無題

2008年12月13日

218・モンテプリンス

前回のオペックホースに続き、今回は同世代の影の主役のこちらの馬…

『モンテプリンス』




今まで自分で『頭の中でモンテプリンスとタイテエムがゴッチャになってる』って自覚症状はありました…

そりゃ仕方ないですよね…

どちらもリアルタイムで見ていた訳ではなく、片や『無冠のプリンス』で、片や『無冠の貴公子』…

で、どちらも杉本アナの名実況に乗せ、天皇賞で悲願のG1制覇を果たしたとなれば、ゴッチャになっても当然…

でも、今回調べてみて、とんでもない事に気付いてしまったんです…

それはモンテプリンスの成績を眺めていて覚えた違和感から発覚したんですが…

モンテプリンスの成績を眺めて、こんな事を思ったんです…

『あれ?皐月賞トライアルは勝ってないんだ…』

『騎手は小島太じゃなかったっけ?』

競馬に詳しい人は、この2つのヒントで分かるかもしれませんが…

結論はこういう事なんです…

『モンテプリンスの事をサンエイソロンと勘違いしていた…しかも、ゴッチャになっていたのではなく、モンテプリンスの成績をサンエイソロンの成績だと思っていた』


これはもう、お恥ずかしい話、サンエイソロンと言う馬の存在自体を忘れてしまい、その存在をすっかりモンテプリンスに同化させてしまっていたんですね…


と言う訳で、サンエイソロンについては次回ゆっくり書くので、今回はその予習として、モンテプリンスはどんな馬だったか淡々と書いてみたいと思います…

モンテプリンスとサンエイソロンには本当に失礼な勘違いをしてしまったんですが、とりあえず行ってみましょう…


まず、道悪が苦手だったらしく、3歳の始めの頃はイマイチ勝ちきれなかったモンテプリンス…

しかし、ダービートライアルのNHK杯をぶっちぎりで制し一躍ダービーの主役に…

で、ダービーでオペックホースの2着に敗れる訳なんですね…

史上最弱のダービー馬誕生に加担してしまった訳ですが…

モンテプリンス自身も『無冠のプリンス』としての、長く辛い戦いをスタートさせてしまいました…


秋にはセントライト記念を勝って、道悪の京都新聞杯5着ときて、再び1番人気で菊花賞に挑みますが…

またも2着…


で、無冠返上を誓った翌年も…

春は順調に使えず…

秋も天皇賞2着、ジャパンC7着、有馬記念3着…

と、ますます『無冠のプリンス』っぷりを加速させてしまう…

しかし、このまま終わる訳にはいかない…

5歳になってようやく素質開花!

東京新聞杯で久々の勝利を挙げると…

中山記念2着を挿み…

遂に…

実況
『今日は堂々たる、堂々たるレースっぷり!
モンテプリンス、ようやく、無冠の貴公子に春が訪れてから9年目!
無冠のプリンスにも春が訪れました!』



悲願の無冠返上…

更に、次走の宝塚記念も制し、『オペックホースとは違う!』って所を存分に披露したモンテプリンス…

体調が悪い中、暮れの有馬記念にぶっつけで一応参加して惨敗…

5歳いっぱいで引退するのでした…


とまぁ、こんな感じの馬だったんですが…

G1級レース2勝馬を他の馬と間違えていたなんて、本当に失礼な事をしました…

次回の『サンエイソロン』では、どうしてこのような間違いが起きてしまったのか、再発防止の為しっかり検証したいと思います…



ちなみに、モンテプリンスのすぐ下の全弟にモンテファストと言う馬がいて…

この馬も、天皇賞馬で通算成績も兄にちょいと似てるんですが、この馬とは間違わないんですよね…


なんででしょ?


まぁ、とにかく次回考えてみましょう…

それでは…




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2008年12月11日

217・オペックホース

引き続き『まだ書いていなかったか…』って馬なんですが…

今回は、前回までの『大波乱を演出した馬』の流れを断ち切り…

こちらの馬…

『オペックホース』




ご存知『1980年のダービー馬で、ダービー後7歳まで走り32連敗を喫し、最後は惨敗を繰り返し、障害入りしかけた史上最弱のダービー馬…』でお馴染みのオペックホースなんですが…

