2007年07月21日

定  見(5)2

323e08c6.JPG 国の無定見ぶりを問題とした定見(1)の記事は、昨年、9月6日に掲載した。・・・。もうかなりむかしになってしまったな。

 この記事に、くるみさんからいただいたコメントが、強く印象に残っている。『ああ。ほんとうだなあ。』と思ったことを、昨日のように覚えている。

 『国と国民のコミュニケーションのなさがこの混乱を巻き起こした一つの原因かなあと感じています。国の教育施策をきちんと理解しようとしない国民、どうにかして理解を求めるという信念に基づく説明責任を果たさない国。漂流状態ですね。』

 『そうか。国だけに問題があるのではないな。我々国民の側にも、・・・。』そういう思いにさせられた。


 定見(2)では、学校5日制導入のころをとり上げた。

 わたしは、これには、懐疑的だった。懐疑的だったにもかかわらず、それを表立って意思表明したことはなかった。『国の言うことだから、仕方ないなあ。休みがふえるか。』そんな意識でしかなかった。

 今の、授業時数1割増など、無定見さ(あえて、『国の』とは言うまい。)を見るにつけ、『あのとき、もう少し何とかならなかったのかなあ。』と、ざんきに堪えない。

 今日は、自己ざんげの気持ちもこめて、この記事を書いていきたいと思う。



 コミュニケーションのなさは、国と国民の間だけではなかった。

 国民相互間にも、それは言えたと思う。


 毎月第二土曜日が休みとなったとき、地域の学校開放の団体(休日などに学校施設を使用して活動する地域のスポーツ等の団体)と学校とで、教委の説明を聞く会合があった。
 第二土曜日を、どのように、学校開放の団体に使用していただくかの説明を受けたのだった。

 わたしはその会に教頭として出席していた。一通りの説明が終わり、質疑応答となったとき、ある開放団体の人が勢いよく手を上げた。なんか、怒りにまかせてといった感じだった。その場の雰囲気には合わず、唐突な感じをもったことは否めない。

 「学校5日制がスタートして、○ヶ月たちました。先生方の労働時間は、第二土曜日の分だけ減ったわけです。その減った分、給料は下がっているのでしょうか。それとも、変わっていないのでしょうか。」

 何という質問だ。一同、驚きの念とともに、シーンとしてしまった。いかに学校不信の念が強いかを実感させられた。

 教委も、ブスッと無表情で、『給料は変わりません。』と簡単に答えた。しかし、いろいろやり取りを聞いているうちに、その市民の方のほんとうに言いたいことが分かってきた。

 「学校5日制導入にあたって、教育委員会は、
『学校の先生も、自分が居住する地域で、体育的、文化的なさまざまな団体にかかわることになります。地域の子どもたちを育むべく、社会教育に重要な役割を果たすことになります。』
と説明しました。しかし、わたしが住む地域で、どこに学校の先生が住んでいるか、みんな分かっていますが、誰一人、地域の開放団体に参加している先生はいません。」

 そう。このとき、教育委員会は、確かにこういう説明をしたのだ。わたしは、教員には事前に何も知らせず、いきなりこういう説明を始める教育委員会に、驚いたものだ。上意下達。コミュニケーションの不足。まさにその典型だった。

 それがこうして市民の不信をかう。うまくないなあと思った。


 このとき、わたしは、発言したい思いに駆られた。
『わたしたち、教員は、子どもが学校の主人公であることを肝に銘じ、子ども主体の授業をいっそうおしすすめるべく、努力します。』
そう言いたかったが、言えなかった。ああ。なさけなかったなあ。


 今回、教育再生会議は、授業時数の1割増を提言した。これは、実施されるだろう。わたしは、これに反対しない。わたしが初任だったころは、週33時間あったのだものね。

 ただし、1日7校時までというのは、ダメですよ。そんなのはむかしもなかった。小学生はとてももたない。


 ああ。でも、ここでは、そういうことを言いたいのではなかった。言いたかったことは、あいも変わらず、上意下達だということ。それに、コミュニケーション不足。
また、国民は、学力低下論の影響を受け、感情的にことを論じている部分が多いということだ。


