スタートまであと30分
各チームの第1走者が準備をし始めるような雰囲気になり、会場全体に緊張感が高まってきた。
僕は前回青葉の森リレーに出ているとはいえ、一応今日のコースを1周しておこうと思って、ゆるゆるとジョグで今日のコースを走り出す。
ゆっくりと走るとなんだか景色が違うように見える。リレー本番は前だけを見てかっ飛ばしていくわけなのだが、ゆっくり走ることで「あ、ここにこんなのがあるんだ」とか、「つくしの家なんてのがここにあるんだあ」といった気づきがあってなんだかおもしろかった。
???「Fさん」
おもむろに横に並んできたランナーがいて、声の感じと雰囲気ですぐに誰なのかわかった。
自分「あれまあ、けんたろうさん!」
けんたろうさんは前回の青葉の森リレーで雷神チームの1走、10走、19走を走っており、チーム一番のタイムで走られていた。その後、夏の行田公園リレーでは、僕やニコマッチョさんと同じ「トルネードと海老川の力」というチームで一緒にタスキをつないだ。あの行田公園リレーでのけんたろうさんのkm2分40秒ぐらいでバンバン走っていたあの強烈な走りがまだ忘れられない。
自分「今日は雷神で走るんですか?」
けんたろうさん「いや、ちょっと脚の状態が良くないので、今日は応援なんです」
自分「そっかあ、なかなか不調が長引いて大変ですねえ」
けんたろうさん「ええ。でも今日、Fさんがここに来るような気がしたんですよね。応援しますよ!」
自分「あっはっはっは!雷神・風神を応援しないと監督に怒られますよ(笑)」
「Fさんが今日ここに来るような気がした」
実はこのセリフ、この後色々な知り合いランナーから同じように聞くことになる。なんだかそう思って頂けて、またそうおっしゃってくださってありがとうございます。僕はなんとか元気で走っています。こんな自己愛全開ブログを書けるぐらいに(笑)。
ちなみにけんたろうさんが前回第10走で出したタイムは1.98kmを6分8秒(km3分6秒)。さすがのタイムだけど、僕は今日、このぐらいのタイムをなんとか出したいし、出せるだけのことをやってきたはずだ。頑張ろう!
【チーム名改名】
コースを1周走って陣地に戻る。みんなそろっている。タイム表のボードを見てみると、チーム名のところが「奏坂46」と書かれていた。
自分「え、今日このチーム名でやるんですか?」
テルさん「ええ、そうです。今日改名しました。」
ということで、われらは本日から「奏坂46」となったようだ(笑)。
【第1走スタート】
いよいよスタートが迫ってきて、われらが「奏坂46」の第1走、伊藤さんがスタート地点に向かわれた。伊藤さんのシューズはアルファフライ。伊藤さんは割とアルファフライと相性が良いので、最近のここ一番はこのシューズを使われる。
第1走のスタート地点で5000m14分~15分ぐらいのランナーがずらっとそろっているその様はやはり圧巻だ。
自分「いやあ、見ているだけですげえ緊張するなあ」
2021年5月23日 9時30分 第19回青葉の森リレースタート!!!
いやあみんな速い速い。もう長距離っていうスピード感じゃないっすね。すごいなあ。
伊藤さんは最初抑え目に入っているように見えた。多分いつものように、きっと後半ぐっと上げていくんだろうなあと思った。
ほどなくして先頭のJR EASTのランナーが帰ってくる。ちょっと次元が違いすぎる。もはや実業団レベルだもんな、このチームは。
そして一人また一人と帰ってきて第2走者にタスキリレーをしていく。
伊藤さんも帰ってきた。順位的には5番手~7番手ぐらいかな。すごい!
km3分を切るペースでさすがの大エースの走りで第2走者のA田さんにリレー。
自分「ああもう、次は自分かあ。」
【残像】
ゼッケン8番、奏坂46の第3走者としてタスキリレーゾーンで待つ。
ああ、またここに帰ってきた。僕はまた帰ってきたよ。
2年前、ブログ村マラソンカテゴリというところでブログを書いている人達で集まってこのリレーに出場した。全部で30人ぐらいが集まって、3チームで出場した。
海浜韋駄天チーム、撃沈上等チーム、混合上等チーム
その30人の中で、僕は今日ただ一人この場所に立っている。ただ一人、ここに帰ってきた。
あの時のみんなの中で、このブログを今読んでくださっている人はいるのかな。
嘘でもなんでもなく、時折あの日の残像が見えていたよ。なんかみんなの残像が時折みえるんだよ。うん、なんか変なこと言っているけど(笑)。あの日のことを思い出すなというのはそれは無理がある。あの日のことは強く心に刻まれたのだから。
でも、今日僕は自分のチームのために全力を尽くすために今この場所に立っている。自分を拾ってくれたチームリーダーテルさんや受け入れてくれたチームの仲間のためにも、今日僕のチームを少しでも良い順位にもっていきたい。
【1年半】
リレーゾーンに立っていると、どんどん緊張して心拍数が上がってくる。こういう感じいつ以来だろう。もう1年半ぐらい味わっていない感覚だ。もう忘れそうになっていた感覚が、今ここによみがえってきた。
こういう感覚の中で走りたくてマラソンを今日まで続けてきた。だから今日、この場でそれを感じることができたこと、そしてそうした機会を頂けたことに感謝の気持ちでいっぱいだった。
不思議と気持ちはとても落ち着いていた。
さあ第2走者のA田さんが勢いよく帰ってきた。エース級がそろう区間で見事な走り。順位は7番~8番といったところか。ここから順位を上げてやる!
A田さんからリレー
そして自分の今日1回目の走りが始まる。
つづく
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