なんとかフォローを入れられないものか…

と思い、オペックホースのデータを眺めてみたんですね…

それでも出てくるのは…

『真っ赤な勝負服がカッコいい』

とか…

『ダービーまでの成績は立派なダービー馬』

とか…

『ダービーで一世一代の走りをして燃え尽きたんだから、逆にカッコいい』

とか…

『4歳暮れまではまだ許せる成績だから、5歳以降も走らせた陣営が悪い』

とか…

『名手・郷原にダービー初制覇をプレゼントしたんだから、十分偉い』

とか…

まぁ、フォローになってるんだかなってないんだか分からない事ばかり…

それでも諦めずに成績を眺め続けていると…

遂に1つの重大な事実に気が付いたんですね…

以下脳内独り言
『この馬…ダービー後は一貫して王道路線のレースに出てるけど、マイラーズCだけは毎年律儀に出走してるんだな…しかも4着・3着・3着・8着…ん!?』

…そうなんです。

オペックホースがダービー以降出走したマイル以下の距離のレースは、このマイラーズCの4回だけ…

で、ダービーまではまずまずの成績だったと言う事と併せて導きだされる答え…

それは…

『オペックホース・マイラー説』


全成績が…
41戦…
1着4回
2着4回
3着3回
4着5回
5着3回
6着以下22回

と言うオペックホースの成績において…

距離をマイル以下に限ると…

8戦…
1着2回
2着0回
3着3回
4着2回
5着0回
6着以下1回

の安定感ですからね…

これだと、分かりにくいので、よくある表に直すと…

全成績
[4.4.3.5.3.22]
マイル以下
[2.0.3.2.0.1]

こんな感じですからね…

見るからに短距離向きっぽいですよね…


しかも、『オグリキャップ』タイプの…

要はクラシックディスタンスもこなすマイラー…

だって、ダービー以降の32戦でオペックホースが一番自慢できるのは、4歳時の有馬記念4着ですもんね…

まぁ、オグリキャップほど強い訳はないですが…

『オグリキャップ』
主な活躍
有馬記念×2
マイルCS
安田記念
G1・2着4回

なのに対し…

『オペックホース』
主な活躍
日本ダービー
有馬記念4着
マイラーズC3着×2
皐月賞2着

って、感じになるんですかね…


なんだか、『マイラー』って決め付けて見てみるとなかなか悪くない雰囲気も醸し出せるじゃないですか…


とまぁ、いろいろごちゃごちゃ書いてきましたが、『ダービーを勝って以降さっぱり』なんて馬、たくさんいるんだから…

例え不名誉だとしても、『史上最弱のダービー馬』って称号が、オペックホースにとって一番おいしく…

そして、後世に名を残す最高の呼び名だと思う訳です…


と、こんな感じで、今回は締めさせて頂きます…

それではまた次回…

さよなら…




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2008年12月10日

216・クライムカイザー

最近は『まだ書いていなかったか…』って馬を、思いつくまま書いてるんですが…

なんやかんやで『大波乱を起こした馬シリーズ』みたいになってますよね…

と言う訳で、ついでなんで今回はこちらの馬を…

『クライムカイザー』




ご存知、ダービーで大本命トウショウボーイを荒っぽく敗って『犯罪皇帝』なんて言われた馬なんですが…

何かちょっとのズレが生じていれば、日本競馬史上屈指の3強『TTG』の『G』…要するにグリーングラスの代わりにその名を残していたかも知れない名馬なんですよね…

と言うよりも、トウショウボーイ・テンポイントより明らかにブレイクが遅く、更に成績も劣るグリーングラスと、惜しくも途中からライバルから外されてしまったクライムカイザーを混ぜて『TTgc(ティー・ティー・ジシー)』って事にしてみたらいいんじゃないでしょうか?


そうすれば、随分長く3強物語を楽しめます…

だって、正にグリーングラスがブレイクする菊花賞まではトウショウボーイ・クライムカイザー・テンポイントと言う3強だったのだから…


皐月賞まではテンポイント1強、対抗が一応無敗のトウショウボーイ、3番手・重賞2勝のクライムカイザーと言う一応3強…

で、皐月賞でトウショウボーイがぶっちぎり、テンポイント・クライムカイザーが大混戦の2着争いのそれぞれ2着・5着で…

ダービーではトウショウボーイ1強、対抗テンポイント、クライムカイザーは単なる上位人気馬になる…

でも、結果はラフなレースでクライムカイザー1着、トウショウボーイ痛恨の2着、テンポイント怪我して7着ですから、クライムカイザーはテンポイントよりは評価が上がる訳です…

しかし、その後はダートの札幌記念3着、神戸新聞杯離された2着、京都新聞杯2着と、絶えずトウショウボーイの1つ下の着順…

結局、『打倒トウショウボーイ一番手』として臨んだ菊花賞以降はビッグレースで4・5着を繰り返して知らぬ間にグリーングラスにポストを譲ってしまった訳ですが…

ここまでしっかり、クライムカイザーの終わった瞬間とグリーングラスのブレイクした瞬間が揃っているならTTgcって考え方もありな気がするんですよね…

グリーングラスにクライムカイザーが勝った3つの重賞を譲ると、テンポイントと同じ11勝になり、ダービー菊花賞の二冠馬にもなり、皐月賞からの3強ってドラマも追加される訳です…



…とまぁ、クライムカイザーの代名詞・加賀武見騎手の名前も書かずにくだらない事を延々と書いてしまったんですが…

何を言ってるんですかね?

