2007年07月11日

子どもの安全を守る(4)通学路(迂回路編)4

a4059ba7.JPG 読者の皆様は、通学路は、どこが決めるとお思いだろうか。

 教育委員会、学校、PTA、・・・。どれも、当らずといえでも遠からず。と言ったところかな。


 冒頭の話は、教頭としての1校目である。


 ここでは、着任早々、通勤途上で、不思議に思うことがあった。

 学校までの道の途中から、教職員の通勤の道と、子どもたちの通学の道が異なってしまうのである。

 教職員は、住宅地の中を通る。

 子どもたちは、ガードレールがあるとはいえ、また、途中にある橋は、車と人が完全分離されているとはいえ、車の通行の激しい道を通っていく。ざっと、教職員の通る道の2、5倍の距離があった。

 大きな迂回路である。


 開校後、数十年たっていたが、ずっと前からそうなっていたとのこと。

 いろいろな方にうかがってやっと分かった。

 開校当時、住宅地の方々が、自分の家の前を通学路とされることに反対したのだとのこと。その理由は、

○ 子どもはうるさい。閑静な住宅地になじまない。
○ 子どもは、ピンポンダッシュなど、何をするか分からない。

それを聞いて、あぜんとしてしまった。大人は、みんな、全員、かつては子どもだったのだよね。



 ああ。でも、ここで言いたいのは、そういうことではない。通学路は誰が決定するのかということだった。

 そう。住民の意向を無視して、子どもの通学の利便性、安全性だけで決定することはできないのだ。


 たとえば、一応、これは納得できる理由なのだが、商業地域では、以下のようなこともある。

 「我が商店街を通学路とされるのは、商店街の死活問題である。ちょうどその時間、多くのお店には車が出入りするし、商品の積み下ろしなどで、忙しいのだ。」


 もう、ご理解いただけただろうか。そう。通学路を決定する権限を実質もっているのは、スクールゾーン対策協議会なのである。

 スクールゾーン対策協議会に町内会長さんが加わっているのは、ふつう、どこもそうだと思う。
 それに加え、先のように商店街のある地域なら、商店会会長さんにも入っていただく。こうして、通学児童、その保護者、さらには、地域住民の方々、それに学校も加わるかたちで、利害関係を調整のうえ、通学の安全を最大限重視して決定していく。これが正解だろう。




 話は変わる。


1.とは言え、・・・、わたしが勤務した学校をふり返ってみても、保護者、PTAが、通学路の変更を要望してくることは多い。そして、多くは、上記のような問題もなく、学校とPTAとで、実質決定してしまっているのだと思う。

 『でも、ほんとうはそんなに簡単な問題ではない。』・・・ということは、お分かりいただけたかな。

 わたしは、通学路の変更があった場合は、事後承諾をいただく意味でも、スクールゾーン対策協議会に報告していた。また、変更でごたごたしているさいちゅうに同協議会が開かれる場合は、直接議題としたこともある。


2.毎年要望が出されることもある。2度目の要望で元へ戻ってしまうこともある。しかし、わたしは、そういうことがあってもいいのだと思う。ご承知のように、校外さんは毎年メンバーが替わる。そのとき、そのときの校外さんの意向が違うということはありうる。

○ 『どうして、こんなに遠回りさせるの。』と考える方と、『どうしてこんなに危険なところを通るの。』と考える方とで、要望する通学路が異なるケース。
○ 安全性だけに限っても、『どうしてこんなに車の通行量の多いところを通るの。』と考える方と、『どうしてあんなに人通りの少ないところを通るの。変質者が出るとこわいじゃない。』と考える方とで、要望する通学路が異なるケース。


3.通学路は、保険の問題にもかかわる。もっともこれは、全国共通で言えるのかどうかは分からない。

○ むかしは、通学路を通っての事故でないと、保険はおりないと言われた。
○ しかし、だんだん柔軟となり、今は、学校から家までの道といった場合に、そこから大きく外れるなどの不自然さがない場合はおりると聞いた。


4. 学校は通学路を教育委員会に届けていることも、お知らせしておきたい。


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 通学路のシリーズは、これで終わります。

 なお、いろいろな問題がある場合は、サイドバー上部のメール受付欄で、送信していただければ幸いです。わたしが、記事にしたいと判断し、さらに、それをご承諾いただけるケースなら、記事にすることもありうるということで、よろしくお願いします。
 
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rve83253 at 07:29│Comments(4)TrackBack(0)子どもの安全を | 教育風土

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この記事へのコメント

1. Posted by yoko   2007年07月11日 13:57
『スク対』が大変だとは聞いていましたが、校外委員の経験がないので通学路を決めるのにこんなに多くの方が関わっているとは思っていませんでした。
しかし、住宅地の方々の反対理由、ちょっとびっくりですね。自分さえ良ければという考えの人が増えているという事なのでしょうか…。
少し淋しいですね。
2. Posted by toshi   2007年07月11日 22:49
yokoさん
 いずれ記事にするつもりですが、わたしは、かつてできたばかりのマンションに住んだことがあり、そのときは、みんな同世代だったことから、町内会長をおおせつかったことがあります。
 そのとき、新旧住民の軋轢があると実感しました。
 それが、通学路の問題でも起きたのです。
 
 そうか。通学路のシリーズは終わりと書いたけれど、今度は視点を変えて、住民の立場で書いてみましょうかね。
 
3. Posted by POOHママ   2007年07月14日 22:55
お久しぶりです。

>スクールゾーン対策協議会
そういうものが存在すること自体はじめて知りました。
ところ変われば・・・なのでしょうか。

今まで20年間で4校勤めましたが、
通学路は、学校が決めるもの、
あるいは
市町村の教育委員会が決めるもの
と思っていました。
今まで、実際には、変更や新規も
当該校の教職員のみ
または教職員とPTAの交通安全担当とで
検討し、町教委に報告(承認?)だけでした。
商工会などに連絡した記憶はありませんね。

言われてみれば、納得です。
が、多分うちの地域には
スクールゾーン対策・・・は
ないと思われます。

勉強になりました。
ありがとうございました。

4. Posted by toshi   2007年07月15日 13:26
POOHママさん
 スクールゾーンで検索をかけましたら、《保育所,幼稚園,小学校を中心とする地域約2万1,200か所をスクール・ゾーンとして設定し,(スクール・ゾーン内の学校等の数は約3万)》とありました。
 全国ほとんどの学校に、スクールゾーンは設定されていると思います。
 ですから、地域ごと、それがないようなお話なので、少なからず驚きました。

《実際には、変更や新規も当該校の教職員のみ、または教職員とPTAの交通安全担当とで検討し、》

 実際的には、スクールゾーンがある地域でも、似たようなものですが、行政等とのやり取りはあるのか、ちょっと気になりました。

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