師走に入ると、暦どおり冬型気圧配置が勢力を強めてきました。一方、12月の声を聞いても花暦とは無関係にハコベ、ヒメジョオン、ホトケノザ等野の花があちこちで見られます。近年、果物や野菜の旬が失われつつあります。野の草花でも季節性がなくなっているように思われますが、温暖化のせいでしょうか?

先日、林縁を通りかかった折、運よく遅咲きのキバナアキギリを見つけました。


1.キバナアキギリ(黄花秋桐)

シソ科アキギリ属の多年草で低い山地の木陰に生育。高さ2040センチ。茎はシソ科の特徴である四角形。名前の由来は秋、桐に似た黄色の花をつけるところから来ている。葉は対生、長さ510センチ、幅47センチの三角形のホコ形で鋸歯がある。葉柄が長い。


121123 キバナアキギリ(印西)
2.花は黄色の唇形花

茎先に花穂を出して長さ2.53.5センチの淡黄色の唇形花を数段つける。

121123キバナアキギリ(印西)
3.アキギリ属の特徴

キバナアキギリの雄しべ4個のうち2個だけ完全な葯。残りの退化した2個は紫色で葯2個は互いにくっついていて花粉は出さない。上唇は立ち上がり、下唇は3裂して前に突き出している。

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4.完全な雄しべ

2個の完全な葯には黄色の花粉がついている。長く伸びているのは花柱。

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5.虫による受粉の仕組み

下の写真は雄しべがよく見えるように上唇を破ってみたもの。虫が下唇に降り立ち、花の中にもぐりこんで退化した紫色の葯を押すと、つながっている花糸(支柱)がシーソーのように下がり虫の背中に花粉がつく。

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6.果実は4分果

萼の基部に4分果ができる。花後も残った萼に包まれているが、熟すと萼はサルビアのように落ちる。果実は黒茶色。

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参考文献:「野に咲く花」(山と渓谷社)

撮影場所はいずれも印西市内         (文・写真 K.M.)