2008年08月02日

妹の三回忌 義弟のふるさとで4

968191af.JPG 申し訳ありません。今日は、教育の話題にもふれますが、ほとんどが私事にわたってしまうこと、お許しください。よろしければご覧ください。


 妹が亡くなって、早くも2年が経過した。

   平成18年8月9日   やすらかに母の元へ    
    平成19年8月10日  妹の一周忌 千の風になって

 今年の三回忌法要は、義弟のふるさとで営まれた。


 妹は、この地が大好きだったようだ。我が地域とは大きく異なり、全国有数の穀倉地帯である。また、雪国でもある。そして、何よりも、義姉とうまが合うというか、とにかく大の仲良しだったようだ。


 申し訳ないことに、わたしがこの地を訪れるのは、初めて。それが妹の死のあとになってしまうという、何とも、皮肉な結果となってしまった。


 だから、もちろん、この地での墓参も初めて。

 ここに妹は眠る。


 そのようなわけで、この義弟のふるさとにおいて、あらためて、妹の面影を見た。



 三回忌法要ということもあり、今年は、妹の家族一同はもちろんだが、フランス人と結婚した姪夫婦、及び、ご夫君のご両親も来日された。ご両親の来日は初めてだ。


 姪のご夫君には、昨年もお会いしたが、彼の日本語は、さらに上手になっていた。もっぱら、姪夫婦の通訳で、ご両親とお話することができた。


「日本の暑さはどうですか。むし暑いでしょう。」

 この、『むし暑い。』が、ご夫君には理解できなかった。『むし』から、『虫』を連想したようだ。姪が通訳。やっと理解。とたんに、上着をパタパタさせるしぐさをして、笑わせた。

「フランスに、そういう言葉はありません。だから、『暑い』と『湿度が高い』とを合わせて言います。」
 これは流暢な日本語で、言った。
「そうだろうね。向こうでは、『むし暑い』という天気はないのだろうから。」
「はい。ただ、暑い。それだけです。」



 挨拶が済むと、ご両親から、写真のプレゼントをいただいた。一瞬、絵をいただいたのかと錯覚するくらいきれいな写真だった。

 本記事の冒頭を飾る写真がそれなのだが、いかんせん、携帯のカメラでそれを撮影したものだから、元の鮮やかさはなくなってしまった。申し訳ありません。



 若夫婦は、パリ郊外に住んでいるが、ご両親はもともとこのすばらしい景色の田舎にお住まいである。写真前面の牧場は、ご近所の方の経営であるとうかがった。



 この、豊かな田園の地で、ご両親は長い間、小学校の教員をなさっていた。なお、奥様は、学業の遅れ気味の子などに個別指導をするという、おもに、そういうのが仕事だったようだ。



 お父様から、質問を受けた。

「toshiさんの学校は、児童数はどのくらいだったのですか。」
「はい。だいたい、450人くらいでした。」

 ご両親が勤務された学校は、全校16人くらいの、小さな小さな学校とのことだった。そのようなところだから、ご夫君の少年時代は、家庭ではご両親から指導を受け、学校では、親だけれど、先生としてダブルの指導を受けることになった。

「今は反対に、わたしが父にパソコンを教えています。」

 一同、大笑いとなった。



 さて、ここからは教育論。

 まず、フランスには飛び級があるということを聞いていたから、そのことを質問してみた。

 すると、なんと、ご夫君が飛び級の経験者だとのことだった。すごい。

 かねて、明るく、社交的な好青年とは思っていたが、それに加え、頭脳明晰である点でも、ぴか一だね。


 
 飛び級は、親や子どもの希望でというのではなく、まず学校のすすめが前提のようだ。



 そんな話をしていたら、姪が、フランスのバカロレア資格の話をしてくれた。


 この試験に受かれば、どの大学でも入学できるが、卒業は簡単ではないこと。特に医者になるのはきびしいようだ。

 ひとむかし前までは教育熱がさかんで、大学への道を目指す傾向が強かったが、近年、卒業できるとは限らないため、初めっから、バカロレア資格にこだわらず、早くから職を身につけることを考える傾向がでてきているようだ。