何が言いたいのかすら途中でわからなくなってしまいました…

3強を4強に変えたいのか、クライムカイザーとグリーングラスを併せたグリーンカイザー的な架空の馬を作りたいのか、どっちなんですかね?


まぁ、そんな事とは関係なく、クライムカイザー・グリーングラスの2頭は、若くして逝ってしまったTTの2頭とは逆に、27歳くらいまで長生きし、同じくらいの時期に亡くなったそうです…

ある意味、実は何か強い縁で結ばれていた2頭だったのかもしれませんね…

グリーングラスと…

そしてクライムカイザーは…




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2008年12月08日

215・カツラギエース

ご無沙汰してます…

師走真っ盛りですが、少し時間が出来たので行ってみます…

今回も『まだ書いてなかったか…』って馬…

かつ、またまた大波乱を演出した馬…

『カツラギエース』




まぁ、大きな印象がいくつかありますが…

それらをあえて無視して、まず言いたいカツラギエースの印象は…

『何気にオサイチジョージに似てる…』

って事…

『そんな事ねぇだろ…』って思う人もいるかもしれませんが、思ってしまったんだからしかたない…

どんな所が似てると思うのか検証してみましょう…


まずはあまり関係ないですが『名前』。

どちらも日本的苗字に、横文字のベタな名前…

これも2頭を似てると思わせる要因になってるんですかね?

それと…

あれ?

今、調べて初めて知ったんですが、馬主さんが一緒なんですね…

『勝負服が似てる』って書こうとして調べたらビックリしました…

なんだ、カツラギエースとオサイチジョージってやっぱり超ご縁があるんじゃないですか!


で、脚質も似てますよね…

主に先行…

で、最高のパフォーマンスを見せたのは逃げた時とか…

これはタップダンスシチーとかとも似てるのかも…


そして成績…

3歳春まではクラシックの主役とかには縁がなく…

秋になって神戸新聞杯・京都新聞杯連続連対+ダービー馬を4着に負かしてブレーク…

菊花賞で人気になるも、距離が長くて惨敗…

で、翌年中距離に的を絞って重賞連勝!

4歳春の宝塚記念で遂にG1ホースに輝くと…


…成績的にも結構似てますよね…

でも、ここからが違うんです…

オグリキャップに完勝して燃え尽きたオサイチジョージに対し…

同期の三冠馬ミスターシービー不在の宝塚記念を1番人気で勝ったカツラギエースには、まだ大仕事をやってのける余力があったのです…


まず、高松宮杯5着を挿んで、秋初戦の毎日王冠でミスターシービーを敗ると…

天皇賞では逆にシービーの5着に敗れ、評価を落とす…

で、ルドルフ・シービーの三冠馬対決及び、日本馬初勝利の期待に沸いたジャパンCに10番人気で出走して…


見事、逃げ切ると…


この辺りの衝撃が、オサイチジョージの宝塚記念の『オグリ敗れる!』って言う衝撃と似てると思うんですよね…


でも、やっぱり三冠馬2頭と外国馬相手に逃げ切ったカツラギは凄いですよね…

続く引退レースの有馬記念では三冠馬2頭と3強と言われ…

結果もルドルフ・シービーの間に割って入って2着確保ですからね…


やはり、オサイチジョージよりやや正統派名馬度は高いのかも…



それでも、なんか『似てる…』って思えてしまうんですよね…

カツラギエースについて書いてるのに、『日本馬初のジャパンC制覇』や『ミスターシービーとの対決』ではなく…

『オサイチジョージに似てる』ってのをメインで書いてしまい、『これでよかったのか?』とも思えてしまいますが…

実は今回は超久々にパソコンで書いてるんですよね…

こんな回があってもいいか…


なんて感じのカツラギエースでした…



runfor4 at 19:14コメント(8)カ(ガ)行の名馬 

2008年12月03日

214・ダイユウサク

案の定、年末に向かうに連れ更新が滞ってしまうもんなんですね…

どうにか更新速度を上げたいんですが、忙しさばかりはどうにもならない…

ありがたい事だと思って、ゆっくりやっていきます…

で、そんな今回は…

前々回『あっと驚く!』

前回『なんとビックリ!』

と来たら…

『これはビックリ!』しかないでしょう!


