が早鐘を打つ。
雪男は心配のそれを優しい瞳に変えると燐を横抱きに持ち上げ、歩き出してしまっていた。
向かいのベッドに辿り着くとそっと降ろし、胸まで布団を掛けると顔を覗いて
「何か飲む?」
燐は口をつぐみ雪男を見上げたまま首を振った。
「僕はこれから風呂に行くけど、兄さんもシャワーだけでも浴びると良いよ。寝てるようだったら朝早めに起こすから。」
「・・うん・・・・」
「ん。」
燐の前髪をひと撫でして雪男は部屋を出て行った。
見えない後ろ姿に掛けれぬ声を呑み込んで、
燐は。
・・・・・・

やっと悟ったのだ。
大事にされると愛されるは根源的に違うのだということを。
雪男は、どんな意地悪な言い方をしたとしても、その奥には燐の為が隠れている。嫌そうな顔をしたって気付いた時には燐の願いを叶えてくれる。
もう、頼めば抱いてもくれる。

だけど・・・
雪男に求められ欲しがられて抱かれる訳じゃない。
愛されながら抱かれる事は無いのだ。

「・・・・っ!」
掛かった布団を引き寄せてしがみついた。
触れてもらえなかった素肌が雪男の熱い胸と腕を恋しがってる。胸の先が吸われたいと尖って泣いた。
「っ、や・・だ・・・」
頭の中がガンガンする。心臓が針で射されたかのように痛んだ。



こんなの嫌だ!
ただ達くだけのなんて、嫌だ!
嫌だよ。

ちゃんと恋人にするようにして欲しい。
雪男の・・・恋人に、
恋人になりたい・・・!

どうして今まで何も無くていいと思ってたんだろう・・・
一生・・・・
兄弟でいれば幸せなんだとさえ思っていた・・・
バカだ!嫌だ!耐えられえない!

これで本当に雪男がいなくなったりしたら・・・
泣くなんてもんじゃない!

いられない!
いられないよ!

助けて・・・

助けて雪男!・・・俺、どうにかなっちまいそうだよ・・・

ああっ!!



今日まで憎んできたメフィストが急に救いのように思えてきた。
知らぬまま落とされるより知りながら堕ちる方が余程良い。
燐は掴んだシーツを強く握り締め、止めどなく襲われる恐怖心に震えながら夜を凌いだ。

















つづく
記事検索
  • ライブドアブログ
雪燐置き場(R系)