 わたしは、言った。
「それが正しいのだと思います。日本のように、入学はきびしく卒業はたやすいというのでは、大学で勉強しない傾向が強まるとともに、それ以前の学校は、入学準備教育になってしまう傾向があります。」



 わたしは、お返しにと言っては何だが、ここが米どころであることも意識し、米百俵の話をした。

 姪は、

「うわあ。フランス語で言うのは大変だ。」

お手上げというしぐさをしたが、まあ、それでも、何とか、訳してくれた。

「それはいつごろの話ですか。」
「はい。幕末ですから、140年位前ですか。」

 えらく感心してくれた。



 
 次の話は、ご夫君及びその両親がいなかったところで、姪がした話。

 ご夫君の箸の使い方がとても上手になったといったところから始まった話。

「でも、手先は、日本人の方が器用だと思いますよ。フランスにしてもイギリスにしても、大雑把ですよね。

 箸を使う文化ってすばらしいと思います。わたしにしても、母からきびしく教えられたけれど、ただの2本の棒に過ぎないのに、ほんとうにいろいろな使い方ができますよね。

 あと、小さいときから、日本の子どもは折り紙をやるでしょう。あれもいいですね。」

「そうだよな。角をきっちりそろえて折るなどというのも、手先を器用にするのだろうね。」

「そうですよ。折鶴にしても、きちんと折れる子の作ったものは、とてもきれいですものね。」

「ところが、日本でも、最近は、そういう幼児期の体験が減っているのかなあ。箸の持ち方もいい加減になっているし、折鶴などもやったことのないまま大きくなってしまう子が増えているのではないかな。」

 1年生でも、折り紙のはしをきちんと重ねて折ることのできない子が増えているような気がする。



 そう言えば、ちょっと話は違うかもしれないが、2年生でものさし、3年生で三角定規を使うが、それらを使っても、うまく直線を引けない子がふえているように思う。線を引こうとすると、関心がエンピツの方へ向いてしまうのだろう。物差しや定規を押さえる手がゆるくなってしまうのだね。



 さて、話はこれくらいにしよう。


 遠いフランスからいらしたご両親は、まだ、しばらく滞在され、日本各地の古刹などを訪ねられるようだ。

 道中の無事と、思い出に残るすばらしい旅行となるよう、祈念しよう。


 それにしても、義弟のふるさとの方を含め、多くの方と知り合いになれたのは、これも、妹が引き合わせてくれたのだなと思い、またひとしお、妹をしのぶ気持ちが強まった。


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 フランスのご両親からいただいたすばらしい田園の写真ですが、このブログへの使用をお願いしました。快く了解してくださいました。