『ダイユウサク』




ギャロップダイナ・レッツゴーターキンと、比較的面白系の馬をカッコ良さ気に書いてきたんですが…

ダイユウサクって馬は、上記2頭と比べても、面白臭って言うか、三枚目臭が漂ってるんですよね…

名前は二枚目っぽいですが…



って言うか、この松田優作を思わせる『ダイユウサク』って名前も、『ダイコウサク』を間違ってこうなってしまったって定番エピソードがあるから、面白臭の一環なんですよね…

しかも、間違えに気付いたのに『弱そうだから直さないでいっか…』的に、この名前で走り続けたそうですね…

どうも『悲壮感』と言う二枚目には欠かせない要素が欠如しているダイユウサク…

果たして、どんな成績の馬だったのでしょう?

毎度の如く振り返ってみましょう…



何気にオグリキャップと同い年のダイユウサク…

しかし、デビューしたのはオグリキャップが古馬のタマモクロスと激闘を演じた天皇賞と同日の京都と言う遅さ…

しかも勝ち馬から13秒も離された大差のシンガリ負け…

更にその次のレースでも大差のシンガリ負け…

もう、『こんな馬がどうやって名馬になるのか?』って次元ではなく、『厩舎に居場所があったのか?』って事の方が心配になるダイユウサクなんですが…

翌年の3月の復帰戦で5着と格好をつけると…

5戦目で初勝利…

ここからは、当時若手だった後の盟友・熊沢騎手などとのコンビでなかなかの走りを繰り返し、徐々にステップアップしていきます…

格上挑戦だった高松宮杯と、ダート戦を除くと初勝利以降は全て掲示板をキープと言う堅実な走りで、5歳秋まで通算21戦6勝…

最初のずっこけ方からしたら随分立派な成績にはなり、オープン入りを果たしました…

で、調子に乗って秋の天皇賞に挑戦し、7着に敗れるんですが…

そこで本格化…

次走のオープン特別を1番人気で圧勝すると…

更に1番人気でオープン特別を連続圧勝…

そして、6歳初戦の金杯も1番人気に応えて制し、3歳暮れのデビューから大差のシンガリ負けを2戦繰り返したダイユウサクは、遂に重賞ウイナーにまで登り詰めるのでした…

めでたしめでたし…





で、当然終わらないんですが…

さすがに重賞ウイナーにまでなったダイユウサク…

一流所との対決が始まり、なかなか結果が出ないレースが続きます…

3ヶ月休養
大阪杯・2着
5ヶ月休養
朝日CC・7着
京都大賞典・5着
スワンS・4着
マイルCS・5着

それでも着順的にはまずまずの形でまとめてるんですよね…

それでも印象としては、マイル〜中距離のG3級って感じなんですかね…

で、次走のマイルのオープン特別を勝つ訳ですから、その印象はますます強くなる訳です…



しかし…

実況
『さぁマックイーン出ているか!
マックイーン3番手!
ダイユウサク黄色い帽子も伸びて来た!

マックイーン外から!
マックイーン来た!
ダイユウサクだ!!
ダイユウサクだ!!

これはびっくりダイユウサク〜!

熊沢です!
黄色い帽子ダイユウサク!』



ってな走りを、有馬記念で披露してしまうんですね…


一流半のマイラーが…

最強馬メジロマックイーン相手に…

日本一馬券の売れるレース有馬記念を…

レコードで完勝してしまったのです…


これを『これはビックリ』と言わず、何をビックリと言うのでしょう?


しかも、ここまでまずまず安定したマイル〜中距離馬だったダイユウサクが、有馬記念を勝った途端、翌年は6戦6惨敗で引退ですからね…

『なんだったんだ?おまえは…』

としか言い様がないですよね…


まるで、あの有馬記念だけで今まで蓄めてきた力を爆発しきっちゃったみたいですよね…

それでも、有馬記念をレコードで勝てるならいいですよね…


今度から、期待のマイラーのデビューが遅れたら、とことんデビューを遅らせて、デビューから2戦はシンガリ負けさせるのも良いかもしれませんね…

後に大レースで爆発させる為、パワーを温存する馬に育つかもしれない…



と、くだらない事を考えさせられるダイユウサクなのでした…




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2008年11月28日

213・レッツゴーターキン

と言う訳で、今回も『まだ書いてなかったか…』って馬…

前回のギャロップダイナと似た雰囲気のある、こちら…

『レッツゴーターキン』




ギャロップダイナと雰囲気が似てると書きましたが…

成績的にはギャロップダイナにやや劣るレッツゴーターキン…

ただ、騎手とのドラマって点ではこちらがやや上なのではないかと常々思うんです…


レッツゴーターキンのベストパートナー・大崎昭一騎手…

ダービー2勝ジョッキーな訳ですから、もちろん名手なんですが…

とにかく怪我の多い騎手なんです…

更に40歳の時に八百長疑惑のゴタゴタがあり、かなりの年齢になるまで騎手を続けたんですが、結局後わずかで1000勝に届かなかったんです…


競馬を見始めたばかりで、八百長云々の事を知らなかった時は、いつも『大崎昭一騎手になりふり構わず1000勝させてやればいいのに…後少しなんだから…』なんて思っていたものです…

