2007年09月20日

PTAと学校(2)3

a63635b3.JPG PTAと学校との関係について、拙ブログを通して、メールをいただくことがある。
 そのメールをとり上げての記事は、すでに一回書かせていただいた。

      PTAと学校(1)



 今日は、本シリーズの2回目。

『校長の目が、子どもではなく、地域・PTAの方を向いてしまっているということはないか。』
というご指摘について、考えてみたい。


 この方のメールによれば、

 どうも、学校評議員制度がとり入れられてから、校長の目の方向がおかしくなったのだそうだ。

 それまでは、子どもの方を向いていた。学校も秩序だっていた。しかし、この制度がとり入れられてからというもの、だんだん、校長の目は、地域・PTAの方を向くようになり、子どもがなおざりにされる傾向になったという。



 どうしてそうなってしまったのだろう。

 わたしは、学校評議員制度を評価している。
 地域住民主権の象徴として、地域・保護者・学校の三者が一体となり、子どもを育むというように、積極的にとらえていたから、いささか、驚いた。


 ここで、これまで、学校評議員制についてふれたことのある記事をリンクさせていただきたい。

     平成18年9月28日  定見(4) 学校評議員制度
     平成18年11月4日  学校評議員制は機能しているか。
     平成17年12月8日  学校民営化?(1)


 わたしは、このメールの内容について、いろいろ考えをめぐらせてみた。そうすると、自分の経験で、やや心当たりのあることが思い出された。


 わたしの経験では、

 このPTA会長は、誰も、立候補、推薦者がいないなかで、『それなら、自分がやる。』と、自ら会長職をかってでた方だった。
 その方が、スクールゾーン対策協議会のとき、PTA校外委員会の皆さんから強く反対されたにもかかわらず、自説を主張し通したことがあった。強引だったし、叱りつけるような調子もあったため、会議に参加していた方々は、ややしらけムードになった。

 そのときのことを思い浮かべたのである。

 このPTA会長は、学校の教育活動そのものに対して、いちゃもん(?)をつけることはなかったが、もしそうであって、校長が説明責任をうまく果たせないのであれば、メールをくださった方の学校と同じようになってしまったのではないか。

 そう思ったのである。


 つまり、一方に自説を押し通そうとする方がいて、もう一方に、弱気で流されることが多い校長がいたときに、お説のようになってしまう可能性が生まれる。


 もう一歩、論を進めよう。


 この場合、校長の目が、しっかり子どもの方を向いていないことは確かなようだ。


 前述の通り、本来学校評議員会は、子どもを育むことを目的として話し合われるべきなのに、子どもと離れたところでの議論が活発になってしまうのではないか。

 発言力があり、ボスのように振舞う人がいて、その人の発言の方向に議論が引きづられてしまう。
 校長もその方向に引きづられる。そして、それ以外のことはなおざりにされる傾向になってしまう。

 そういうことではないか。



 どうしたらいいのだろう。

 それは、まず、校長以下、学校が、学校経営方針をしっかりもち、それがどう実践に生かされているか、どういう現状にあるかを把握し、説明責任を果たすことができなければなるまい。

 地域・PTAの方々が関心をもっていることにはしっかり応えなければいけないが、それに引きづられてしまうのはよくないだろう。



 この方のメールによれば、『学校評議員制がないときの方がよかった。』とおっしゃっているようにも受け取れる。

 現象的に見れば、そういうケースもありうるのだろう。

 しかし、学校評議員制が生まれたから、悪くなったのではないはずだ。『学校評議員制がスタートしたにもかかわらず、悪くなった。』と考えるべきだろう。

 本質的なところで考えれば、地域・保護者・学校が一体となって、協力し合い、子どものために、力を合わせることはいいことに決まっている。

 その基本線は押さえた上で、問題があるなら、その問題を克服するよう、お互いに努力すべきであろう。

 校長の力量が問われるのである。


 ちょっと、メールの趣旨から離れてしまうかもしれないが、こういうことも考えられるのではないか。

 地域・PTAにまとまりがなく、『ああでもない。こうでもない。』と、いたずらに議論を繰り返してばかりいることはないか。また、話があっちこっちへとび、会議に参加した方は、それぞれが自分の都合のいいように、話し合いの結果を受け止めているといったこともありそうだ。

 そういう場合は、やはり、校長が会議のとりまとめ役、進行役などをかってでるようにしなければならないだろう。『そんなことまで、校長がしなければいけないのか。』と言いたくなる校長もいるかもしれないが、ここは、そうしないと、けっきょく、学校が、困難をかかえてしまうことになる。

 まとまりのない結果は、学校経営にはねかえっていくからだ。 
 

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 今日の記事はちょっと具体的に書けない部分が多すぎて、やや、精神論に傾いてしまったかな。
 申し訳ありません。

