アシは「悪し」につながるとして「良し」にかけてヨシとも呼ばれています。山渓の図鑑はアシ(別名ヨシ)としていますが、現在の図鑑の名前はヨシとするのが一般的のようです。他方、アシはお金を意味する「お足」を連想させて縁起がいいとして、大阪市の花にも指定されています。ヨシが一面に生える場所はヨシ原と呼ばれ、古くは江戸の遊郭吉原の地名の由来となりました。関西では芦屋市、姓の吉田のヨシ田などアシとヨシは両者とも身近な存在でした。また茎はヨシズ(葭簀)の材料となり、猛暑時の節電対策の一つとして我が家でも重宝しております。

ヨシ(葦・蘆・葭)(別名 アシ)

イネ科ヨシ属の多年草で、池、川など湿地に生育。塩分に耐える性質がある。太い地下茎を伸ばし節から芽を出して大群落をつくる。高さ1.5~3メートル。茎は円形で中空、太くて硬く、直立し分枝しない。
葉は長さ20~50センチ、幅2~4センチの線形で、互生。斜めについて先が垂れる。葉身の基部に葉耳という張出しがあるのが特徴の一つ。
ヨシ1
ヨシ2
ヨシ3
 花期は8~10月。花穂は15~40センチの大型円錐状。小穂は1.2~1.7センチで淡紫色で2~4個の小花をつける。小穂は成熟すると淡紫色から褐色になり、絹毛をつけた小花が風に乗って飛び散る。
ヨシ4
ヨシ5
 仲間には、ヨシに似たツルヨシ(蔓葦)があるが、根茎ではなく、水上や水中につるを出して増える。また茎の節に毛があり、葉耳の張出しがないことが相違点である。
参考文献:「野に咲く花」(山と渓谷社)
       「身近な雑草の愉快な生き方」(稲垣栄洋著 ちくま文庫)

撮影場所はいずれも松戸市内   (文・写真 K.M.)