でも、八百長騒動があった時は、『1000勝云々』なんて言ってられないくらい、酷い目にあったらしいですね…

地元関東でほとんど騎乗馬をもらえなくなったらしいです…

で、そんな大崎騎手を救ったのが関西の調教師達…


そして、その集大成がレッツゴーターキンで挑んだ秋の天皇賞…


大崎騎手がレッツゴーターキンと出会ったのが47歳の春…

新潟のオープン特別…

大崎と同郷の橋口調教師から依頼された訳なんですが…

それまでのレッツゴーターキンはと言うと…

22戦4勝の5歳馬…

4歳春に、小倉大賞典・中京記念と重賞を連勝してますが…

その後は1年間で7連続惨敗を喫している状況…

ここでも7番人気の低評価でした…

しかし、ここを勝利して1年ぶりの美酒を味わうんですね…

今思えば、新潟競馬場で八百長事件に巻き込まれ、騎手人生の危機に立たされた大崎騎手…

その物語のクライマックスは、この時の新潟競馬場から始まっていたんですね…

初コンビ初勝利となった二人は、それから共に走り出します…

コンビ2戦目の新潟大賞典こそトップハンデで惨敗しますが…

その後は…

オープン特別2着
オープン特別5着
北九州記念2着
小倉記念2着

と徐々に成績が安定していき…

10月の福島民報杯でコンビ2勝目を挙げるんですね…

で、大崎騎手は提案したのです!

『秋の天皇賞に行こう!』と…


しかし、この天皇賞には強敵が出てくるんですね…

前回のギャロップダイナにとってのシンボリルドルフ的・敵役…

その息子のトウカイテイオー…

まぁ、トウカイテイオー云々言う以前に、前走福島のオープン特別で久々の勝利を飾ったくらいのレッツゴーターキンは11番人気の低評価…

とてもじゃないけど、勝ち負け出来る雰囲気ではない…


しかし、レースは思わぬ展開になる…

メジロパーマー、ダイタクヘリオスと言ったG1勝ちのある逃げ馬が超ハイペースを作り出す中、更にそれにトウカイテイオーも絡み、レース全体がハイペースに…

そしてレッツゴーターキンはと言うと…

有利なインコースから好スタートを切るも、大崎がスッと抑え後方待機…

そしてレースは直線!

大崎レッツゴーターキンは大外に進路を取る!

先頭はハイペースを先行したトウカイテイオー!

果たしてこのままトウカイテイオーが押し切るのか!?

状況
『しかし!外から一気に後続が押し寄せてきた!
外から一気に後続が押し寄せてきた!

一番外からレッツゴーターキン!
レッツゴーターキン!

レッツゴーターキン!
ムービースター!
レッツゴーターキン!
ムービースター!

ヤマニングローバル!ヤマニングローバル!

レッツゴーターキンだ!!


何とビックリ!レッツゴーターキン!

そして2着にムービースター!

大崎昭一やった!

レッツゴーターキン!大外一気に駆け抜けた!1分58秒6!

勝負はインコースのSB対決ではなかった!

