それでもホノルルを走る 頸髄損傷からマラソン完走を目指して more on Twitter @SCI0325

2017年3月にロードバイク転倒で頸髄損傷 四肢麻痺となり そこから年末のホノルルマラソン完走に向けての日記。 症状、リハビリ状況など。 more on twitter @sci0325

ランナー、トライアスリート。
齢50にしてロードバイクで転倒、 頸髄損傷して四肢麻痺に。
それでも今年で13回目のホノルルマラソンを走りたいを目標に、事故からマラソンまで8ヶ月半、リハビリして完走までの記録とその後。

病床で一番為になる情報は、同じ 頸髄損傷( 頸損)や脊髄損傷(脊損)の方のブログだった。
ランニング、ロードバイク、スイミング、トライアスロン。そんな競技をやっていて同じ問題を抱えてしまった人へ、このブログが少しでも参考になる事を願って。

Run Honolulu
藍 帆之流々
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考えてみると2019年は全く自転車に乗らなかった気がするが、2020年は既にランニングと水泳をこなしているので、トライアスリート(笑)として自転車に乗らない手はないだろうと思っていた。休みの最終日に小径車を持ち出してきて、空気を入れ繰り出した。
退院後にこの小径車とマウンテンバイク2台には乗っていたが、いずれもわざわざ車で駒沢公園まで運んで行ってから、クローズドのサイクリングコース(と言っても通行人がうじゃうじゃいるのだが)を周回しただけだったので、公道に出るのは2017年の3月25日、事故した日以来だった。今そう思い返すと実に感慨深い。
まあ、乗り出すときにはそんな大袈裟な風には思っておらず、年末年始にスイム、バイク、ランの3種目を一応やって自己満足したいだけだったが。
公道とは言え、川沿いの歩道中心で車の通りは殆ど無い所を選んで行った。もちろんゼロでは無いからかなり慎重に走る。
妻は心配がって次男を護衛に指名した。
色々面倒を掛けるな。

川沿いの道を何本か繋いでいくと、路上駐車防止の棒が並んでいるところがある。ここではロードバイクでハンドリングの練習を何回かやったものだったので、自然にスラロームに入ってみた。ハンドルを擦った箇所があったが、問題なく通過。こんな事やるのは小学生位だろうが、やってみると楽しい。

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全部で6km程度のライドだったが、非常に満足。ただ自転車は路面のアップダウンの影響を大きく受け、少しでも登り(高低差せいぜい2m)があるだけでもペダルが重くなりシフトダウンをしないといけないので、結構足の筋肉には来る様だ。これは実走行しないと得られない感覚。室内の固定バイクでは負荷は変えない一定出力だから。
お陰で翌日の朝階段を下りる時に心地よい筋肉疲労が感じられた。このメニューはカロリーは大して消費しないが、徒歩やラン意外の足の使い方と爽快感がとても良い。
またやろう。

年末年始の休暇の終わりが来た。信じられる?
休んでるのってなんでこんなに早いのかな。

正月休み中、珍しく次男に誘われて近くのスポーツセンターのプールに行った。ホノルルで泳げることは確認出来でいたので、あとは日本の一般的なプールでの耐性を確認したい。更衣室の温度とか、床の冷たさとかシャワー、水温、コースロープで仕切られたレーン。
年明け早々のスポーツセンターは暴飲暴食のツケを返そうと思ってか、トレーニング室は中々の人出だったが、プールは混雑しているという程でもなく迷惑かけずに泳げるかなと思えた、
更衣室は暖かく、床はプラスチック出てきた網目の物だが、靴下を履いて歩いてたら問題はなかった。

スイムウェアに着替えて、シャワー。ここは温水が十分暖かく大丈夫だった。プールの入り口は梯子を降りるタイプではなく、ゆるいスロープなので安心。足首から入っても痛みを感じない水温だった。31度くらいだろうか。
スロープ横は2レーンのウォーキングコースだ。そこからコースロープをひとつくぐり「フリー」コースに出る。ここはビート板やら親子連れやらが自由に出来るゾーン。その隣が往復それぞれに分けられた「泳ぐ」レーン。一番奥がワンレーンで往復出来るコースになっている。
フリーコースでは小学生やらが遊んでいたが、そんなのは気にせず泳いでみる。ホノルルで泳いだ様に全く問題なく泳げたが、どうも日本のジムのプールは体育っぽくなると言うか、ゆったり泳ぐより、少し頑張って泳ぐ感じになってしまう。多分コースロープや水泳帽の周りの雰囲気のせいか。

