イエスさまは、死者の中から復活され、人間に天国の門を
開いてくださいました。それで、私たちにとって死は終わり
ではなく、永遠の命への希望であります。天国への道は
この世から始まっているのです。天国は神さまがおられて
亡くなった霊魂たちは、神さまを愛し、神さまから愛されて
永遠の愛に生きています。人間の生きる目的が天国の幸福
にあるからです。神さまは愛であり、善でありますから、私たち
に悪(罪)があれば、神さまと交わることができません。
そのために、悪魔の欲望を捨てることが求められているの
です。人間は、悪魔に欲望へ誘惑され悪を知り、罪を犯して
しまいました。それで、霊魂(心)の愛と平和を失い、死の恐怖
と未来の不安に苦しめられて生きています。人間が悪魔に
罪(欲望)で支配され、死を避けて生きている理由です。
悪魔は欲望で人間の脳と心をコントロールしているので、
私たちは自分の望む善いことをしないで、却って望んでい
ない悪いことに従ってしまうのです。神さまの敵である悪魔は、
人間に欲望を与えることで、この世の神となっています。
悪魔は人間が憎いので、霊魂を地獄で滅ぼすために欲望
を与え、罪を後悔しないように働いています。人間に生きて
いる間がすべてであると信じ込ませています。
人間が神さまを信頼しないで、悪魔の欺瞞を信頼している
のは、人間の知恵が悪を知ったためです。人間が生きて
ゆくために必要なのは、悪魔の欲望ではなく、神さまの
生命であります。善と悪を知る木の実を食べた人間は
欲望に目覚め、悪魔に依存しているのです。人間が永遠
に生きるためには、神さまの生命を食べることでした。
イエスさまが「私は生命である。」と、言われたのは、霊的
食物であると言う意味です。それは、霊魂に必要な神さま
の聖寵(愛)であります。マリアさまが聖寵満ちみてるお方
であったのは、マリアさまの霊魂には罪の汚れがなく神さま
の愛で満ち溢れていたからです。神の母となる特権のために
マリアさまは、無原罪でお生まれになったからです。
そして、人間の完成されたお方となり、人類の救済のために
新しいエバとなり、人類の母となられたのです。
人類の先祖であるエバ(女)は、神さまの命令に背いて、
悪の実を盗って食べました。神さまはエバに教えられたの
です。「この楽園の生命の木の実は食べてもよいが、中央
にある善と悪を知る木の実は食べてはならない。それを
食べるとあなたたちは、死ぬから。」神さまは先祖に永遠の
生命を約束するために、神さまのことばを守るように命じ
られました。そこへ蛇の姿をした悪魔がやって来て言います。
「神のことばなど信じるな。神はお前たちに生命の幻しか
与えていない。動物でさえ子孫を残すことができるのだ。
お前たちもこの知恵の実を食べると目が開け、神のように
なれるのだから。」と、エバを性の罪に誘惑します。
私たち人間に性を教えたのは、悪魔であります。人間の
純粋な愛が悪魔によって、不純なものとなり、悪魔と人間
の不正な交際が始まりました。悪魔は神さまに造られた
天使でありましたが、その心に悪が芽生え、神さまの愛に
反逆する霊となり、悪魔、悪霊となって、天国を追放され
地獄の火で滅ぼされてしまいます。けれど人間の罪が増すと
地獄のフタが開けられて、悪魔、悪霊は人間を罪に誘惑
するためにこの世に出てきます。それは、神さまが霊魂を
救い、罪を清めて改心の恵みを与え、天国に導くためです。
人間は神さまの愛を失い、罪のために苦しむようになり
ました。神さまは人間を罪から救うために、イエスさまを
この世にお遣わせになり、人間の罪の身代わりとされ、
十字架の上でお亡くなりになりました。神さまは人間をご
自分の愛のためにお造りになれれたことを、イエスさまの
死を通して証明されました。「神はわが子を与えられるほど
この世を愛された。神はこの世を裁くためではなく、おん子
イエスによって、この世を救うためである。」と、聖ヨハネは
教えておられます。
マリアさまは、霊魂を救うために人間に罪を悔い改めて神さま
に立ち帰り、ロザリオを祈るように励ましておられます。私たち
が罪を後悔するのは、人間の意思ではなく、聖霊(神の霊)のお恵み
であると思います。マリアさまはやさしいロザリオの祈りでイエスさま
の聖霊を取り次いで、天国の恵みに導いて下さっているのです。
イエスさまが聖霊によって、マリアさまからお生まれになったことを
想像して見ましょう。神さまには出来ないことは何もないからです。
神さまを信じられたマリアさまは謙遜であり、その教えに従われ
ました。神さまはマリアさまの霊魂を高められたのです。先祖エバ
は悪魔の言葉と自分の知恵を信頼し、傲慢となって、神さまの教え
に反抗し霊魂は堕落してしまい、その子孫である私たちも先祖と
同じ道を辿っているのです。マリアさまの教えを信頼しロザリオ
を唱え、罪を償い神さまの愛と救いを求めましょう。