大外から伏兵レッツゴーターキン!ムービースター!』



見事な追い込みで大崎レッツゴーターキンが栄光のゴールを通過する…

人馬共に苦労の末勝ち取った栄光だと思うと、同じ大波乱の秋の天皇賞でも、ギャロップダイナとはまた別の感動がありますね…


で、その後…

レッツゴーターキンはジャパンC8着、有馬記念4着、翌年の阪神大賞典5着後に故障で引退…

大崎騎手も1000勝まで後30勝の所まで来て、病で引退…

と、結局寂しい最後になってしまいましたが…


そんな二人の、引退する少し前のクライマックスが、あの秋の天皇賞だったんですね…

そう考えると何だか感動系名馬に思えてしまうレッツゴーターキンなのでした…


名前は面白いけど…




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2008年11月26日

212・ギャロップダイナ

と言う訳で、前回から『まだ書いてなかったか…』って馬を書いています…

今回はこちらの馬…

『ギャロップダイナ』




まぁ、オチを先に書いても仕方ないんで、まずはギャロップダイナが最高に輝いた5歳秋まで、彼がどんな馬だったのか書いてみましょう…


父がノーザンテーストで、社台の馬な訳ですから、どちらかと言えばエリート臭のする馬な訳ですが…

どちらかと言うとアンバーシャダイ系の晩成のノーザンテースト産駒だったのでしょう…

同期のミスターシービーやカツラギエースとは絡む事なく、5歳になるまで条件戦からオープンの間をウロチョロしている…

まぁ、それでも31戦7勝・2着9回ですから、それほど悪くない馬な訳です…

しかし、勝ち鞍のほとんどがダート戦…

前走条件戦で2着に敗退していて…

それまでの主な見せ場が…

その年の安田記念5着…

と…

その年の札幌日経賞、騎手が落馬してカラ馬で鮮やかな1着(入線)…

程度…


そんな彼が、秋の天皇賞に挑むんですね…

しかも皇帝シンボリルドルフが出走する…


まぁ、当然人気は13番人気と言う低評価ですよ…

前走条件戦2着の、勝ち鞍のほとんどがダートの馬ですからね…

で、レースも最後まで順当に進む訳です…

休み明け・大外枠と不利の重なったシンボリルドルフが…

ウインザーノット・ニホンピロウィナーと言ったライバル馬をキッチリ差し切りそう…



ってなった所でした…

しかし…

実況
『残り200を切ってニホンピロウイナーも来ているぞ!

ルドルフそしてウインザーノット!

外の方からニホンピロウイナー!

そしてギャロップダイナも来ている!

しかしルドルフ出た!
ルドルフ出た!ルドルフだ!

外の方からギャロップダイナ!外からギャロップ〜!


あっと驚くギャロップダイナ!!』



レースは、皇帝を前走条件戦2着馬がレコードで差し切ると言う、世紀の大番狂わせ!

まぁ、このインパクトが強すぎたのでしょう…

ギャロップダイナは一発屋と言うキャラで定着してしまう…

それでも、ここから後の成績はなかなか立派なんですよ…

続くジャパンC・有馬記念こそ7着・5着に留まりますが…

翌年になると…

東京新聞杯1着→京王杯SC4着と来て…

安田記念を1番人気に応えて優勝!

その後は、フランスを代表するマイルG1・2つに遠征しますが惨敗…

それでも、海外遠征明けの秋の天皇賞では4着好走する訳ですからね…

なかなかのものです…

で、ジャパンCは順当(?)に惨敗するんですが…

引退レースとなった次走の有馬記念で、またも人気薄で激走…

ダイナガリバーの2着に入り、ダイナ勢ワンツーで有終の美を飾るんですね…

でも、この有馬記念2着…

もちろん素晴らしいと思うんですが…

ギャロップダイナと言う馬のキャラクターを完全に『三枚目』に定着させた好走でしたね…

まぁ、ルドルフ撃破の人気薄での激走でブレイクしたギャロップダイナ…

それが最後まで人気薄での激走ですからね…

『穴馬』って感じになってしまいますよね…

1番人気で安田記念勝ってるのに…

更に、この2500mでも2着に来れてしまった事…

安田記念制覇によって『東京の中距離以下なら、ルドルフを差し切った豪脚が黙っていない!』みたいにも取れない事もないのに…

有馬記念で2着に来れる融通性を証明した事により、それもあやふやに…


要は…

『ルドルフ撃破』→『ジャパンC・有馬記念連続惨敗』→『やっぱりな』→『1番人気で安田記念制覇』→『東京中距離以下ならとても強い』

ってなったのが、最後の有馬記念2着により…

『やっぱり大穴あける馬』

って事で落ち着いちゃったと思うんですね…



でもまぁ…

カラ馬1着馬が、天皇賞でルドルフを差し切った時点で、三枚目のレッテルは剥がしようがなかったのか…

頑張るべきだったのは、最後の有馬記念ではなく、海外遠征した時だったっぽいですね…


でも、三枚目の印象が強いからこそ、未だに語り種になっているのか…

やっぱこれでよかったんだよな…



ちなみに種牡馬としては、良血らしくまずまずいい味出してる活躍馬を送り出していました…



実はミニ・アンバーシャダイと呼んでもいい気がするギャロップダイナなのでした…




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2008年11月24日

211・サクラユタカオー

3日ほど休んでしまいましたが、また地道にいきましょう…

しばらく、オグリキャップの1・2歳年下の世代の馬とその親子を知らず知らずの内に書いていましたが…

今回からは個人的に『まだ書いてなかったか…』って馬を数頭いきたいと思います…

まずは一応、前回・前々回と『サクラ繋がり』の、この馬…

『サクラユタカオー』




この馬は物凄い名馬なんじゃないでしょうか?

