2007年09月11日

PTAと学校(1)4

aab11d87.JPG ここのところ、読者の皆さんからメールをいただくが、そのなかに、PTAの立場から、学校の体質を問う声が少なからずある。

 わたしが在籍した学校のPTA活動について、また、それに対し、わたしがどう対応したかを何度か書いたので、それに関連したかたちでくださるのだと思う。

 
 そこで、ここに、わたしがこれまで、PTA活動に関連して記事にしたものをリンクしてみる。

    7月7日  子どもの安全を守る(3)通学路 地下道編
    4月16日 保護者の声に応えて
    6月30日 ひらかれたPTA


 さて、上記、いただいたメールだが、それらに共通しているのは、『学校不信』、それも、『校長不信』の念が強いことだ。



 わたしは思いたい。

 多くの学校はそのようなことはなく、大いなる成果を上げているのだと。

 しかし、その一方で、まだまだ隠蔽体質だったり、何かとPTA活動に干渉したりする校長もいるようだ。
 自分の思い通りに学校経営しないと気がすまないような校長、PTAなどへの対応が不器用だとみなされてしまう校長、校長の目が子どもより、地域・PTAの方に向いてしまっているのではないかと思われている校長、そのような例が挙げられていた。

 いずれにしても、PTAと学校との不協和音が聞こえてくるような内容だ。


 以上をふまえ、いただいたメールのなかから、強く印象に残ったものを、これから、数回にわたり記事にしていきたと思う。



 一回目は、『学校の本音としては、PTA活動など、ない方がいいと思っているということはありませんか。』というご質問に答えてみたい。


 どうも校長の対応を見ていると、いろいろな対応がめんどうくさそうだったり、PTA役員と会うのをいやがっていたり、そんな態度が感じられるというのだ。

 


 さあ、それでは、わたしの回答をどうぞ。



 この質問をいただくにあたり、まったく心当たりがないなどとは思いませんでした。わたしのまわりでも、ご指摘の点以外でも、学校の立場について一方的に理解を求めようとしたり、PTAに対し、何でも高飛車に出たりする校長はいました。

 基本的には、双方の信頼関係の構築が大事なのですが、そのためには、まずは校長が、PTAへ手を差し伸べないといけないのではないかと思いました。
 一方は仕事としての組織の『長』ですからね。

 ですから、PTAの方々に、マイナスイメージをもたれてしまうような対応をしたのでは、けっきょくは、学校も重荷を背負うことになりはしないかと、それを恐れます。


 ただし、そういう校長も含めて、たとえ本音の部分であっても『PTAなどない方がいい。』と思っている校長はほとんどいないと思います。

 PTAのない姿を想像すると、

 学校は、保護者にいろいろなことを連絡したり、お願いしたりしたくても、組織がないわけですから、保護者間の連携も取れず、負担はかなり大きなものになると想像されます。ある意味、PTAとしてまとまってくれていた方が、学校としては対応しやすい面もあるのではないでしょうか。


 しかし、そのようなことより、わたしが、本心思うのは、PTAって、『よりよい子育てをするために、お互いに情報交換したり、学び合ったり、まとまったりしていくもの。そういう意味で、なくてはならないもの。』と考えます。
 わたしの経験からしても、よくまとまり、連携のとれたPTAは、いきいきしていますし、連携もとりやすく、教職員ともよく意思の疎通が図れていますから、教育効果も上がるのですね。けっきょく、その成果は子どもに返っていくのだと思います。
だから、そういう意味で、PTAがない姿など、想像もできません。


 わたしは、ご指摘の校長の場合は、『こうであってはならない。』とか、『こうあるべきだ。』とか、いろいろ自分の思いが先行し過ぎ、校長の思う方向でないと、学校経営は立ち行かなくなると、本気で思っているのだと思います。
 学級担任だったとき、きっと教え込みをしていたのでしょう。『自分の思う方向でしか、うまくいくわけがない。』という信念をもっている場合もありそうです。
 また、PTAの言うことを受け入れていたら、PTAはどんどん要求をつり上げるなどと思っているかもしれません。

 むずかしいのは、不信感でいっぱいの場合は、現実にそういうこともありそうだということですね。悪循環ですね。


 わたしの場合は、これまでも折々に記事にさせていただきましたが、

○ PTAの要望はできるだけ前向きに受け止める。そして、できることは受け入れる。
○ できないことは、なぜできないかの説明をさせていただく。


 あくまで、PTAと学校は、対等の立場。わたしはそういう意識で、やってきました。一方は家庭教育、もう一方は学校教育を担当。車の両輪と同じです。

 対等ですから、子どもの主体的な学びを大事にするのと同様、PTAの主体的な活動も大事にしていきたいと思います。
 言うまでもなく、PTAは大人の集団ですから、こちらが意欲的な活動にしようなどとは思わなくても、当然いろいろやってくださっています。校長は、その、やってくださっていることをしっかり観察し、それへの感謝、お礼の言葉を言っていればいいのだと思います。

