ナチュラリストのケビン・ショートさんと初めて出合ったのは4年前です。近くの公園で朝日学生新聞が主催する自然観察会の子どもたちを引率していました。彼にお願いをして途中から参加させて頂き、そして初めて教わった樹木がウワミズザクラでした。また最近も電話で”公園のウワミズザクラの実が綺麗だよ”と教えて頂くなど、私にとってのウワミズザクラはケビンさんと結びつく特別な樹木と云えます。

1,ウワミズザクラ(バラ科)  2012/8/13

 山野に生える落葉高木です。高さは10~20㍍ぐらいになります。およそサクラらしくないサクラですがサクラの原種と云われています。和名の由来は、上溝桜の意で昔、この材の上面に溝を彫って占いに使ったからだそうです。
1,120813ウワミズサクラの樹形(北総花の丘公園E)s
 写真左下;子どもたちに樹木の特徴を説明するケビンさん(2008/4/26)

2,ウワミズザクラの樹皮・冬芽・若葉  2012/8/13

  成木の樹皮は暗紫褐色で横に皮目が多数入ります。冬芽は卵形で赤褐色です。葉は互生で卵状長楕円形、先端は尾状に尖っています。縁には細くて鋭い鋸歯があります。小枝や花のつく枝は秋に落ちます。

2,120813ウワミズサクラの樹皮(北総花の丘公園E)s
    写真左下;冬芽(2012/3/7 )       右下;若葉(2012/4/15)

3,ウワミズザクラの花  2012/4/21

 葉の展開後に開花します。本年枝の先に長さ8~15㌢の総状花序を出し、白い5弁花を密生させます。花のもとに数枚の葉がつきます。花芽の展開では、赤みを帯びた苞が目立ちます。

3,120421ウワミズサクラの花(北総花の丘公園D)s
    写真左下;花芽の展開(2012/4/1 )
 
4,ウワミズザクラの果実  2012/8/13

 核果、直径約8㍉の卵円形です。8~9月に黄赤色から黒く熟します。つぼみや若い果実は塩漬けにして食べる地域があるようです。また黒く熟した実はクマたちの大好物だそうです。

4,100731ウワズミザクラの実(大野) s

*ケビン・ショートさんが著した本を初めて購入したのは「ドクター・ケビンの里山発見記」です。この本を読んで彼が印西に住んでいるナチュラリストであり、カントリーサイド(里山)の発見や喜びを教えてくれる人だと知りました。そして初めて出会ったときに彼から勧められたのが「いんざいのネーチャー・ウオッチング」(印西市)です。いまではこの本が「北総のフィールドノート」を書くためのバイブルになっています。

参考資料:山渓ハンデイ図鑑3、解説石井英美・崎尾均ほか「樹に咲く花」(山と渓谷社)2010/4
        奥田重俊他著「フィールド図鑑ー植物④ 山地の森林植物」(東海大学出版会)1985/11
写真は、印西市内です。  (写真・文 S.S.)