最初は25m行って一息つき折り返し。50を問題なく行けた。心配は泳ぎそのものより、足がもつれて立てない事だったが、それも問題無し。ここまで次男に見ててもらってから、あとは別々に。次男週一でスイム練習に行っているが、年末年始泳いでない分久しぶりに泳ぎたかった模様。
僕もそこから50mを繰り返し、まず200で小休憩。そこから500mまで泳いだ。少し身体が冷えてきて寒さを感じたので、ジャクジーに温まりに行く。5分ほど入ってから次回の休憩時間までにあと500m泳ぐ目標にした。
再び50mを繰り返して残り7〜8分でラスト100mになった時は完泳を確信できた。
途中、自分でタイム計測してみたが、大体25mを33〜34秒だった。ラストの25を次男に計測してもらい、かなり本気で泳いだが31秒。30は来れなかった。

最も、泳いでいても腕は伸びないし、そもそも真っ直ぐに出来ない。前に出した腕は直ぐに沈んでしまうので抵抗が大きく進まない。水を掻く動作もぎこちなくしか出来ない。特に左手を前に、右手で掻くのが難儀した。
それでも1000mを泳げたのは嬉しい。時間はかかってしまうが、またやろうと思った。
出来れば気温の高い時期に。
水から上がって更衣室に行く間は寒くてガチガチだったのだ。

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ネタがない筈のブログだったが、思い出したらあった。
今からちょうど一月前、出張中に転倒した話。
脊損になって「転ばない様に」注意してきたつもりだ。これまで中腰から尻餅をついた事はあった。去年の年末近く、後ろから自転車に衝突されて転んだ事があった。
ただ、自分から思いっきりコケた事は無かったな。ウォーキングやランニング、普段の歩きでも右足爪先を突っかけて危うく転倒しそうになった事はあったが、それぞれ上手く持ち堪えていた。
それが。
11月の末とは言え、まだ冬物のコートは無くても大丈夫な気候だった。金曜から土曜にかけての出張は初めての訪問先だった。土曜の午後、ほぼスケジュールも大詰めの時。ある大学構内での事。ホールから別の教室に移動する際に少し寒く身体が好調気味だったとは言え、問題なく歩いていたが、建物の間の階段を登る際に右足の爪先を突っ掛けた。
良くある事だったが、この時は別な段に阻まれて右足は前に出せず、瞬間に転ぶ事は分かった。せめてダメージを減らしたい。普通は手をつくところだが、僕は手が出ない。文字通り「手が出ない」。
あっ、と思った直後に頬から階段の角に倒れた。寒いし強烈に痛い。左手で頬を抑えていたが、そのてさを見るとちかで真っ赤にだった。ハンカチで押さえて暫く待ったが、そのハンカチも真っ赤だった。ちょっとまずい気がしたものの、頸髄に問題が起きたのならその瞬間に麻痺して身体が動かなくなる事は経験上知っていたので、外傷だけなんだろうと考えていた。

手が出ないのは本当に深刻だ。以前に自転車に追突された時は手が出ないまでも、なんとか左手前腕から着地して上手く受け身の様な形に出来た。
しかし今回右の手はそれより遅く、階段に倒れたため地面そのものよりも早く着地せざるを得ない。なのでガードの手は全く間に合わず、右頬を階段の角に強打するに至った。

幸い周りには人も居り、同僚にも連絡された。大学の医務室からも救護に来てもらい、車椅子で医務室で傷口を見てもらった。それなりに深さのある傷口だが、出血はかなり収まって来ていたようだ。しかし自分から脊損がある事を話すと、医務室か近くのない病院に連絡して予約を取ってくれた。土曜の午後遅く、予約してなければ受診に苦労したかも知れない。

同僚が車で病院に送ってくれた。イベントがあるのに申し訳なかった。当直の先生は外科の先生だったので外傷を見てもらうには良いだろう。傷は浅くはないが、縫わなくても良い、消毒して絆創膏(バンドエイド)のちょっと昭和な処置だった。ここでも脊損があるからと相談してCTを撮ってもらう事にした。MRIは直ぐには出来ない。
先生は整形外科ではないから分からないけれど、別の先生に見てもらったら特に骨に異常はないですと告げられた。まあ、そうだそうと思ったけど。
帰宅中の新幹線で駅弁を食べていると頬から伝わるものを感じたので手を当てると血が。先生お願いしますよ...
帰宅して傷パワーパッドに張り替えた。そうしないと枕に血がつく気がして。

後日、主治医にデータを渡して診てもらったが、こちらでも特に問題は無し。脊髄は瞬間に来る。来なければ深刻な影響は出てないと改めて思った。

その1週間後のホノルルマラソンも無事完走出来たのだから、深刻なことは何もない。
この転倒を物語る物は頬に出来た傷くらいだろう。
この年になったのだから「頬に傷のある男」でも悪くはあるまい。

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