 その感謝、お礼。

 何に、どう感謝、お礼するかで、校長の方針が、PTAの皆さんに伝わっていくと考えます。

 教員についても、校長がこういう姿勢で臨めば、多くの教員は、PTAに対しても協力的になるはずです。

 わたしの学校の場合、PTAと教員との仲がよく、物事を前向きに受け止め、ときには、管理職を通さず決めてしまうので、
「おい。おい。そんな大事なことは、管理職にもあらかじめ伝えてくれよ。管理職が知らないままで話を進められると、あとのPTA対応で、『えっ。校長先生はご存じなかったのですか。』などと言われてしまうではないか。」
と、苦言を呈したこともあったくらいです。

 そんな感じでしたから、教員にしても、『PTAなどないほうがいい。』などと思うものはいなかったはずですよ。


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 今でも、当時のPTA役員さんとは、お付き合いいただいています。
「toshi校長先生は、わたしたちのやりたいようにやらせてくださいましたから、みんなとても楽しく活動ができたのです。」
 あれ。これ、以前の記事にも書いたかな。
 一部重複してしまいました。すみません。

 それでは、これも重複。毎度のお願いですが、上記バナーへの1クリックをよろしくお願いします。

(2)へ続く。


rve83253 at 00:57│Comments(11)TrackBack(0)PTA | 学校管理職

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この記事へのコメント

1. Posted by すばらしいサイトですね   2007年09月11日 18:52
5 お偉いさんの人生経験こそが今の日本に必要なのではないのでしょうか。
このブログは非常にためになり
有益だなと感心しました。
私は仕事のために簿記を勉強しています。
よろしくお願いいたします。
2. Posted by きくちR   2007年09月11日 22:24
子育てをしていると、自分が生徒だったころの学校、先生を思い出すことがあります。怖くても愛情が溢れていた先生、誰にも公平に接していた先生、自分が子どもだったころの話をよくしてくれ子どもの目線で話をしてくれた先生、行事にしても大人たちが考えてくれたのでしょう。当時、子どもには簡単に見ることができなかった狂言、バレエ、オーケストラ演奏の鑑賞もさせてもらい今でもリアルに思い出すことができます。
たぶん嫌なこともあったのでしょうが、思い出は良いものばかり。
学校とは、校長先生とはこんな感じという思いから、寄せる期待も大きくなるような気がます。
3. Posted by toshi   2007年09月12日 05:20
サイトさん
 『お偉いさん』などということはないのですよ。他の職業にくらべれば、比較的、簡単に『長』になってしまう職場と言えるでしょう。多分、会社なら、係長になるくらいのことではないかと思います。だって、今でこそ、中間管理職などと言うけれど、わたしたちのころは、校長と教頭。それしかないのですからね。
 それだけに、『校長になったとき、何をするか。』が問われるのでしょう。
 今後とも、どうぞ、よろしくお願いします。
4. Posted by toshi   2007年09月12日 05:31
きくちRさん
 大変失礼だけれど、お歳を想像してしまいました。
 と言いますのは、わたしの教え子で最年長は、今年、47歳になります。今子育て中なら、まさに、このくらいの年代の方かな。いや。もっとお若いのでしょうね。
 とすると、きくちRさんがおっしゃる先生というのは、もう退職したか、あるいは、まさに、今、校長の年代ではないか。
 そんなことに思いをめぐらせてしまいました。
 ごめんなさい。変なことばかり書いてしまいましたね。
 ですので、記事の内容に絡んで、複雑な思いをしています。
 もっとも記事にも書いたように、大部分の校長は、経営上手でいらっしゃるだろうと、そうであればいいのですがね。
5. Posted by yoko   2007年09月12日 16:11
娘が1年生の時に役員になりました。親としても学校は1年目。クラスでもそんなお母さんが多かったようです。子供はわかってもその親がどんな方かわからず不安を持つ方が多かったのです。茶話会を開いて欲しいと要望がありました。クラス役員で相談して、会を開く事にしました。
しかし、担任の先生にその旨を告げ、お手紙を出したいとお願いしたら、待ったがかかりました。その後、校長室に呼ばれ私達と校長先生の4人で話しをしました。
|穗嘆颪魍くにあたってPTA本部を通しているのか
△修Δ任覆韻譴弌学校を通してお手紙(私達が作成したもの)を渡す事はできない。
もし、会を開くのであれば担任出席のもとで行って欲しい。
(続く)
6. Posted by yoko   2007年09月12日 16:11
(続き)
保護者だけで集まるのは、どうも気がすすまないといった風でした。
この3人、第一子で学校が初めての母達でしたので、無知だったのでしょう。しかし、PTA本部や、校長先生にお伺いをたてなければクラスの茶話会が開けない事に驚いてしまいました。
結局、校長先生は学校側としては承認できないので、やるなら有志で集まって下さいとのことでした。