競走成績…
引退後…
そして、その存在感…

何か、成績以上に孤高さを感じてしまうんですよね…

一応同期のミホシンザンがライバルなんでしょうが、そんな事関係なく『自分の得意なステージでだけ、一瞬だけ強烈に輝いた!』みたいなのがカッコいいんですよね…

名前に似合わず…



テスコボーイ産駒で立派な栗毛のサクラユタカオー…

デビューから3連勝で共同通信杯を制した訳ですから、当然クラシック有力候補だったのでしょう…

しかし、故障…

復帰は秋の京都新聞杯…

ここはミホシンザンの4着…

更に、今考えると明らかに距離が長かった菊花賞も4着…

まぁ、これは仕方ないでしょう…

で、ダービー卿CT2着で3歳を終えます…

そして4歳初戦の大阪杯は得意の距離でキッチリ勝利…

春の天皇賞に挑みますが…

距離が長く当然惨敗…

まぁ、勝ったのも同じく距離に不安のあったクシロキングなんですが…

で、迎えた4歳秋!

サラブレッドが生涯最も充実すると言われる4歳秋!

たった2つのレースで、サクラユタカオーはその中距離馬としての能力の高さを証明するんですね…

まず毎日王冠!

ニッポーテイオー・ミホシンザン相手にレコードで完勝!

そして秋の天皇賞!

再びミホシンザンなどを相手にレコードで完勝!

更に当時圧倒的に不利だった大外枠で!


もう、この2戦だけで十分ですよ…

だって、今までだって距離が長かったレースではサッパリでしたからね…

ジャパンC・有馬記念と連続6着に敗れますが、中距離で見せたあの強いインパクトは薄れる事なく、種牡馬入りする訳です…


で、種牡馬としても大成功するんですね…

ダイナマイトダディなどの活躍により、なかなかの種牡馬デビューを果たし…

2年目の産駒でいきなりサクラバクシンオーなる超大物を送り、ドカーンとブレイク…

更に活躍馬をコンスタントに送り…

サクラキャンドルのエリザベス女王杯制覇で距離の壁をぶち壊し…

エアジハードで今度はマイルの超大物の父に…

そしてウメノファイバーでクラシックまで制し…

コンスタントさだけでなく、大物を次々送る種牡馬になる!


で、いよいよ内国産種牡馬のエースとして、ストップ・ザ・サンデーサイレンス!ってムードになった時…


まさかの繁殖能力喪失で種牡馬引退!


『うそでしょ?』

って、感じでしたよ…

ストップ・ザ・サンデーサイレンスはちょっと言い過ぎでしたが、本当にまさに『これからが楽しみ!』ってなった直後の発表でしたからね…

どこまでも上っていきそうな上昇気流が、下がったんじゃなく、突然消えてしまった感じですよ…

まぁ、この辺りの全盛期にいきなり引退したのとかも、また孤高のカッコよさに拍車をかけてるんですかね…


とにかく、現役時代も種牡馬時代も、どこか孤高のカッコよさを醸し出しているサクラユタカオーなのでした…

(名前の割に…)