 そうしましたら、

「記事にはどのようなことを書かれるのですか。」

 奥様からそう聞き返されました。

 わたしは説明させていただきましたが、

「でも、残念なことに、わたしたちは読むことができません。」

そうだよね。

 まだ、今は、パッパッパッとやると、フランス語に自動翻訳されるなどという便利なものは、ないのでしょうか。

 姪のAちゃん。お願い。フランスへ帰られたら、訳してやってね。

『姪夫婦の来訪 フランスと日本と』に続く。

rve83253 at 15:07│Comments(9)TrackBack(0)教育制度・政策 | 教育風土

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この記事へのコメント

1. Posted by なおみ   2008年08月02日 19:15
義弟さんのふるさと、本当に素敵な場所ですね。toshi先生と姪御さんのご夫君のご両親との教育についての会話がとても興味深かったです。フランスは飛び級があったり、大学資格だけにこだわらず職を身につけさせる人が増えるなど、教育は「将来に役立つものを身につけるための過程」とさっぱりと捉えている方が多い気がしました。日本の教育は、見栄だったり、ブランドだったり、周囲と比べたり自分の位置を確かめるための道具であったりして、教育内容が生きる力につながるのか疑問もあります。
2. Posted by なおみ   2008年08月02日 19:25
おりがみや箸の話も、幼児教育にかかる部分なので興味深く読みました。私は、幼児教育とは遊びを豊かにすること、日常生活の豊かさを取り戻すことだと感じています。
もっと幼児期に伝承遊びを経験させれば九九でつまずく子や、根気よく学習に取り組めない子は減るように感じています。
線が上手に引けない子が増えたというtoshi先生のご指摘も含めて、幼児期の大切さについて再確認させていただきました。
3. Posted by yoko   2008年08月02日 22:34
同じ教師同士、とても話がはずんだことでしょう(*^_^*)フランス、日本、それぞれに良さがあり、欠点があるのでしょうが、違いを知る事はとても有意義ですね。
ちょっとした遊びの中に、沢山学びが含まれていますよね。小学生も高学年になると塾や習い事が多いらしく、娘の友達は夏休みでも遊べない日ばかりのようで…。何だか複雑な思いがします。
4. Posted by toshi   2008年08月03日 12:14
なおみさん
 なるほど。日仏の違い。おっしゃる通りかもしれませんね。
 
 わたし、なおみさんのコメントを読ませていただきながら、大切なことを記事で落としてしまったことに気づきました。
 姪は、確かに、折り紙の話をするとき、『根気強さも養われますよね。』と言っていたのです。
 実は、つい最近、長女夫婦と孫が来たのですが、それまでは、車や電車のおもちゃしか興味を示さなかった孫が、一生懸命折り紙に取り組んでいるのを見て、感動してしまいました。幼稚園で学んでいるようです。
 なおみさんのブログで勉強させてもらわなきゃって思いました。
5. Posted by toshi   2008年08月03日 12:54
yokoさん
 確かに日本では、まわりの友人がみんな塾へ行っていると、自然と豊かにふれ合いたいと思っても、なかなか困難でしょうね。上記の自然とはまた違った意味で、自然体の子育てができるといいのですが・・・、

 そう言えば、思い出したことがあります。

 もう、25年位前、娘2人が小学生だったときでした。亡妹が言ったのです。
「お兄さんのうちのAちゃん、Bちゃんは、両親とも都会出身のため、いなかがなくてかわいそう。今度の休み、よかったら、一緒にうちの夫のふるさとに行かないかな。」
 それで、一週間くらい、お世話になったのです。ほたると遊んだり、泳いだり、いい体験だったようで、今もなつかしい思い出になっているようです。

 そんな思い出もありました。
6. Posted by なおみ   2008年08月03日 20:47
たびたびすいません。toshi先生の国語の授業の様子をリンクさせていただきました。
7. Posted by yoko   2008年08月04日 00:48
≪まだ、今は、パッパッパッとやると、フランス語に自動翻訳されるなどという便利なものは、ないのでしょうか。≫
google翻訳
http://translate.google.co.jp/translate_t?hl=ja

ここで、テキスト翻訳と、ウェブページ翻訳ができますよ。どのくらいの精度なのかはわかりませんが。(他にも翻訳してくれるサイトはあるようですね。)
8. Posted by toshi   2008年08月05日 12:12
なおみさん
 こちらこそ、いつもありがとうございます。リンクしていただき、恐縮しています。
 問題解決学習については、優秀な子だけを相手にするエリート教育という誤解があるのです。
 リンクしていただいた記事は、本来の趣旨の、『思考と知識は並行して』ということ以外にも、その誤解を解くことができるのではないかと思っています。
 なお、わたしも、8月4日入稿の記事で、なおみさんのブログ記事にリンクさせていただきました。よろしくお願いします。
9. Posted by toshi   2008年08月05日 12:15
yokoさん
 すごい。ちゃんとあるのですね。google翻訳。さっそくURLを姪に知らせようと思います。ご紹介いただき、ありがとうございました。
 

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