2007年11月12日

PTAと学校(8) 引継ぎをめぐって4

8fc93597.JPG わたしは、『PTAと学校(6)』の記事で、『人は変わっても、PTA風土は、変わらないのだね。』と書いた。

多くはその通りだろう。4月当初、新役員は、『前の人がやっていた通りにやっていくのが無難。』と思うのではないか。

 しかし、そうはいかないこともある。

 PTA役員(会員)それぞれの考え方、お互いの人間関係などにより、人が変わると、がらりと雰囲気が変わってしまうこともある。

 ああ。そうか。

 それは、何もPTAだけではないね。人間社会、どこもそうかもしれない。



 今回いただいたメールのなかに、こういうのがあった。
 特に引継ぎのことを意識して書かれたわけではないが、わたしは、そのことに目が向いた。

『〜。運動会では、PTA役員の仕事もうまくまわり、我が子の出番を見ることもできました。今年の役員さんは皆協力的で、気持ちよく活動ができるとそれぞれが言っています。(去年は違ったようです。)
 当日、地域のボランティアの方もお手伝いして下さいました。熱心なので、申し訳ないというかありがたいというか、そんな思いでそばに行っていろいろお話をしました。9月、10月の休みは、いろいろなところに呼ばれるそうです。

 そんな話をしたのはいいのですが、一つ大失敗をしてしまいました。
 お孫さんが、小学生でいらしたのです。それなのに、お孫さんの出番を見ずに、ずっとお手伝いをしてくださっていたのです。そんなこととは露知らず・・・、わたしは我が子の出番を見に行っていました。お昼休憩をとっていただこうと話をしていて初めて分かったのです。
 昼からはリレーだけだったのですが、見に行っていただきました。ちょっと照れて、『孫の運動会を見るのは初めてだ。』と言ってくださいました。

 連携のむずかしさをあらためて思いました。PTA役員、地域のボランティアの方個々には連携がとれても、相互の連携がうまくとれないのです。何しろ運動会当日だけの繋がりでもあるので。

 PTA役員も毎年メンバーが変わりますしね。教頭先生も今年赴任された先生なので、要領がわからずばたばたしていてちょっとかわいそうでした。』

以上である。


 読者の皆様は、どう、お考えであろうか。いろいろな考えがあるだろう。

 わたしが、想像するに、

〇PTAは、学校とだけ連携がとれても、それだけではダメね。地域のボランティアの方がいらっしゃるのなら、そういう方とも連携がとれなければいけないわ。そのためには、年度初めの引継ぎをしっかりやらないとね。

〇PTAって、そこまで気を遣わなければいけないの。それって、学校の仕事ではないかしら。PTAの会員には、いろいろな考えの人がいるのだし、毎年、そのようなことまで気を遣わされたら、なりてがいなくなりそう。

 そして、両者のあいだには、いろいろな考えが位置づくであろう。


 『toshiはどういう考えなのだ。』と言われそうだね。

 わたしは、学校側として、次のように考える。

 これは、やはり、本来、学校が気を遣わなければいけないことだろう。まさに、教頭の仕事なのではないか。

 そして、学校としては、あるがままのPTAを尊重する。

 やっていただけるのなら、それこそ、自主的、主体的にやっていただく。そして、感謝の思いを忘れない。当日は、じゃまにならないように、そっと見守る。

 そうした活動に違和感をおもちなら、無理にお願いはしない。学校には教頭をはじめ、教務主任、それに、調理員、用務員などもいるのだから、そういう職員を動員してやれるだけやる。

 そういうことになるのではないか。


 今、PTAが、毎年、主体的、意欲的に、こういうことに取り組んでくださる学校だったとしよう。

 その場合は、引継ぎが重要になってくる。しかし、それでも、問題はある。

 上記、メールをくださった方は、こんなこともおっしゃっていた。

 『引継ぎもなかなかむずかしいですね。
 あまり詳細にわたってノートに書き残しておくと、次年度の人がそれを快く思わず破棄したなんてことも聞いたことがあります。わたしは、残すべきだと思いますけれどね。
 運動会のときも分からないことだらけでした。『去年はどうだったのかなぁ』と疑問にあがったところは、皆で参考データとして記録を残すことにしました。来年の人が同じことで悩まないように。』