runfor4 at 18:34コメント(1)トラックバック(0)サ(ザ)行の名馬 

2008年11月20日

210・サクラスピードオー

と言う訳で、前回のサクラホクトオーの息子…

『サクラスピードオー』





面白名馬サクラホクトオーが、種牡馬デビュー初年度にいきなり送り出したサクラスピードオー…

どんな馬だったのか振り返ってみましょう…

世代としてはフサイチコンコルドとかダンスインザダークと同じ馬だったんですが…

デビュー2戦目を軽快な逃げで制すると…

2戦続けてオープン特別に挑み…

バブルガムフェローの2着…

メイショウヤエガキの3着…

と、実力馬相手に好走を続ける…

そして迎えた年明けの京成杯(当時1600m)で、重賞初制覇を飾ると…

続く、共同通信杯では1番人気に応えて逃げ切り、名手・小島太に引退目前の最後の重賞制覇を送る…


と言う訳で…

サクラホクトオーの初年度産駒…

重賞連勝…

小島太に最後の重賞を勝たせた馬…

って事で、人気者になったサクラスピードオー…

サンデーサイレンス産駒4強の対抗としてクラシックに直行する事になる…

で、サンデーサイレンス産駒4強が…

バブルガムフェロー骨折…

ダンスインザダーク発熱で回避…

ロイヤルタッチ・イシノサンデーは前哨戦で敗れる…

と言う事態になった為…


サクラスピードオーは皐月賞で2番人気に推される事になる…


そして、この皐月賞…

確かテレビ中継のゲストが小島太…

当然、演出がサクラスピードオーびいきみたいになるんですね…

まず本馬場入場時の実況が…

『父ホクトオーは雨に泣きました!抜けるような青空の下、父の無念を果たせるか!』

みたいな感じにカッコよく…

更にスタート直後の実況も…

『ジワーっと今、サクラスピードオーが良い感じで先頭に立った!』

とひいきっぽい感じ…


まぁ、そんな期待に応える事は出来ず7着に敗れ…

続くダービーでも離された5着に敗れてしまうんですが…


不可解なのはマイル路線に進んだ3歳秋…

オープンでもG1でも、勝ち負けに絡めない5着前後に負けるようになってしまうんですね…

それでも、必死に建て直しを計り、4歳初戦のオープン特別を勝って今後に繋がったと思われたんですが…

ここで故障…

秋に復帰するも、かつての走りはなりを潜め、惨敗に次ぐ惨敗…

そして、5歳の頭に出走したダートのオープン特別では遂に父と同い年のミスタートウジンにまで先着され、地方送りに…

で、地方でもパッとせずに引退してしまうんですが…


まぁ、でも父のサクラホクトオーとしては、初年度からいきなり、これだけのスピードを見せて重賞2勝でダービーでも5着に入れるような馬を出せたんですから…

種牡馬としてしばらくは安泰…

って事になりますよね…


しかし、サクラスピードオーの競走成績と同じく、サクラホクトオーの種牡馬成績も早々と活躍して、後はそれっきりだったんですね…


競走成績が父の種牡馬成績そのものだったサクラスピードオー…


一応、彼の後継者は血は繋がっていないながらも現れました…

小島太厩舎の馬で、軽快な逃げで共同通信杯を制し、担当厩務員さんに定年前の最後の重賞制覇をプレゼントし…

打倒ディープインパクトの一番手なんて言われながら、骨折→その後さっぱりのストーミーカフェ…

彼には何かサクラスピードオーと同じ匂いを感じてしまうのは、自分だけなのでしょうか…




runfor4 at 16:33コメント(2)サ(ザ)行の名馬 

2008年11月19日

209・サクラホクトオー

と言う訳で、オグリの1つ下の世代のクラシックホースを立て続けに書いたんですが…

今回はある意味でのもう1頭の主役…

『サクラホクトオー』




ネタの派手さって点ではクラシックホースに勝ってますよね…

サクラチヨノオーの弟で、父はトウショウボーイ…

デビューから3連勝で朝日杯兄弟制覇を達成…

そりゃ兄と同じくダービー制覇を期待しちゃいますよね…


しかし、そんな期待とは裏腹に、彼には思ってもみない肩書きがついてしまうんですね…



『雨男』


トウショウボーイ産駒の朝日杯馬ですからね、いかにもスピードが信条って感じがするんですが…

1番人気で臨んだ弥生賞・皐月賞となぜか雨に降られて不良馬場で連続惨敗…

皐月賞では全く逆のキャラのダート馬にワンツーを決められてしまう…

それでも良馬場で行われたダービー…

僅差の5番人気に推されますが、普通に惨敗…


すっかりただの『早熟雨男』に成り下がってしまうんですが…


秋には新たな別の芸を編み出して、クラシック路線に帰ってきます…

セントライト記念を勝って、再び注目度を回復すると…

迎えた菊花賞で新技を披露…

レース中に外ラチまで吹っ飛んでいき…

超大外の外ラチ沿いを追い込み僅差の5着!

正に『1人シンザンの有馬記念』状態…

これで『外ラチ』『雨男』の2つのキャラを持つ芸人として再び人気者になったサクラホクトオー…

続く有馬記念でもイナリワンとスーパークリークがゴールした後、物凄い脚で3着に突っ込み…

4歳初戦のAJCCを勝利し、実力・人気双方で注目の馬に返り咲きますが…

その後は絶えずまあまあの人気になるも、あまり順調に条件バッチリのレースには出られず…

4戦惨敗で引退…



結局、2歳終了時に期待されたような活躍は出来なかった訳なんですが…


それでも…

オサイチジョージは別として…

皐月賞だけのドクタースパート…

ダービーだけのウィナーズサークル…

3歳秋だけのバンブービギン…

と言ったクラシックホースと比べても…


2歳時の活躍…

雨男…

外ラチ…

そして、血統・名前・騎手・厩舎…

『華がある』って点では圧勝ですよね…



なもんで、オグリの1つ下の谷間の世代…

オサイチジョージとクラシックホース3頭の他に、もう1頭主役がいたとおもっています…



で、種牡馬になったサクラホクトオーなんですが…

これがまた『らしい』子供を競馬場に送り込むんですね…

今回、書いちゃってもいいんですが、一応改めて次回に書く事にしましょう…

それではまた次回…

さよなら…




runfor4 at 00:00コメント(4)サ(ザ)行の名馬 
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