2008年05月15日

ねじれ国会に思う。3

4ec343c2.JPG 近年の国会はかなり迷走していると言っていいだろう。前代未聞の状況が続く。

ねじれ国会も一つの状況なのだから、与野党話し合ってうまくやってほしいと思うのだが、プロの政治家の集まりなのに、今の状況は、あまりにも稚拙と言うしかない。

 が、そのことはマスコミ等でよく言われているし、今、ここで話題にしたいのはそういうことではない。


 こうなってしまったことについては、国民にも留意すべき点はないかと言いたいのである。


 考えてみれば、不思議である。同じ国民が選んだのである。それなのに、一方は与党が3分の2以上をもっている。そして、もう一方は野党が過半数。

 一見、国民が分裂症状を呈してしまったかのようにみえる。


 わたしは、郵政解散のとき、『ああ。小泉首相もばかなことをしたものだ。これでは、民主党が漁夫の利を占める。』そう思った。

 だって、実質、自民党のなかで、郵政民営化賛成派と反対派に分かれ、争うことになったのだものね。

 しかし、あにはからんや、結果は、ご承知のように、与党の圧勝となった。



 先ほど、国民が分裂症状と書いた。

 しかし、『これは、選挙制度のせいなのかもしれない。国民はどれだけ投票態度を変えたのか。』と思い、直近の政党別得票の割合を、比例代表制で調べてみた。

 すると、自民党が衆議院(郵政解散時)の38%(与党としては51%)から参議院(年金が大問題になったとき)の28%(与党としては41%)へ。民主党が同じく31%から39%へ。あとの政党はほとんど変わらない。

 そうか。そうすると、投票した人の1割が、自民党支持から民主党支持へ鞍替えしただけのことか。


 これを多いとみるか、少ないとみるかは人それぞれだろうが、前者が郵政選挙、後者が年金選挙だったことを考えると、・・・、これはごく自然な現象かもしれない。
 
 『分裂症状』はかなり言い過ぎだったかな。ごめんなさい。 


 こうなったのは、

 選挙制度のせいと言うこともできよう。

 小選挙区制というのは、こわいね。38%(与党としては51%)という、3分の1強(同じく過半数)の得票率で、議席は3分の2強を占める結果になるのだもの。


 わたしの見込み違いはあったが、小泉旋風が吹き荒れ、圧勝した自民。しかし、その実質は、38%(51%)だったわけだ。その議席数(3分の2以上)で、郵政民営化は実現した。

 さらに、その後、郵政とは関係のない、後期高齢者医療制度、自衛隊のインド洋派遣継続、最近は、ガソリンの暫定税率維持、道路特定罪権(間違えて打ってしまったが、あまりにおもしろいので、このままにしておこう。)の10年維持などを次々に議決してしまった。(しかも、大部分は、衆議院の3分の2以上の議席による再可決だ。)

 
 ちょっとお断り。この間、教育基本法改定もあったが、これはあえて書かなかった。なぜかと言うと、民主党も、改定には賛成のようだったから、これは、いずれにしても通ったと考えた。



 さあ。読者の皆さん。

 いかがだろうか。日本は民主主義の国と言われるが、ほんとうにそうかな。国民の声は大事にされているかな。

 少なくとも、政党はもっと国民の前に、謙虚でなければいけないよね。

 
 そうならないのなら、国民一人ひとりが、しっかり政治状況を考察し、付和雷同せず、いっとき起こる『かぜ』に流されたりしないで、確固たる自分自身というものをもって投票することが望まれる。


 ここでむずかしいのは、確固たる自分がいれば、それでいいのかということだ。特定のイデオロギーに取り付かれていたり、独りよがりだったりするなら、それはやはり、まずいことに違いはない。

 日々、より確立された自分自身の構築を目指すことが大切だろう。


 わたしたち、教員も、そういう人間性を育むことが重要ではないか。


 小学校学習指導要領社会科の目標には、
『社会生活についての理解を図り,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。』
とある。

 公民的資質とは、このようなことを指しているのではないか。



 最後に2つほど。


 わたしは、ここで、小選挙区制反対を言おうとしているのではない。

 小選挙区制は、シビアな制度だ。ちょっとした国民動向の変化も敏感に受け止めてしまう。これはこれで、よさもあるだろう。

 しかし、だからこそ、政治家は謙虚でなければいけないし、国民は日々勉強だと言いたいのだ。



 もう一つ。

 前記事に、わたしは、アンケートの問題点を書いた。アンケートが、正しく回答者の思いを反映しないこともあるということにふれた。


 しかし、国政に関しては、ことアンケートとは違い、『一部の問題意識のあるものだけに投票権を与える。』というわけにはいかない。

 ごめんなさい。アンケートだってやると決めたら、同じですね。

 こうした面からも、国政選挙に当たっては、国民の正しい投票態度が望まれるのである。


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 山口衆院補選の後、与党は、『今、(解散したら大敗するから、)解散はかなり遠のいた。』と言いました。現実は、大野党の党首にしたって、激情型で、政治を任せるのは不安と思う人もいて、いい勝負になる可能性だってあると思うのですが、ともかく与党はそう言いました。

 でも、これだと、現状の3分の2は民意を反映していないと承知しながら、それを維持しようとしているのですから、『国民の声に謙虚でなくていい。制度が許す限り先延ばしだ。』ということになりますね。

 そう言っていながら、一方では、3分の2による議決を繰り返す。これも、『制度が認めているのだから、国民の声は無視していい。』ということになりますね。二重に謙虚さがない。

 『3分の2もっているあいだに、法制化できるものはどんどん法制化してやれ。』そうならなければよいのですが、心配ではありますね。

 今くらい、民主主義が危ういときはないのではないでしょうか。

 今日は、ちょっと教育に関係のない話題になってしまいました。それでも、1クリックいただければありがたく存じます。


 ああ。すみません。つけたし。

 学習指導要領社会科の目標である、『我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て』にかかわっての政治状況も、かつて記事にしたことがあります。よろしければご覧ください。

    強い思い 

rve83253 at 18:19│Comments(0)TrackBack(0)エッセイ 

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