僕が、小学校高学年の時、横綱千代の富士全盛期だった。当時引っ越したばかりで、遊ぶ友達もいなかった僕は、夕方からはじまる大相撲を見ることを楽しみにしていた。


テレビで見る千代の富士は、スピードとパワーで次々に大きな力士を倒していった。
背も小さく、徒競走ではいつもビリだった僕にとって初めて現れたヒーローだった。
カラダが小さくてもきちんと鍛えていけば、でかいやつに勝てる。
このことが、当時の僕にとってどれだけの勇気を与えてくれたか。
中学に入って、体育会一本槍となった僕は、ひたすら練習と筋トレ、自主トレに明け暮れた。思春期の男の子にとって、背が小さいというのは、生存権を脅かされかねない恐るべき劣等感である。いや、僕にとってはそうだった。

そんな僕にとって、常に勇気をくれたのが千代の富士だった。
大好きなヒーローだった。
学年で最も小さな僕が、水泳でも柔道でもそこそこの選手生活をすることができたのは、間違いなくマイ・ヒーロー「千代の富士」の存在があった。

現役最後の方は、怪我がちになり貴花田に敗れた取り組みを見た時、ああこれで終わったと思った。
その後の名言。。。
「体力の限界!気力も無くなり、引退することになりました」
と、涙をこらえながらの発言に中学生ながら胸を熱くした記憶がある。

でも、実は千代の富士の身長が、183センチと知った時には、正直「でけーじゃん!」って、思ったけどね(笑)

僕は、まだ体力も気力も限界ではない。挫けそうになることが多いけど、自分に勇気をくれたヒーロー千代の富士のご冥福を祈りつつ、もらった勇気を改めて胸に秘めていきたいと思う。