January 04, 2005

ボタニカル・アート・カレンダー

西岸地区のラマッラーにあるサカキーニー文化センターが、パレスチナの野の花をテーマにした2004年カレンダーを出しています。さるドイツの団体の資金提供による一回きりのプロジェクトですが、増刷するほど好評だったそうなので第二弾が出るかもしれません。このカレンダー、西暦なのですが土曜日から金曜が一週間になっていて、特にどの曜日がホリデーという表示がない。そういえば、アラブ世界では一般的にどんなカレンダーが使用されているのだろう。おまけにパレスチナというところは、キリスト教徒やユダヤ教徒も住んでいるわけだし・・・うむむ

b1abcbc1.jpg<←クリックすると拡大>地中海に面したパレスチナには2000種を超える植物が自生しているそうで、うち250種が絶滅の恐れありとして保護指定を受けています。このカレンダーにはアザミやアネモネ、クロッカスなどよく知られた12種の野草が取り上げられていますが、そのうちアネモネ、シクラメン、チューリップに「保護マーク」がついていました。植物図鑑風の水彩画が、その花をもとにした伝統的なタイル模様と一緒に配置されていて、各ページにそれぞれの野草の特徴が、アラビア語と英語の併記で解説されています。

一見したところは、英国人の好みそうな洗練されたボタニカルアート・カレンダーで、年末にデパートや本屋さんに山積みになっていてもおかしくない。野生の動植物を詳細に描き自然保護を訴えるというのはギフトカレンダーの定番もの、退屈なほど無難なジャンルといえるでしょう。でも、それがパレスチナの自然となると意味が変ってきます。パレスチナの自然を保護するとは、どういうことなのか。いったい何がそれを蝕んでいるのか。

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Turip-May伝統タイルのパターンを配置したところも見逃せない主張です。この土地にずっと住んできたのは誰だったのかをさりげなく誇示しているのですから。「無人の地」への入植者が「砂漠を緑に変えた」というイスラエルの建国神話への反論として、土地の自然に結びついた自分たちの伝統を強調するほど効果的なものはないでしょう。ラテン語の学名とアラビア語による呼び名が併記され、訳文には英語名も出ています。そういえば、植物画のジャンルにはマリアンヌ・ノースのような人物もいたなあ。そういうものに対しては、一種のPaintng Backといえるのでしょうか。


こういうものがシオニストにとっては一番てごわい表現方法なのではないかという気がします。めざわりだけれども噛みつく隙がない。


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