 上記、くるみさんのコメントは、最後、
『大人のふがいなさが、子ども達にキツイ想いをさせていることに、大人として子ども達に申し訳ないです。』
とあった。


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 ああ。今日は、多くを語ることができません。

 でも、やはり、教育の原点に立ち返り、がんばるしかないと思います。

 『不易と流行』。今は、『流行』ばかり目につくけれど、わたしは、『不易』の部分を軸に、がんばろう。
 
 それでは、そんなわたしに、すみません。今日も、1クリック、いただけますか。


rve83253 at 09:07│Comments(8)TrackBack(0)教育制度・政策 | 教育風土

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この記事へのコメント

1. Posted by yoko   2007年07月21日 22:22
昔は、週33時間だったのですね。学年によって時数は異なると思いますが、4年生で今の学校は週28時間、前の学校は週27時間。年間にすると随分違いますね。

今と昔の違いもありますが、学校差もあります。
どちらも2学期制なのですが、
今の学校は、長期休業前日まで給食があり通常授業で秋休みはありませんし(学期の間に土日が入るだけです)夏休みも前の学校より2日短いです。
前の学校は、長期休業前2日程は午前授業で、秋休みも2日あります。
これに加え、今の学校にはないのですが、前の学校には英語活動がありました。
(続く)
2. Posted by yoko   2007年07月21日 22:22
(続き)
授業時数の差はあっても、1年間に教えなければならない量は変わらないのですものね。先生にとって、この差はどうなんでしょうね。
去年は、1年間のカリキュラムを終える事が困難な状態でした。
授業時数が短ければ、どうしても教え込む授業になってしまいがちになるのでしょうか
しかし、ただ授業時数を増やせば学力は上がるのでしょうか?

そのあたり、きちんとした議論・説明の元に、先生と生徒の両方にとって良いものになるようになればいいなぁと思います。
3. Posted by きゃる   2007年07月21日 23:21
↑ yokoさんのコメントを読んで
(自分の勉強不足で法令の解釈を誤っているのかもしれませんが)
「遵守すべき教育課程の基準」として
学習指導要領があるので、全国、1年間で教える量は決まっています。
標準授業時数も定められていますので、そう大きな差はないかと。
第4学年の総授業時数は、945単位時間。
つまり35週で割ると週27時間(+クラブ活動)が
めやすになるはずですよね。
4. Posted by くるみ   2007年07月22日 09:07
toshi先生。
いつもお邪魔していましたが、言葉がでてこなかったのですが、今日は、是非何か、と思っていて拝見したら・・・。

拙い一保護者の言葉を心に留めてくださっていたことにとても感激しています。

学校に足を運ぶことが多く、学校を肌で感じています。

制度改革は、現場を追い詰めるだけ。
そう思います。

でも、やるのでしょう。
だったら、保護者として何ができるのか。
地域の大人として何ができるのか。
何もチカラになれなかったとしても、
考えて行動していこうと思っています。
5. Posted by toshi   2007年07月22日 15:34
yokoさん
 基本的には、教育課程の編成権は学校にあり、校長は、授業日数、時間数について、説明責任を負うものです。
 ちなみに、わたしが退職した学校は、yokoさんがあげた2つの学校の中間をいっているかと思います。長期休業前日まで通常授業、ただし秋休みは2日とりました。逆に、夏休みを2日短くしました。
《去年は、1年間のカリキュラムを終える事が困難な状態でした。》
 その原因がどこにあるのか。時数の問題か、実践力の問題か、そうしたことの検討は学校として必要でしょうね。
6. Posted by toshi   2007年07月22日 15:35
○《授業時数が短ければ、どうしても教え込む授業になってしまいがちになるのでしょうか。》
 一般的にそういう傾向はあると思います。ですから、そういうことにならないよう、指導者のさらなる授業研究が望まれるのです。
○授業時数をふやして、それだけで、学力向上というのは無理でしょう。
 なお、○2点については、わたし、以前、記事にしたことがあります。
 もうお読みでいらっしゃるでしょうけれど、紹介させてください。
http://blog.livedoor.jp/rve83253/archives/2007-01.html#20070129
教育再生会議の提言に思う。(1)です。
7. Posted by toshi   2007年07月22日 15:40
きゃるさん
 そう。今は、クラブ活動の時間数は含めていないのですよね。むかしからの学校行事、委員会活動とあわせ、学校裁量になりますね。
 時数1割増となると、どうふやすか、地域ごとに、多様なパターンがでてくるのではないかと思います。
 教科の時数にしても、標準なのか、最低時数なのか、・・・、ああ、むずかしくなりそうですね。
8. Posted by toshi   2007年07月22日 15:49
くるみさん
 突然、ずいぶんむかしのことをとり上げまして、申し訳ありませんでした。驚かれたことと思います。
 でも、とても、印象に残るコメントをいただきました。あらためて、お礼申し上げます。
《制度改革は、現場を追い詰めるだけ。そう思います。》
 現状でいいと思っているわけではありませんし、改革の理念については、賛成する部分も多いのですけれど、でも、あまりにいじり過ぎですよね。
 わたしは、大学入試制度の改革と、地方分権の推進と思っているのですが。どちらもむずかしそうです。
 

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