夏は雑草が勢いを増し、住宅街や道路の端を完全支配します。雑草って本来は、「勝手に生える邪魔もの」などのマイナス・イメージが強く、植木屋さんなどに嫌われます。しかし、雑草は生き物としては高く尊敬すべきです。「雑草魂」との言われもありますが、これは「粘り強く我慢して、自分の出るチャーンスを伺う」や「何回刈られても、諦めないで、再び立ちあがってチャレンジする」のような意味。ぼくもいつも、この雑草魂を大事に思っています。

 各地でごく普通に見られる雑草は、エビネランやヤマユリなど貴重な野花と違って、勝手に収穫してもだれにも怒られません。ですから、昼前後の強い日差しで脳みそが溶けそうになったら、そこで咲いている雑草の花を摘み取り、近くのカフェに避難します。アイス・ソイラテや抹茶クリームなんとかでバテタ体を癒しなら、花をゆっくりと観察したりスケッチを描いたりします。

 北総の道沿いには数多くの雑草が夏を通して花を咲かせてくれます。

1,ヒルガオ 

 どこの道端にもよく生えるつる性の多年草。人気者のアサガオと近い仲間で、花の形も似ています。英名のbindweedは「縛りの草」の意味、塀や他の植物にからみついて伸びる習性を差している。花筒の中に雄しべ5本と雌しべ1本が隠れている。柱頭(雌しべの先端=花粉を受け取る役割を果たす)が2裂し、ローマ字の「U」の面白い形になる。ヒルガオの葉っぱは蚊などの虫刺さりに効く民間薬としても使える。生の葉を汁がでるまで揉み潰して、患部に当てるとかゆみが和らげられる。

HIRUGAO-C1 s

2,コヒルガオ 

 ヒルガオより花が一回り小さい。葉っぱも基部が横に張り出して、ヒロガオとちょっと違う感じ。一番信頼できる見分けポイントは花柄にある。コヒルガオの花柄は上部に小さな波状の翼がついていて、ギザギザしているが、ヒルガオの花柄は滑らか。コヒルガオの葉っぱも虫刺さりの癒しに使える。

KOHIRUGAO-C1 s

3,ヤブガラシ 

 とても強いつる性の雑草。和名の意味は「藪の辛」ではなく、「藪を枯らす」。また、ビンボウカズラ「貧乏蔓」という別名もある。これはこのつるが生え茂っている家なら、植木屋さんを雇う余裕がないほど貧しいという意味。ブドウ科の仲間であるが、花は直径1~2ミリほどとても小さい。開いたばかりの花は鮮やかなオレンジ色で、花弁4枚と雄しべ4本が目立つ。花の中央に雌しべもついているが、この時にはまだ小さくて未熟である。ところが、数時間立つと花弁と雄しべが枯れ落ちて、花の色がピンクに変わる。すると今度は雌しべが伸びて熟す。つまり、ヤブガラシの花の最初は雄花であるが、後で雌花に変わる。このように雄しべと雌しべがそれぞれ熟すタイミングをずらすことは、自家受粉を避ける作戦と考えられている。
YABUGARASHI-C1 s

    (2012/7/20 ケビン・ショート)