 いくら、PTAは主体的にと言っても、破棄というのは穏当ではないね。まあ、いろいろな事情、感情があったのだとは思うけれど。

 だから、学校管理職は、日ごろから、『無理なく、できる範囲で、〜。』と、よく言っておく必要がある。そして、あくまで自然体で、どこまでやってもらえるのかの確認をしておかなければいけない。

 『去年はこうだったから、今年も、〜。』とお願いするのは禁句だ。『去年までは去年までのこと。今年は今年の皆さんができる範囲で、〜。』を、態度にも行動にも示しておくこと。それが大切だろう。

 なお、引継ぎは引継ぎ。これはどういう事情があろうとやっていただく。そうでないと、学校は当然PTAがやってくださると思っていることを、PTAの方はまったく認識しないまま、抜け落ちるなどということも起きてしまいそうだ。


 ここで話をまったく変えるが、

 どうも、従来、学校は、いろいろとPTAがやるのは当たり前。学校に協力するのは当然。そういう意識が強くあったのではないか。
 また、多くのPTAは、そういうものだとし、『やらなければいけない。』あるいは、『やらされている。』という意識になってしまったのではないか。
 それは、どうも、一部、今も引き継がれてしまっている意識なのかもしれない。

 しかし、それは違うのではないか。

 以前から拙ブログでも言っているように、『個性の尊重』が叫ばれる時代となった。一人ひとりの意識、考え方は尊重されなければいけない。いろいろあるのが当たり前なのだという認識になる必要がある。
 そうでないと、今後、学校とPTAとの齟齬は、ますます拡大するように思えてならない。

 学校管理職は、どうしても、自分が若かったときからの意識が抜けないようだ。しかし、保護者のものの考え方は時代とともに変わる。それを受け入れる姿勢がないといけないだろう。


 あと一つ。

 多くの場合、PTAの会員お一人お一人は、組織として動くことの素人、議決することに関しての素人、記録をとることの素人、・・・、そういう方々の集まりだということに気づいていなければいけない。感情的になることもあるだろうし、話し合いが這い回ることもあるだろうし、行き違いが起きることもあるだろう。

 あっ。そうか。失礼しました。それは、教職員集団だってあるよね。

 学校は、『それは、PTA内部のこと。』として、PTAの主体性を尊重することも大事だが、臨機応変、話し合いの進行役、調整役をかってでたり、PTAが受け入れてくださる土壌があれば、あるべき姿を示すことも必要になる場合があるだろう。

 それとは逆に、PTA会員のなかには、その道のエキスパート、専門家がいらっしゃる場合もある。その場合は、その方から学ぶ姿勢も大切だ。
 わたしも、教頭時代、帳簿のつけ方など教わったことがあり、それは大変、ありがたかった。


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 むかし、わたしの勤務した学校のPTA会長さんが、しみじみとおっしゃっていたことがあります。

「わたしは、これまで、個人事業主としての仕事しかやってきませんでしたので、組織として動くことが、初めての経験なのですね。
 それはすごく新鮮です。
 そして、みんなで考え合うとか、そのうえで、よい方向を目指していくなどということに、すごく魅力を感じています。
 PTAをやらせていただいて、とてもいい、人生勉強になっています。」

 その謙虚な姿勢に、心打たれたものでした。


 今、思います。

 このわたしは、逆かもしれません。個人事業主と言っては大げさなのですが、このブログはまさに個人事業。とても新鮮です。いまだにそうですね。

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   (9)へ続く。


rve83253 at 15:18│Comments(2)TrackBack(0)PTA | 学校管理職

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この記事へのコメント

1. Posted by くるみ   2007年11月12日 22:54
ほんとにメンバーでがらりと変わるんですね。
まさに体感しています。そして、多くの方から言われます。仲間達とがんばっています。

ちょうど引継ぎのことを考えていました。そろそろ来年の役員選考も近づいています。「去年は〜」は禁句ですよね。気をつけます!いつもありがとうございます。
2. Posted by toshi   2007年11月12日 23:34
くるみさん
 そうですね。もう、そういう時期になりましたね。むかし、なかなか次期PTA役員が決まらないと、そのときの役員と学校管理職が、お宅までうかがって、役員就任を懇願するなどという話は、よく聞きました。でも、おかげさまで、わたしはそういうことをしなくて済みました。
 また、各町内会が、次期役員候補を一人ずつ決定するなどという地域もありました。
 むかしは、無理やりやってもらうなどということも多かったような気がします。
 『去年は〜』は禁句と言っても、地域にもよると思いますよ。まあ、言わない方がいいとは思いますが。

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