 それでも、1クリックいただければ、大変ありがたく思います。どうぞ、よろしくお願いします。

   (3)へ続く。


rve83253 at 05:25│Comments(6)TrackBack(0)PTA | 教育風土

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この記事へのコメント

1. Posted by くるみ   2007年09月20日 08:19
やはり、人が集まって何かするということは、精神が大きく作用するものと思います。

その精神の向く方向性がいつのまにか子ども以外に向いてしまう「大人の集まり」は多々あります。

「子どものためになることが自分のためになる」のですよね。

「自分のためになることが子どものためになる」
とは大きく違うのに取り違えてしまうことがあるという精神構造を私達はいつも心に留めていなければならないと思っています。

最後の「あ〜でもない、こ〜でもない」。
まさにこれ、すごく深刻です。
小さな輪の中で完結して、それが誤った方向付けになってしまうのです。

大人こそ、広く深く豊かな思考と人間関係が必要なのですよね。

やっぱりtoshi先生はよくご理解くださっているなあと力をいただきました。ありがとうございました。
2. Posted by KG   2007年09月20日 16:47
教育再生会議の改革ターゲットとなっていた教育委員会制度についても同じだと思うのですが、学校評議員制についても組織や組織の持つ機能が根本的に悪いのか、その中で実際運用する人が悪いのか?という問題ですよね。

例えば頼りない校長がいて学校経営がうまくまわらないから校長制度はダメという議論には決してなりませんよね。
校長個人の資質の問題であって制度・組織的な問題ではきっとないはずです。

私も学校評議員制そのものは高く評価します。今までの学校は制度として閉鎖的すぎたのではないでしょうか?

もちろん現実的に人の問題で機能しないケースは出てくるでしょうが、それでもこの制度があれば対話を重ねる事によって地域・保護者たちと学校側の合意形成が図れるメリットはかなり大きいかと思います。
3. Posted by toshi   2007年09月21日 13:28
くるみさん
 自分の思いを通そうとするのはいいし、基本的には、その姿勢も大切なのですが、建設的、協調的な姿勢と合わせもつことによって、種々の会議はよい方向にすすむのだと思います。
 こんなことを言っては失礼かもしれませんが、PTAのなかには、会議の素人(?)と言ってもいいような方がいらっしゃいますよね。そうであればあるほど、校長(教頭かもしれません。)の役目は、大きなものがあると思うのです。コーディネーター役と言っていいかもしれません。
 これも、学校経営を盛り上げる要素になりますね。
4. Posted by toshi   2007年09月21日 13:59
KGさん
 そうなのです。わたしは、教育委員会制度に問題はないと思っています。教育は地方分権の方がいいと思っていますし、地域に密着した教育を可能にするのです。ですから、問題があるとすれば、それは、あくまで運用の問題でしょう。むしろ、原点に戻り、教育委員公選制にすべきだと思っているくらいです。
 我が地域の教育委員会についてふれた拙ブログ記事があります。よろしければご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/rve83253/archives/2006-11.html#20061119

 おっしゃる通り、制度の問題か、人の問題なのかをしっかり認識したいものだと思います。
 多くがその間で、混同されていると思うのです。
5. Posted by くるみ   2007年09月21日 16:28
toshi先生、まとまりない先のコメント、失礼しました。
お返事にお困りになられたのでは、と拝察しています。申し訳ありませんでした。

今まさにこの制度が運用されている渦中にいます。
記事の中の状況、コメントのお返事にあるような状況、よく分かりますし、そういう場面は出くわした経験があります。

学校評価制度をうまく使いこなす力が学校、地域、保護者という大人たちに必要なのだと思います。問題から課題へと話し合いによって煮詰めて核となる部分の共通認識を深めていくようにしたいなあと思っています。

・・・実は、私の地域では、この制度を広く知ってもらって理解してもらうことの方が先かもしれません^^;

少しずつがんばろうと思っています。
ありがとうございました。

6. Posted by toshi   2007年09月22日 03:58
くるみさん
 いえ。そのようなことはありません。かえって、ご心配をおかけしたようで、申し訳ありませんでした。
 わたし、最近は、どのようにお返事したものか、考え込むことが多いのです。最良のお返事をと心がけているつもりなのですが、その分、時間がかかってしまい、そのわりにはたいしたことが書けていないようで、申し訳なく思っています。
 でも、これにこりず、これからもよろしくお願いしますね。
 制度はよいが、運用する人の問題というのは、たくさんありますね。
 それとは逆に、わたし、『議会制民主主義』という、現体制の根幹について、最近懐疑的です。これまでは、『運用する人の問題』と思っていたのですが、『制度』の問題かなと思い始めています。
 近いうち記事にしますね。

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