その後、1件1件電話で出欠を取り、担任不在で会を開きました。クラスの半分以上の方が出席して下さって、不審者が出た場所や、危険な箇所にはじまり何時まで遊ばせているか、我が子の性格等…和やかな雰囲気の中色々話をしました。

この時、何となく学校に壁を感じました。
7. Posted by toshi   2007年09月13日 06:56
yokoさん
 わたしにとっては、つらい話です。
 でも、現実なのですよね。
 その校長は、学校教育のために良かれと思って行動しています。それは間違いない。
 しかし、記事にも書かせてもらったように、長い目で見た場合、そんな対応をしたら、『けっきょくは、学校も重荷を背負うことになる。』のですよね。
 わたしなら、『1年生の保護者がまとまってくれたら、学級経営のうえでも、どんなにありがたいことか。』と考えますが、その校長は、『一体何を話し合うのだ。よからぬことを話し合うのではないか。』などと思ってしまうのでしょう。
 もしかしたら、そういう経験があったのかもしれません。でも、それならそれ。不満が鬱積しないためにも、開催してもらった方がいいのですがね。
 でも、1年生保護者にそんな心配(?)はないですよね。
8. Posted by くるみ   2007年09月13日 08:50
toshi先生、おひさしぶりです。
今回も興味深く読ませていただきました。

PとTが対等だとおっしゃるように、いつもtoshi先生は、どんな立場の人、子とも対等に向き合ってくださる姿勢を勉強させてもらっています。

「長」の立場の人が方法論にこだわると組織が硬直しますよね。めざすところは、「子ども達の成長」であるならば、その方法は無数にあるわけで、双方が納得する方法=道筋をいつも探していこうと改めて思いました。

いつもいつもありがとうございます。

9. Posted by toshi   2007年09月13日 13:52
くるみさん
《「長」の立場の人が方法論にこだわると組織が硬直しますよね。》
 いやあ。確かにそれは言えますね。まわりに緊張感を持たせてしまうでしょうしね。ぎすぎすもすると思います。
 もう、おっしゃる通りと思います。多様性を認めないといけないということですね。
 でもね。ほんとうに、多様性を認めても、けっきょくは、わたしの思う方向に行くのですよね。『認めるからこそ』と言うべきかな。
 学級経営も、学校経営も同じだなとつくづく思います。 
10. Posted by yoko   2007年09月13日 14:20
組織としてルールが必要になりますものね。あの時は、警戒感が伝わってきました。でも、そんな気持ちはなかったのです。担任は、保護者や子供達からも信頼の厚い先生でしたし、感謝の気持ちこそあれ不満などありませんでした。
後日、気になっておられると思ったので担任には会での事をお話ししておきました。
保護者も色々なので、警戒されても仕方がありません。だから校長先生の対応に不満を持ったわけではありません。それに、私達の話を受け校長先生は、次年度から懇談会の回数を増やすよう次の校長先生に引き継いで下さったようです。ただ、「懇談会」というと出席者がいつも少数で同じ顔ぶれになってしまうのですよね…。
親同士が見知った間柄かどうかは、子育ての上でとても大きいと思います。
学校に求めるだけではなく、まず自分が信頼してもらえる人にならなければいけないですね(*^_^*)そんな風にも思いました。
11. Posted by toshi   2007年09月15日 08:24
yokoさん
 学校への温かいお言葉。感じ入りました。ありがとうございます。
 でも、やはり、警戒感を感じさせてはいけないなと思いました。ですから、ただただ驚かれただろうと推察しました。
《親同士が見知った間柄かどうかは、子育ての上でとても大きいと思います。》
 もう、おっしゃる通りです。そして、それは、学級経営にとっても大きいはずなのです。保護者が学校に気配りしてくださる姿に、言いようのない、申し訳なさを感じました。
 繰り返します。ありがとうございました。

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